JOURNAL

自然の豊かさをいつまでも楽しめる社会を実現したい/INTERVIEW

自然の豊かさをいつまでも楽しめる社会を実現したい/INTERVIEW

このJOURNALでは、SOLITのバンクーバーファッションコレクションの挑戦に、共に立ち上がろうとしてくださっている企業が、どうして協力すると決めてくださったのか、その背景にある想いをインタビュー形式でまとめています。 ぜひ読んでくださった皆さんも、ともに立ち上がる仲間になっていただけたら嬉しいです。 今回は第2弾、株式会社CACTUS TOKYO 熊谷渓司さんのインタビューです。 今回のインタビューを受けてくれた方: 株式会社CACTUS TOKYO 熊谷渓司さん ランウェイを彩るモデルが本番で身につけるアイテムとして、生態系の回復が可能な「サボテンレザー」を採用されたバッグ・財布をお貸し出しいただきました。   SOLITのバンクーバーファッションコレクションについて 協賛企業一覧はこちら   バンクーバーファッションウィークへの挑戦をサポートしてくださることになったきっかけは? 知人の紹介で下北沢でPOPUPのイベントに自社で出店した際に、SOLITさんに初めて出会いました。サステナブルなビジネスを学ぶ学校『Sustainability College』のイベントに、他の出展者としてSOLITさんも出店していました。バンクーバーファッションウィークへのサポートについては、代表の美咲さんを社会起業家として尊敬し、また学ばせて頂いているのでささやかながらも、自分もそこに関わり勉強させてもらえたらという想いと、応援したいという想いで動いています。 2年前の下北沢のイベント: What's Sustainability? by サスカレ   現在、より良い社会の実現に向けて、取り組んでることや注力していることを教えてください。 私たちは、人と自然の美しい関係性を育み、継続していくことを通じて、「自然の豊かさをいつまでも楽しめる社会の実現」を目指しています。  私たちは全てのプロダクトに、軽くて、傷に強く、高い撥水性が特徴の「サボテン由来のレザー素材」を採用しています。私たちの財布が一つ購入されると、平均して「約3,920GのCO2」を削減できます。これは、杉の木約0.27本が1年間に吸収するCO2量に相当します。 サボテン由来のレザーには素材の生産を通じて、サボテン畑を増やし乾燥地帯への植林効果をもたらすことができます。サボテン由来のレザー素材をもちいたオリジナルアイテムを販売し、環境負荷の低い新素材の市場浸透を図ることと共に、ファッションを通じて人と自然の関係性について考えるきっかけを届けています。 SOLITの今後に期待していることは? 既存のものさしに拘らず、スタートアップとしてインパクトを最大化できることに拘り、挑戦し続けている姿勢にとても共感します。私自身も、最後は誰もが「自分が心から好きだと思うもの」を選択していった結果、社会が良くなっていく未来を創ることができればとても素敵だなと考えています。 SOLITの提唱するインクルーシブデザインによって、世の中の沢山のプロダクトがオセロの盤面のように片っ端から塗り替わっていったら素敵だなと感じていますし、そうなると信じています。...

自然の豊かさをいつまでも楽しめる社会を実現したい/INTERVIEW

このJOURNALでは、SOLITのバンクーバーファッションコレクションの挑戦に、共に立ち上がろうとしてくださっている企業が、どうして協力すると決めてくださったのか、その背景にある想いをインタビュー形式でまとめています。 ぜひ読んでくださった皆さんも、ともに立ち上がる仲間になっていただけたら嬉しいです。 今回は第2弾、株式会社CACTUS TOKYO 熊谷渓司さんのインタビューです。 今回のインタビューを受けてくれた方: 株式会社CACTUS TOKYO 熊谷渓司さん ランウェイを彩るモデルが本番で身につけるアイテムとして、生態系の回復が可能な「サボテンレザー」を採用されたバッグ・財布をお貸し出しいただきました。   SOLITのバンクーバーファッションコレクションについて 協賛企業一覧はこちら   バンクーバーファッションウィークへの挑戦をサポートしてくださることになったきっかけは? 知人の紹介で下北沢でPOPUPのイベントに自社で出店した際に、SOLITさんに初めて出会いました。サステナブルなビジネスを学ぶ学校『Sustainability College』のイベントに、他の出展者としてSOLITさんも出店していました。バンクーバーファッションウィークへのサポートについては、代表の美咲さんを社会起業家として尊敬し、また学ばせて頂いているのでささやかながらも、自分もそこに関わり勉強させてもらえたらという想いと、応援したいという想いで動いています。 2年前の下北沢のイベント: What's Sustainability? by サスカレ   現在、より良い社会の実現に向けて、取り組んでることや注力していることを教えてください。 私たちは、人と自然の美しい関係性を育み、継続していくことを通じて、「自然の豊かさをいつまでも楽しめる社会の実現」を目指しています。  私たちは全てのプロダクトに、軽くて、傷に強く、高い撥水性が特徴の「サボテン由来のレザー素材」を採用しています。私たちの財布が一つ購入されると、平均して「約3,920GのCO2」を削減できます。これは、杉の木約0.27本が1年間に吸収するCO2量に相当します。 サボテン由来のレザーには素材の生産を通じて、サボテン畑を増やし乾燥地帯への植林効果をもたらすことができます。サボテン由来のレザー素材をもちいたオリジナルアイテムを販売し、環境負荷の低い新素材の市場浸透を図ることと共に、ファッションを通じて人と自然の関係性について考えるきっかけを届けています。 SOLITの今後に期待していることは? 既存のものさしに拘らず、スタートアップとしてインパクトを最大化できることに拘り、挑戦し続けている姿勢にとても共感します。私自身も、最後は誰もが「自分が心から好きだと思うもの」を選択していった結果、社会が良くなっていく未来を創ることができればとても素敵だなと考えています。 SOLITの提唱するインクルーシブデザインによって、世の中の沢山のプロダクトがオセロの盤面のように片っ端から塗り替わっていったら素敵だなと感じていますし、そうなると信じています。...

