JOURNAL

脊髄損傷者専門トレーニングジムが提供する、前例のないトレーニング/INTERVIEW

脊髄損傷者専門トレーニングジムが提供する、前例のないトレーニング/INTERVIEW

みなさんこんにちは!2022年2月からSOLITインターンをしている、あつきです。 本記事は、SOLITのプロダクトを実際に展示してくださり、多様な人も地球環境もともに考慮された「オールインクルーシブ」という考え方や価値観の発信拠点「SOLIT STAND」としてご協力いただいているみなさまへのインタビュー企画です。 SOLIT STANDの情報はこちら 今回は、東京・大阪・福岡にスタジオを構える脊髄損傷者専門トレーニングジム「J-Workout」。2022年4月からSOLIT STANDを設置していただいています。 そこで、J-Workout代表の伊佐さんにインタビューをお受けいただきました。 INTERVIEW 日本人ならではのトレーニングへのハードルを超えて ー 脊髄損傷者専門のトレーニングジムを始めたきっかけを教えてください。 元々は僕が20年ほど前に事故にあって脊髄損傷になったのですが、病院を出た後に、なかなか普通のトレーニングジムに行くのは難しいし、病院もある程度保険が終わるとリハビリがやりづらくなっていて、結構困ったんです。 そんな中、情報収集をしていたら、民間でも脊髄損傷者がトレーニングできるところが海外にあることを知りました。それがたまたま僕の同級生で、今は亡くなりましたが創設メンバーの渡辺淳の留学先だったんです。中学から同級生で一緒に部活もしていた親友が留学している先にそんな施設があると知ったので、見に行ってみました。 そこには、従来の病院やリハビリのイメージとは全く異なる状況があったんです。自分自身がもう一度歩くことに挑戦してみたいと思い、彼がそこに入社するタイミングで一緒に渡米して、トレーニングに励み、日本に帰ってきたのが、J-Workout立ち上げのきっかけです。 ー アメリカで学んだトレーニング方法を日本に持ってくる時に、身体的な特徴が日本とアメリカでは違うと思いますが、どのように日本人向けにされたんですか? 僕はトレーナーではないので、渡辺や創設メンバーがどんな苦労をしたか正確にはわかりません。ただ、感覚的にいうと、体つきの違いはもちろんですが、文化が違うので考え方も基本的に違います。その考え方の違いをまず乗り越える必要がありました。 日本はリハビリといえばタダでできるもの、病院はお金がかからないところというイメージなので、お金を出してでもやるメリットを伝える必要がありました。 ー トレーニング方法を日本人に合わせて調整させるだけではなく、文化的なところへの対応も重要だったんですね。 結局、寝てて薬を投与されて終わりではなくて、トレーニングは自身が続けていかなくちゃいけないこと。本人の意志がないと続かないですよね。 その中で、健常者であってもトレーニングジムに通うことがハードル高かった時代だったので、もう一度身体を鍛えなければどうなっていくか、という想像力から養っていかないといけませんでした。 日本では、何もしないことが安心、というところがあります。しかし、実際には何もしないことで失っていくというリスクもあるので、改めて感じてもらわなくちゃいけないなと思っています。 これまで15年やってきて、全員が元通りになった訳ではないことは事実です。けれど、その中で確実に、やってなかったら大変なことになっていたなと感じたり、続けているからこれができるようになった、など、トレーニングを続けることで獲得したものや失わずに済んでいることを感じられるということは大事だと思っています。   トレーナーに必要なのは、クライアントに寄り添うコミュニケーション ー 脊髄損傷の方を専門とするジムだからこそ、トレーナーの育成が大変そうに感じるのですが、どのようにされているんですか? とにかく時間をかけてちょっとずつなんです。マニュアルや教科書を作っていますが、やはり人も成長させなきゃいけません。実際にトレーニングするのはクライアントさん(ジムに通われている方のこと)で、そのクライアントさんにいかに寄り添えるか、そこを成長させるのが難しいですね。 技術だけだったら半年でなんとかなるかもしれないけれど、コミュニケーションの部分がとても大切です。 脊髄損傷だと身体に感覚がない方々が多いので、「痛いですか?」というコミュニケーションは取れず、表現も一人一人違います。いろんな方々の表現を理解して、正しい負荷でトレーニングを提供できるようになるまでは、当然知識や技術も必要ですが、コミュニケーションがすごく大切で時間がかかります。 ファッションという側面からも、一歩を踏み出す背中を押せたら ー SOLITのどこに共感してくださったんですか?...