多様な価値観が健全に共存できる社会の実現と自己効力感・肯定感を得ている状態を実現したい/INTERVIEW

多様な価値観が健全に共存できる社会の実現と自己効力感・肯定感を得ている状態を実現したい/INT...

SOLITが多様な人も地球環境も配慮されたオールインクルーシブな社会実現に向けて、第一弾として取り組む「ファッション」。1人1人の自己表現だけでなく、多くの人や企業が共に立ち上がることによって、従来の「美」の固定化からの脱却や、お互いを認め合う社会づくりに繋がっていくと信じています。その集大成ともなるバンクーバーファッションコレクションに出場にむけ、現在多くの企業が共に立ち上がってくださっています。 このJOURNALでは、どうして協力すると決めてくださったのか、その背景にある想いをまとめています。ぜひ読んでくださった皆さんも、ともに立ち上がる仲間になっていただけたら嬉しいです。今回は第一弾、株式会社morning after cutting my hairの中西須瑞化さんのインタビューです。 今回のインタビューを受けてくれた方: 株式会社morning after cutting my hair 中西須瑞化 さん SOLIT社と本ショーの関連性や、哲学・思想にあわせた演出のプランニング、モデル選定における基準作りなど、実現するにあたる背景のサポートをしていただきました。   SOLITのバンクーバーファッションコレクションについて 協賛企業一覧はこちら SOLITを知ったきっかけを教えてください。 2018年に社会課題解決の領域に特化した企画やPRの会社・株式会社morning after cutting my hair(以下、morning)を創業し、SOLITの代表である美咲さんと私で仕事を続けてきました。その経緯もあり、美咲さんが大学院に通い始めて、SOLITの構想を持ち始めた頃から、SOLITの構想を聞いており、私は時折相談に乗っていました。ブランドのビジョンに触れる中で、「多様な人も、地球環境も、誰もどれも取り残さない」オールインクルーシブな社会の実現を目指すその取り組みを応援しています。  SOLITのどのような部分に共感してくださっているのでしょうか。 SOLITとmorningは、代表が同じ田中美咲なので…笑。 個人としては、美咲さんの新しいことをやりたがるパワーがすごいなといつも感心しています。SOLITを始めようとしていた時も、また新しいことをやろう・やりたいと思えるのはすごいなぁと思って、純粋に応援していました。ただ「共感」という部分でいくと、SOLITが掲げていることは世界平和と同じくらい当たり前に「そりゃあそっちの方がいいよね」という話だと私は思っているので、当たり前すぎて「共感」とわざわざいうべきなのか?とさえ感じる部分はあります。  そのため、共感をベースに応援したいと思っているというよりは、それは大前提で、組織作りにしろプロダクトにしろ、「今の世の中で歯痒いところに手が届くこと」をやろうとしている部分を応援したいなと思っています。 株式会社morning after...

多様な価値観が健全に共存できる社会の実現と自己効力感・肯定感を得ている状態を実現したい/INT...

SOLITが多様な人も地球環境も配慮されたオールインクルーシブな社会実現に向けて、第一弾として取り組む「ファッション」。1人1人の自己表現だけでなく、多くの人や企業が共に立ち上がることによって、従来の「美」の固定化からの脱却や、お互いを認め合う社会づくりに繋がっていくと信じています。その集大成ともなるバンクーバーファッションコレクションに出場にむけ、現在多くの企業が共に立ち上がってくださっています。 このJOURNALでは、どうして協力すると決めてくださったのか、その背景にある想いをまとめています。ぜひ読んでくださった皆さんも、ともに立ち上がる仲間になっていただけたら嬉しいです。今回は第一弾、株式会社morning after cutting my hairの中西須瑞化さんのインタビューです。 今回のインタビューを受けてくれた方: 株式会社morning after cutting my hair 中西須瑞化 さん SOLIT社と本ショーの関連性や、哲学・思想にあわせた演出のプランニング、モデル選定における基準作りなど、実現するにあたる背景のサポートをしていただきました。   SOLITのバンクーバーファッションコレクションについて 協賛企業一覧はこちら SOLITを知ったきっかけを教えてください。 2018年に社会課題解決の領域に特化した企画やPRの会社・株式会社morning after cutting my hair(以下、morning)を創業し、SOLITの代表である美咲さんと私で仕事を続けてきました。その経緯もあり、美咲さんが大学院に通い始めて、SOLITの構想を持ち始めた頃から、SOLITの構想を聞いており、私は時折相談に乗っていました。ブランドのビジョンに触れる中で、「多様な人も、地球環境も、誰もどれも取り残さない」オールインクルーシブな社会の実現を目指すその取り組みを応援しています。  SOLITのどのような部分に共感してくださっているのでしょうか。 SOLITとmorningは、代表が同じ田中美咲なので…笑。 個人としては、美咲さんの新しいことをやりたがるパワーがすごいなといつも感心しています。SOLITを始めようとしていた時も、また新しいことをやろう・やりたいと思えるのはすごいなぁと思って、純粋に応援していました。ただ「共感」という部分でいくと、SOLITが掲げていることは世界平和と同じくらい当たり前に「そりゃあそっちの方がいいよね」という話だと私は思っているので、当たり前すぎて「共感」とわざわざいうべきなのか?とさえ感じる部分はあります。  そのため、共感をベースに応援したいと思っているというよりは、それは大前提で、組織作りにしろプロダクトにしろ、「今の世の中で歯痒いところに手が届くこと」をやろうとしている部分を応援したいなと思っています。 株式会社morning after...

【イベント情報】2月2日(金)- 2月4日(日)神戸2拠点イベント

【イベント情報】2月2日(金)- 2月4日(日)神戸2拠点イベント

SOLIT2024年初のイベントは神戸での2拠点 2024年2月初旬、SOLITとしては初めての、神戸の2拠点で3日間にわたる特別なイベントを開催いたします。昨年は関東でのイベント開催が多く、お住まいのエリアからはなかなか参加しにくいというお声もいただいておりました。そこで、今回は神戸にて種類の異なるイベントを実施いたします。ぜひ皆さまにお会いできることを一同楽しみにしております。 1拠点目は、2月2日(金)- 2月3日(土)に 神戸市 KIITOホールにて、「環 Meguru Summit – Taste of Sustainability」。このカンファレンスは、「サステナビリティ」に焦点を当て、関連する事業者やスタートアップが一堂に会する機会です。持続可能性に関心を寄せる方々との交流の場となります。皆さまのご参加をお待ちしております。 2拠点目は、2月4日(日)にマイスター靴工房KAJIYA神戸支店にて、「Fashion for Care - 着る喜び 履く喜び」を開催します。SOLIT以外に2社と合同で、ファッションと福祉が融合する素敵な時間を提供いたします。 下記、各イベントごとの詳しい情報を記載しております。   環 Meguru Summitについて 「環 Meguru Summit –Taste of Sustainability-」は、「神戸の地から、気候変動に関する技術・サービスの社会実装を目指し、日本へ、そして世界へ。」をテーマに掲げ、国内外のスタートアップやエコシステムを構築する企業が集い、新たな出会いと共にナレッジを共有するイベントです。 もちろん参加はどなたでも自由、無料公開イベントとなっており、新しい仕組みやサービス、団体との出会いにもなります! SOLITは昨年から兵庫県・神戸市主催の「SDGs...

【イベント情報】2月2日(金)- 2月4日(日)神戸2拠点イベント

SOLIT2024年初のイベントは神戸での2拠点 2024年2月初旬、SOLITとしては初めての、神戸の2拠点で3日間にわたる特別なイベントを開催いたします。昨年は関東でのイベント開催が多く、お住まいのエリアからはなかなか参加しにくいというお声もいただいておりました。そこで、今回は神戸にて種類の異なるイベントを実施いたします。ぜひ皆さまにお会いできることを一同楽しみにしております。 1拠点目は、2月2日(金)- 2月3日(土)に 神戸市 KIITOホールにて、「環 Meguru Summit – Taste of Sustainability」。このカンファレンスは、「サステナビリティ」に焦点を当て、関連する事業者やスタートアップが一堂に会する機会です。持続可能性に関心を寄せる方々との交流の場となります。皆さまのご参加をお待ちしております。 2拠点目は、2月4日(日)にマイスター靴工房KAJIYA神戸支店にて、「Fashion for Care - 着る喜び 履く喜び」を開催します。SOLIT以外に2社と合同で、ファッションと福祉が融合する素敵な時間を提供いたします。 下記、各イベントごとの詳しい情報を記載しております。   環 Meguru Summitについて 「環 Meguru Summit –Taste of Sustainability-」は、「神戸の地から、気候変動に関する技術・サービスの社会実装を目指し、日本へ、そして世界へ。」をテーマに掲げ、国内外のスタートアップやエコシステムを構築する企業が集い、新たな出会いと共にナレッジを共有するイベントです。 もちろん参加はどなたでも自由、無料公開イベントとなっており、新しい仕組みやサービス、団体との出会いにもなります! SOLITは昨年から兵庫県・神戸市主催の「SDGs...