脊髄損傷者専門トレーニングジムが提供する、前例のないトレーニング/INTERVIEW

みなさんこんにちは!2022年2月からSOLITインターンをしている、あつきです。 本記事は、SOLITのプロダクトを実際に展示してくださり、多様な人も地球環境もともに考慮された「オールインクルーシブ」という考え方や価値観の発信拠点「SOLIT STAND」としてご協力いただいているみなさまへのインタビュー企画です。 SOLIT STANDの情報はこちら 今回は、東京・大阪・福岡にスタジオを構える脊髄損傷者専門トレーニングジム「J-Workout」。2022年4月からSOLIT STANDを設置していただいています。 そこで、J-Workout代表の伊佐さんにインタビューをお受けいただきました。 INTERVIEW 日本人ならではのトレーニングへのハードルを超えて ー 脊髄損傷者専門のトレーニングジムを始めたきっかけを教えてください。 元々は僕が20年ほど前に事故にあって脊髄損傷になったのですが、病院を出た後に、なかなか普通のトレーニングジムに行くのは難しいし、病院もある程度保険が終わるとリハビリがやりづらくなっていて、結構困ったんです。 そんな中、情報収集をしていたら、民間でも脊髄損傷者がトレーニングできるところが海外にあることを知りました。それがたまたま僕の同級生で、今は亡くなりましたが創設メンバーの渡辺淳の留学先だったんです。中学から同級生で一緒に部活もしていた親友が留学している先にそんな施設があると知ったので、見に行ってみました。 そこには、従来の病院やリハビリのイメージとは全く異なる状況があったんです。自分自身がもう一度歩くことに挑戦してみたいと思い、彼がそこに入社するタイミングで一緒に渡米して、トレーニングに励み、日本に帰ってきたのが、J-Workout立ち上げのきっかけです。 ー アメリカで学んだトレーニング方法を日本に持ってくる時に、身体的な特徴が日本とアメリカでは違うと思いますが、どのように日本人向けにされたんですか? 僕はトレーナーではないので、渡辺や創設メンバーがどんな苦労をしたか正確にはわかりません。ただ、感覚的にいうと、体つきの違いはもちろんですが、文化が違うので考え方も基本的に違います。その考え方の違いをまず乗り越える必要がありました。 日本はリハビリといえばタダでできるもの、病院はお金がかからないところというイメージなので、お金を出してでもやるメリットを伝える必要がありました。 ー トレーニング方法を日本人に合わせて調整させるだけではなく、文化的なところへの対応も重要だったんですね。 結局、寝てて薬を投与されて終わりではなくて、トレーニングは自身が続けていかなくちゃいけないこと。本人の意志がないと続かないですよね。 その中で、健常者であってもトレーニングジムに通うことがハードル高かった時代だったので、もう一度身体を鍛えなければどうなっていくか、という想像力から養っていかないといけませんでした。 日本では、何もしないことが安心、というところがあります。しかし、実際には何もしないことで失っていくというリスクもあるので、改めて感じてもらわなくちゃいけないなと思っています。 これまで15年やってきて、全員が元通りになった訳ではないことは事実です。けれど、その中で確実に、やってなかったら大変なことになっていたなと感じたり、続けているからこれができるようになった、など、トレーニングを続けることで獲得したものや失わずに済んでいることを感じられるということは大事だと思っています。   トレーナーに必要なのは、クライアントに寄り添うコミュニケーション ー 脊髄損傷の方を専門とするジムだからこそ、トレーナーの育成が大変そうに感じるのですが、どのようにされているんですか? とにかく時間をかけてちょっとずつなんです。マニュアルや教科書を作っていますが、やはり人も成長させなきゃいけません。実際にトレーニングするのはクライアントさん(ジムに通われている方のこと)で、そのクライアントさんにいかに寄り添えるか、そこを成長させるのが難しいですね。 技術だけだったら半年でなんとかなるかもしれないけれど、コミュニケーションの部分がとても大切です。 脊髄損傷だと身体に感覚がない方々が多いので、「痛いですか?」というコミュニケーションは取れず、表現も一人一人違います。いろんな方々の表現を理解して、正しい負荷でトレーニングを提供できるようになるまでは、当然知識や技術も必要ですが、コミュニケーションがすごく大切で時間がかかります。 ファッションという側面からも、一歩を踏み出す背中を押せたら ー SOLITのどこに共感してくださったんですか?...