SOLITが描く「東洋思想的インクルーシブデザイン」とは

SOLITが描く「東洋思想的インクルーシブデザイン」とは

SOLITが伝えきれていない、核となる思想 2023年、海外からの声を受けてSOLITの思想を改めて整理した 私たちは、最近、日本を中心として香港やイギリスなど、海外に向けた活動を徐々に広めています。その取り組みの中で、”日本人”同士の会話だからこそ、共通言語や共通認識の土台の上で伝えられていた部分が、言語の壁を越え、国や文化の違いを越えたときに、伝わりにくい瞬間があるということに気づきました。 特に、日本の文化や歴史に紐付く「東洋思想」的な考え方であったり、事業やサービス・デザインに関する意思決定の背景にある「哲学」「思想」の部分。従来の産業が生み出してきた課題に対する違和感とそれをどのように解決しているのかといった「HOW」の部分はこれまでも伝えてきたものの、海外のパートナーやクライアントと接する機会が多くなった2023年において、それがどのような哲学・思想のもとで行われたものなのかを、ちゃんと伝えきれていないということを感じました。 そこで、私たちのメンターとなってくださる方々と日々話し合う中で、同じような言葉を使って事業をされている方々と実はその根本としての考え方が違うことや、抽象的な言語としては同じものだったとしてもそれが「どこまでを包括しようとしているのか」といった視点が異なることに気づき、それを明言しなければ相手には伝わらないし、それこそ、そこが私たちの強みでもあると捉え直し、考えまとめることにしました。 キーワードは、「東洋思想的インクルーシブデザイン」「多元性」 私たちの根本に持つ思想として、キーワードに挙げるならば大きく2つあることを捉え直しました。1つは、「東洋思想的インクルーシブデザイン」。もう一つは、「多元性」。 私たちの団体に少しでも関わってくださった方々や、一緒にお仕事をさせていただいた企業の皆様にはこうした側面を講演でお伝えしたり、提案の中に含んでお伝えしたこともあったかもしれませんが、改めて言語化をしてみると、この2つの言葉に集約されるのではないかと行きつきました。 多様性や、サステナビリティ、ダイバーシティー&インクルージョンというテーマに関心がある人であればよく耳にすることがある「インクルーシブデザイン」。1970年代からバリアフリーや、ユニバーサルデザインなど多くの新たなデザインのスキームや考え方が広まり、今や日本でも障害や福祉のフィールドでデザインが浸透されることも増えてきました。 「インクルーシブデザイン」という言葉自体も広まりつつあるものの、やはり言葉だけが広まってしまうことが多く、その本質をとらえぬまま伝わってしまっていたり、人によって描くイメージが異なっている状況もあるのではないかと感じます。そして、改めて私たちが描く「インクルーシブデザイン」について考えた時、少し特徴があるなと気づくことがあったため、次の章からはこれについて説明したいと思います。 東洋思想的インクルーシブデザインと多元性 そもそもインクルーシブデザインとは何なのか? イギリス・ロンドンにあるロイヤル・カレッジ・オブ・アート(英国王立芸術大学院)のロジャー・コールマン教授が発祥した「インクルーシブデザイン」。デザインシンキングや、ユニバーサルデザインと異なる箇所として、社会的マイノリティーや課題当事者をヒアリング対象者として話を聞くことにとどまらず、企画段階から共にデザインを行っていくということを重要視しているものです。 ただアンケートを取ったり、ヒアリングをするだけだと、その人の中で顕在化しているニーズ、自覚のある部分に対してはアプローチすることができますが、潜在的なニーズ、本人の中の「当たり前」に入ってしまっている無自覚の部分などにアプローチすることは難しく、また関係構築が未熟なままの実施だと、その場で本心を出し切ることは難しく、正しい意見がもらえないといった難しさが出てくることもあります。 インクルーシブデザインでは、心理的安全性を担保された上で、チームの一員として議論の上流から参加し、経営判断や意思決定の土台となる部分にも対等な存在・意見として発言が組み込まれていく「関係性の構築」を前提に場を構築していきます。これによって、一種の機会均等や人権の確保を担うといった側面もあれば、企画段階から当事者の声が入ることでデザイナー本意の的外れなアウトプットを避けられるということ、またニーズの前のシーズの段階から確認でき、イノベーションの種を見つけることができるといった側面が存在しています。 「東洋思想的インクルーシブデザイン」とは何か 私たちはこの素晴らしい「インクルーシブデザイン」の捉え方や手法に敬意を示しています。しかし、一方で、一般的には「高齢者、障がい者、外国人など、従来デザインプロセスから除外されてきた多様な人々を、デザインプロセスの上流から巻き込むデザイン手法」とされているインクルーシブデザインは、その前提に「二元論」や「カテゴライズ」する思想が存在していることに気がつきました。 これは、近代西洋で起こった産業革命と資本主義の誕生以降に加速した「物事を分類することによって把握しやすくし、効率化することでスピードを速める」といった文明や産業のあり方が関係しているように思います。英語の表現としても”「Design for〜」から「Design with〜」へ”とされることがあるのですが、いくらプロセスの上流から巻き込んだとしても、結局「A design with B」といったAとBが交わることのない限界がそこにあるように感じます。本来は、二元論的な考え方をする必要もなく、ただただ「Diverse people design.」であるはずです。そこにはwithもforも必要ありません。 日本では茶道の精神の中に「主客一体」という考え方があります。私たちSOLITが描く「インクルーシブデザイン」は、どちらかというとこうした発想に近く、二元論やカテゴライズさえ存在しない、個々の存在やその空間における多元性を前提として「共に在る」ことで創っていく世界をイメージしているのだと感じるようになりました。 西洋が生み出した「インクルーシブデザイン」は常にアップデートされていますが、その根本に存在する二元論に違和感を持つならば、私たちSOLITは自分達が目指す世界に向けた私たちなりのインクルーシブデザインを確立させていく必要があると捉えました。それは「主客一体」の精神にもあるような、生まれながらにして触れてきた価値観や文化に基づく、人間としてのOSに組み込まれている東洋思想的な考え方に紐づくのではないかと感じています。 二元論に対する違和感は、主人と客人ではなく、主客が共にその場を創るのだという「主客一体」や、足るを知るという心構えがあり、そこに区別することなどできないといった考え方が身近に存在している中で生きてきたからこそ、感じるものなのかもしれません。 私たちSOLITでは、従来の日本が捉えてきたこの東洋思想的なインクルーシブデザインこそが、本当の意味で多様な人を包括しそして多様な人が自分らしく生きていくために必要なアウトプットを生み出すにおいて必要なのではないかと思っています。 「多元性」を前提とすることの重要性...

SOLITが描く「東洋思想的インクルーシブデザイン」とは

SOLITが伝えきれていない、核となる思想 2023年、海外からの声を受けてSOLITの思想を改めて整理した 私たちは、最近、日本を中心として香港やイギリスなど、海外に向けた活動を徐々に広めています。その取り組みの中で、”日本人”同士の会話だからこそ、共通言語や共通認識の土台の上で伝えられていた部分が、言語の壁を越え、国や文化の違いを越えたときに、伝わりにくい瞬間があるということに気づきました。 特に、日本の文化や歴史に紐付く「東洋思想」的な考え方であったり、事業やサービス・デザインに関する意思決定の背景にある「哲学」「思想」の部分。従来の産業が生み出してきた課題に対する違和感とそれをどのように解決しているのかといった「HOW」の部分はこれまでも伝えてきたものの、海外のパートナーやクライアントと接する機会が多くなった2023年において、それがどのような哲学・思想のもとで行われたものなのかを、ちゃんと伝えきれていないということを感じました。 そこで、私たちのメンターとなってくださる方々と日々話し合う中で、同じような言葉を使って事業をされている方々と実はその根本としての考え方が違うことや、抽象的な言語としては同じものだったとしてもそれが「どこまでを包括しようとしているのか」といった視点が異なることに気づき、それを明言しなければ相手には伝わらないし、それこそ、そこが私たちの強みでもあると捉え直し、考えまとめることにしました。 キーワードは、「東洋思想的インクルーシブデザイン」「多元性」 私たちの根本に持つ思想として、キーワードに挙げるならば大きく2つあることを捉え直しました。1つは、「東洋思想的インクルーシブデザイン」。もう一つは、「多元性」。 私たちの団体に少しでも関わってくださった方々や、一緒にお仕事をさせていただいた企業の皆様にはこうした側面を講演でお伝えしたり、提案の中に含んでお伝えしたこともあったかもしれませんが、改めて言語化をしてみると、この2つの言葉に集約されるのではないかと行きつきました。 多様性や、サステナビリティ、ダイバーシティー&インクルージョンというテーマに関心がある人であればよく耳にすることがある「インクルーシブデザイン」。1970年代からバリアフリーや、ユニバーサルデザインなど多くの新たなデザインのスキームや考え方が広まり、今や日本でも障害や福祉のフィールドでデザインが浸透されることも増えてきました。 「インクルーシブデザイン」という言葉自体も広まりつつあるものの、やはり言葉だけが広まってしまうことが多く、その本質をとらえぬまま伝わってしまっていたり、人によって描くイメージが異なっている状況もあるのではないかと感じます。そして、改めて私たちが描く「インクルーシブデザイン」について考えた時、少し特徴があるなと気づくことがあったため、次の章からはこれについて説明したいと思います。 東洋思想的インクルーシブデザインと多元性 そもそもインクルーシブデザインとは何なのか? イギリス・ロンドンにあるロイヤル・カレッジ・オブ・アート(英国王立芸術大学院)のロジャー・コールマン教授が発祥した「インクルーシブデザイン」。デザインシンキングや、ユニバーサルデザインと異なる箇所として、社会的マイノリティーや課題当事者をヒアリング対象者として話を聞くことにとどまらず、企画段階から共にデザインを行っていくということを重要視しているものです。 ただアンケートを取ったり、ヒアリングをするだけだと、その人の中で顕在化しているニーズ、自覚のある部分に対してはアプローチすることができますが、潜在的なニーズ、本人の中の「当たり前」に入ってしまっている無自覚の部分などにアプローチすることは難しく、また関係構築が未熟なままの実施だと、その場で本心を出し切ることは難しく、正しい意見がもらえないといった難しさが出てくることもあります。 インクルーシブデザインでは、心理的安全性を担保された上で、チームの一員として議論の上流から参加し、経営判断や意思決定の土台となる部分にも対等な存在・意見として発言が組み込まれていく「関係性の構築」を前提に場を構築していきます。これによって、一種の機会均等や人権の確保を担うといった側面もあれば、企画段階から当事者の声が入ることでデザイナー本意の的外れなアウトプットを避けられるということ、またニーズの前のシーズの段階から確認でき、イノベーションの種を見つけることができるといった側面が存在しています。 「東洋思想的インクルーシブデザイン」とは何か 私たちはこの素晴らしい「インクルーシブデザイン」の捉え方や手法に敬意を示しています。しかし、一方で、一般的には「高齢者、障がい者、外国人など、従来デザインプロセスから除外されてきた多様な人々を、デザインプロセスの上流から巻き込むデザイン手法」とされているインクルーシブデザインは、その前提に「二元論」や「カテゴライズ」する思想が存在していることに気がつきました。 これは、近代西洋で起こった産業革命と資本主義の誕生以降に加速した「物事を分類することによって把握しやすくし、効率化することでスピードを速める」といった文明や産業のあり方が関係しているように思います。英語の表現としても”「Design for〜」から「Design with〜」へ”とされることがあるのですが、いくらプロセスの上流から巻き込んだとしても、結局「A design with B」といったAとBが交わることのない限界がそこにあるように感じます。本来は、二元論的な考え方をする必要もなく、ただただ「Diverse people design.」であるはずです。そこにはwithもforも必要ありません。 日本では茶道の精神の中に「主客一体」という考え方があります。私たちSOLITが描く「インクルーシブデザイン」は、どちらかというとこうした発想に近く、二元論やカテゴライズさえ存在しない、個々の存在やその空間における多元性を前提として「共に在る」ことで創っていく世界をイメージしているのだと感じるようになりました。 西洋が生み出した「インクルーシブデザイン」は常にアップデートされていますが、その根本に存在する二元論に違和感を持つならば、私たちSOLITは自分達が目指す世界に向けた私たちなりのインクルーシブデザインを確立させていく必要があると捉えました。それは「主客一体」の精神にもあるような、生まれながらにして触れてきた価値観や文化に基づく、人間としてのOSに組み込まれている東洋思想的な考え方に紐づくのではないかと感じています。 二元論に対する違和感は、主人と客人ではなく、主客が共にその場を創るのだという「主客一体」や、足るを知るという心構えがあり、そこに区別することなどできないといった考え方が身近に存在している中で生きてきたからこそ、感じるものなのかもしれません。 私たちSOLITでは、従来の日本が捉えてきたこの東洋思想的なインクルーシブデザインこそが、本当の意味で多様な人を包括しそして多様な人が自分らしく生きていくために必要なアウトプットを生み出すにおいて必要なのではないかと思っています。 「多元性」を前提とすることの重要性...