デジタルホールディングス ESG/SDGsと事業を考える

デジタルホールディングス ESG/SDGsと事業を考える

2022年10月28日、株式会社デジタルホールディングスのグループCFOとして、ファイナンス、IR、ITを管掌されている加藤毅之さんとともに、SOLIT代表の田中が社員の皆さん向けにESGセミナーを開催しました。 「新しい価値創造」に挑む事業に寄り添うCFOとして、ホールディングスの企業価値向上を目指す。  加藤さんご自身も、海外旅行先で格差を目の当たりにしたことをきっかけに、ベトナムでの小学校支援をはじめ、CFOに就任する前に所属していたデジタル広告関連事業子会社の自社プロダクトにNPOへの寄付ボタンを設置(現在は子会社清算により事業撤退)した経験があり、最近は、コロナ禍でリモートワークになったこときっかけに空いた時間を活用しながら個人としての寄付活動等を加速されているそう。 そんな加藤さんが「ESG」と出会ったのは、2020年。投資家の方々との対話の中でESGの重要性への理解を深め、調査と学びをはじめ、次の年にはグループの注力すべき課題として「マテリアリティ」を発表、次いで推進していくための委員会や分科会を立ち上げるなど、学びと実践を繰り返されています。 本JOURNALはセミナーの一部をまとめています。ぜひご覧ください!   なかなか自分ごと化して考えるのが難しい社会課題 デジタルホールディングスグループでは、「事業や自分がやっている業務と社会課題の紐付けができない、難しい」という声が多く存在すると加藤さんはいう。 その状況に対し、SOLITの田中は特に日本で暮らし日本を中心としたビジネスを行う人はより一層、「自分と社会」をつなぎ合わせて理解することが難しいのではと考えている。 それは、島国の日本では気づきにくいことも、地続きに他国と繋がり、他国で起きている課題が自国に身近に影響する国々で暮らし働く人にとっては「世界で起きていること」と「自分の身の回りで起きていること」の距離がとても近く、「自分と社会」をつなぎ合わせて考えることは少なくなく、そこから得られる気づきもある。難民や移民、戦争、気候変動と言ったことに関してもそうだと言う。 本来であれば、顕在化されていないだけで日本にも多様な人が暮らし、多様な課題が存在しているものの、「見て見ぬ振りをしたままでも生きていける」という状態が、日本企業で長年働く人にとっての権利と化してしまっているのだという。   大きな影響力を持つ大企業の責任は大いにある 加藤さんと田中、ともに「一人の人、一社だけでは社会は変わらないが、できることは大いにある」と捉えている。  特に、加藤さんは環境汚染や児童労働の問題は、より大きな影響力を持っている大企業が変わらないと変わらない部分もあると捉え、デジタルホールディングスが「新しい価値創造を通じて産業変革を起こし、社会課題を解決する。」というパーパスを定めているからこそ、さらに注力していきたいと語る。 (加藤さんがオンラインではなされている瞬間) 特に、デジタルホールディングスの注力するデジタルシフトを中核とする「デジタル」の領域と、その中の「人材」にフォーカスし、常に新規事業のアイデアを考え、それらをどのように営利企業・上場企業としてバランスを取りながらも実現するのか、笑顔の中にも苦労がみえる。 色々な投資家からの要求に応えていくこととSDGs的な要素は両立できるか SOLITは、株主第一主義からの脱却とともに、株主をチームの一員と捉え、短期的なメリットのためでなく長期視点で出資をしてもらう「やさしい株式」を発行し、SOLITらしい資本政策を行った。 