SOLITのファッションモデルの集合写真

バンクーバー・ファッション・ウィークへ共に挑戦するモデルが決定

多様性がコンセプトのバンクーバーファッションウィークのモデルが決定 バンクーバー・ファッション・ウィーク(以下、VFW)は、NYに次いで北米で2番目に大きな国際的ファッションイベントで、多国籍・多文化の都市・バンクーバーで開催されます。世界中から業界関係者や革新的なデザイナーが集まる唯一無二のファッションショーであり、世界のファッションウィークの中でも成長が著しく、パリ・ロンドン・ミラノ・ニューヨークの舞台に向けて若手デザイナーが世界で活躍するためのステージにもなっていると言われています。 今回、私たちSOLITはVFWより直接のオファーを受け、2024年4月のコレクションへ出場することを決めました。 「多様性」というコンセプトのVFWのコレクションには、多様性を受け入れファッションが社会に対してどのように価値を生み出していくのか、目の当たりにしようとされる方も参加者として多く集まります。そして、SOLITが描く「オールインクルーシブ」をさらに広く伝える機会と捉えました。 今回、私たちSOLITが準備するランウェイのテーマは「SOLIT! Duh.」。スラングで「めちゃくちゃやばい - え、そんなの当たり前でしょ?」といったように、多様な人がそれぞれの表現をすることが当たり前になった世界を見せたいと考えています。 また、本来は、バンクーバーファッションウィークからの招待であることから、必要な人数の全てのモデルはVFW事務局が提供してくださいます。しかし、私たちがこれまで作ってきたプロダクトは「多様な人が自分の好みや体型にあわせて、自分で選択することを可能にした」ことに価値があり、その可変性・拡張性を表現するにおいては一般的なモデル体型の人や、訓練されたランウェイウォーキングができる人だけに着ていただくのではその価値が伝わらないと感じました。 もっと多様な人に着てほしい。 このSOLITの思想や哲学をもとに、チームの一員として、障害、セクシュアリティ、信仰、体型、国籍、年齢、経験などに関係なく、多様な人とともにランウェイを彩りたいと思い、国内外からモデルの公募をし、今回この8人のモデルの皆さんと共に挑戦することを決めました。 時代をつくるコレクションの舞台だからこそ、私たちが求める社会のあり方とファッションの姿を伝えることが必要だと考え、モデルの仲間たちとともに、SOLITは世界の舞台に立ちます。   SOLITの7名の多様なモデル 9月に実施したモデルの一般公募などで最終的に選ばれた、VFWに共に出場するモデル7名をご紹介します。 バンクーバーファッションウィークへむけて作り上げていくSOLITの表現を、最終的に会場に来場された方々へ届け、伝えてくれるのが今回のモデルです。実際には、ショー全体で15人のモデルが出場する中、SOLITのメンバーとしてともに企画段階から演出やプロダクト、表現を議論しながら伝えていく仲間として半年かけて一緒に作り上げるのがこの7人です。 7人のそれぞれの想いを知った上で、ぜひ私たちの挑戦を応援していただけたら嬉しいです。   髙居 千紘(たかい かずひろ) デフアスリートとして聞こえない子どもたちに希望を与える プロフィール コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社所属デフアスリート。1997年6月7日生まれ。滋賀県出身、神奈川県在住。先天性感音性難聴。2020年4月にコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社に入社。業務と両立しながら陸上競技の走り高跳びと十種競技のデフ(聴覚障がい)アスリートとして活動。2025年東京デフリンピックへの出場、メダル獲得を目指している。 自身の強み、魅力、特徴 先天性感音性難聴。口話と手話でのコミュニケーションが可能。 運動神経は抜群で、性格は負けず嫌い。 走り高跳びでは、全国聾学校陸上競技大会で3連覇。世界ろう大会で6位、自己記録は1m91cm。...

バンクーバー・ファッション・ウィークへ共に挑戦するモデルが決定

多様性がコンセプトのバンクーバーファッションウィークのモデルが決定 バンクーバー・ファッション・ウィーク(以下、VFW)は、NYに次いで北米で2番目に大きな国際的ファッションイベントで、多国籍・多文化の都市・バンクーバーで開催されます。世界中から業界関係者や革新的なデザイナーが集まる唯一無二のファッションショーであり、世界のファッションウィークの中でも成長が著しく、パリ・ロンドン・ミラノ・ニューヨークの舞台に向けて若手デザイナーが世界で活躍するためのステージにもなっていると言われています。 今回、私たちSOLITはVFWより直接のオファーを受け、2024年4月のコレクションへ出場することを決めました。 「多様性」というコンセプトのVFWのコレクションには、多様性を受け入れファッションが社会に対してどのように価値を生み出していくのか、目の当たりにしようとされる方も参加者として多く集まります。そして、SOLITが描く「オールインクルーシブ」をさらに広く伝える機会と捉えました。 今回、私たちSOLITが準備するランウェイのテーマは「SOLIT! Duh.」。スラングで「めちゃくちゃやばい - え、そんなの当たり前でしょ?」といったように、多様な人がそれぞれの表現をすることが当たり前になった世界を見せたいと考えています。 また、本来は、バンクーバーファッションウィークからの招待であることから、必要な人数の全てのモデルはVFW事務局が提供してくださいます。しかし、私たちがこれまで作ってきたプロダクトは「多様な人が自分の好みや体型にあわせて、自分で選択することを可能にした」ことに価値があり、その可変性・拡張性を表現するにおいては一般的なモデル体型の人や、訓練されたランウェイウォーキングができる人だけに着ていただくのではその価値が伝わらないと感じました。 もっと多様な人に着てほしい。 このSOLITの思想や哲学をもとに、チームの一員として、障害、セクシュアリティ、信仰、体型、国籍、年齢、経験などに関係なく、多様な人とともにランウェイを彩りたいと思い、国内外からモデルの公募をし、今回この8人のモデルの皆さんと共に挑戦することを決めました。 時代をつくるコレクションの舞台だからこそ、私たちが求める社会のあり方とファッションの姿を伝えることが必要だと考え、モデルの仲間たちとともに、SOLITは世界の舞台に立ちます。   SOLITの7名の多様なモデル 9月に実施したモデルの一般公募などで最終的に選ばれた、VFWに共に出場するモデル7名をご紹介します。 バンクーバーファッションウィークへむけて作り上げていくSOLITの表現を、最終的に会場に来場された方々へ届け、伝えてくれるのが今回のモデルです。実際には、ショー全体で15人のモデルが出場する中、SOLITのメンバーとしてともに企画段階から演出やプロダクト、表現を議論しながら伝えていく仲間として半年かけて一緒に作り上げるのがこの7人です。 7人のそれぞれの想いを知った上で、ぜひ私たちの挑戦を応援していただけたら嬉しいです。   髙居 千紘(たかい かずひろ) デフアスリートとして聞こえない子どもたちに希望を与える プロフィール コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社所属デフアスリート。1997年6月7日生まれ。滋賀県出身、神奈川県在住。先天性感音性難聴。2020年4月にコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社に入社。業務と両立しながら陸上競技の走り高跳びと十種競技のデフ(聴覚障がい)アスリートとして活動。2025年東京デフリンピックへの出場、メダル獲得を目指している。 自身の強み、魅力、特徴 先天性感音性難聴。口話と手話でのコミュニケーションが可能。 運動神経は抜群で、性格は負けず嫌い。 走り高跳びでは、全国聾学校陸上競技大会で3連覇。世界ろう大会で6位、自己記録は1m91cm。...

人と環境と共にあるための紙と印刷戦略

人と環境と共にあるための紙と印刷戦略

森林は空気を浄化し、水を浄化し、そして野生動物を保護する。その多くの機能を持つ重要な資源であるのにもかかわらず、森林の減少は現在も続いています。 私たちSOLITは、誰もどれも取り残さない未来のため、資源保護に対する取り組みの一環として、印刷をしないことも提案される印刷・紙に関する専門家である伸和印刷株式会社と共にSOLITの事業活動に使用する紙資源の影響に対処するためのプログラムを実行しました。プログラムの設計は伸和印刷社が先導してくださり実施したものです。   紙の印刷事情、環境へのインパクト 紙の印刷における資源利用量や排出量を考える場合、印刷の紙・インク・輸送・廃棄など様々なプロセスにおいて考慮しなければなりません。例えば、印刷方法では主にオンデマンド印刷とオフセット印刷があります。オンデマンド印刷は、必要な数量だけ印刷するため、在庫を削減し、紙やインクの無駄を最小限に抑えることができるため、環境への負荷が低いと言えます。 一方で、大量の印刷に向いていると言われているオフセット印刷はインクと溶剤の使用が比較的多いため、大量印刷では効率的ですが、小ロットの印刷では、余剰の印刷物が出る可能性があり、紙やインクの無駄が生じます。また、製版や印刷工程におけるCO2排出量が比較的多い傾向にあります。 【保存版】森林資源使用量を減らすための紙と印刷チェックリスト   SOLITの印刷・紙利用の結果 今回の取り組みでは、2023年のSOLITの事業活動における印刷物のデータを全て伸和印刷社に共有し、Paper Calculator というツールを利用し、データを算出いたしました。 この方法は、Patagoniaなどの企業も使用しており、原材料の採取や加工から廃棄物処理までのライフサイクル段階に関連する環境への影響を可視化することが可能です。しかし、GHG(温室効果ガスの排出量)のデータについてはPaper Calculatorではなく、別途、環境省が発行している資料「サプライチェーン排出量算定の考え方」に基づいて計算しています。 紙および、印刷の排出量、輸送、配送で配送時の排出量、事業活動からでる排出量で紙くずの排出量をすべて考慮し計算しています。また、サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースを元に排出原単位は計算しています。 1)SOLITの印刷物の属性例 契約書・証明書、納品書、その他事務的書類 商品パンフレット・指南書 ポストカード・購入者様用メッセージカード 広告用チラシ 展示用のパネル・イベントご案内用ポスター 商品用POPカード 梱包用シール スティッカー 名刺 2)2023年、SOLITの印刷物における環境へのインパクト 成木 0.6本 総エネルギー量 60万(冷蔵庫0.7個が1年間稼働した分程のエネルギー) GHG 238kg 使用水分量 1873L...

人と環境と共にあるための紙と印刷戦略

森林は空気を浄化し、水を浄化し、そして野生動物を保護する。その多くの機能を持つ重要な資源であるのにもかかわらず、森林の減少は現在も続いています。 私たちSOLITは、誰もどれも取り残さない未来のため、資源保護に対する取り組みの一環として、印刷をしないことも提案される印刷・紙に関する専門家である伸和印刷株式会社と共にSOLITの事業活動に使用する紙資源の影響に対処するためのプログラムを実行しました。プログラムの設計は伸和印刷社が先導してくださり実施したものです。   紙の印刷事情、環境へのインパクト 紙の印刷における資源利用量や排出量を考える場合、印刷の紙・インク・輸送・廃棄など様々なプロセスにおいて考慮しなければなりません。例えば、印刷方法では主にオンデマンド印刷とオフセット印刷があります。オンデマンド印刷は、必要な数量だけ印刷するため、在庫を削減し、紙やインクの無駄を最小限に抑えることができるため、環境への負荷が低いと言えます。 一方で、大量の印刷に向いていると言われているオフセット印刷はインクと溶剤の使用が比較的多いため、大量印刷では効率的ですが、小ロットの印刷では、余剰の印刷物が出る可能性があり、紙やインクの無駄が生じます。また、製版や印刷工程におけるCO2排出量が比較的多い傾向にあります。 【保存版】森林資源使用量を減らすための紙と印刷チェックリスト   SOLITの印刷・紙利用の結果 今回の取り組みでは、2023年のSOLITの事業活動における印刷物のデータを全て伸和印刷社に共有し、Paper Calculator というツールを利用し、データを算出いたしました。 この方法は、Patagoniaなどの企業も使用しており、原材料の採取や加工から廃棄物処理までのライフサイクル段階に関連する環境への影響を可視化することが可能です。しかし、GHG(温室効果ガスの排出量)のデータについてはPaper Calculatorではなく、別途、環境省が発行している資料「サプライチェーン排出量算定の考え方」に基づいて計算しています。 紙および、印刷の排出量、輸送、配送で配送時の排出量、事業活動からでる排出量で紙くずの排出量をすべて考慮し計算しています。また、サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースを元に排出原単位は計算しています。 1)SOLITの印刷物の属性例 契約書・証明書、納品書、その他事務的書類 商品パンフレット・指南書 ポストカード・購入者様用メッセージカード 広告用チラシ 展示用のパネル・イベントご案内用ポスター 商品用POPカード 梱包用シール スティッカー 名刺 2)2023年、SOLITの印刷物における環境へのインパクト 成木 0.6本 総エネルギー量 60万(冷蔵庫0.7個が1年間稼働した分程のエネルギー) GHG 238kg 使用水分量 1873L...