オールインクルーシブな世界観における資本、”やさしい株式”のあり方 もちろん、従来の「投資」にもとめる短期間で大きなリターンを期待するものとは真逆と言っても過言ではない中、それでも共感し理解してくれる株主がいたのは、感謝してもしきれないという。 しかし、SOLITと異なり、デジタルホールディングスは、上場を果たし、それゆえに株主に対する責任と、「株主を選べない」という状況下にあるため、全く同じことはできない。その中で、上場企業だからこそできる社会課題解決の方法があるのではないかと、答えのない問いに対しても加藤さんは目を輝かせながら話す。 本業で売り上げた利益を寄付するだけにとどまるのではなく、デジタル・人材(グループアセット)という強みを活かし、いかにして本業で本質的な社会課題を解決し続けるのか、そしてそれをいわゆる社会貢献として終わらせず、「人や地球環境をより良くすることに注力するから売り上げにもつながる」という、利益と社会貢献というものを二律背反ではなく両立で回していきたい。 (多様な働き方をされている社員のみなさんに仙台へ会いに行った時の写真)   では、そんな事業をつくってしまおう このセミナーの中で、約90名の方がオンラインのzoomに参加している際に一番「チャット」がもりあがったのがこの最後のパートだった。そして加藤さんがとてもワクワクと話すその姿に共感し、チャットにアイデアや意見が溢れた。  加藤さんは、目を輝かせてこのように語る。 私が営業に携わっていた時、社会貢献実感がすごく強かった。ネット広告黎明期で、資金や人的リソースがない中小企業やスタートアップが、により新しい産業を創り成長していく姿を見て、めちゃくちゃやりがいを感じていた。ネット広告が成熟していく中で、確かに実業務と社会貢献実感や社会課題解決というものを直接的に感じることは少なくなってしまっているのかもしれません。グループのサステナビリティ統括責任者として、どのように自身や業務と紐付けられるか考えています。そうした中で、直接的に感じられるような事業を立ち上げちゃえ、と思っているのです そして残りの限られた時間の中で、最後に加藤さんから2つのアイデアのプレゼンテーションが始まる。...

デジタルホールディングス ESG/SDGsと事業を考える

2022年10月28日、株式会社デジタルホールディングスのグループCFOとして、ファイナンス、IR、ITを管掌されている加藤毅之さんとともに、SOLIT代表の田中が社員の皆さん向けにESGセミナーを開催しました。 「新しい価値創造」に挑む事業に寄り添うCFOとして、ホールディングスの企業価値向上を目指す。  加藤さんご自身も、海外旅行先で格差を目の当たりにしたことをきっかけに、ベトナムでの小学校支援をはじめ、CFOに就任する前に所属していたデジタル広告関連事業子会社の自社プロダクトにNPOへの寄付ボタンを設置(現在は子会社清算により事業撤退)した経験があり、最近は、コロナ禍でリモートワークになったこときっかけに空いた時間を活用しながら個人としての寄付活動等を加速されているそう。 そんな加藤さんが「ESG」と出会ったのは、2020年。投資家の方々との対話の中でESGの重要性への理解を深め、調査と学びをはじめ、次の年にはグループの注力すべき課題として「マテリアリティ」を発表、次いで推進していくための委員会や分科会を立ち上げるなど、学びと実践を繰り返されています。 本JOURNALはセミナーの一部をまとめています。ぜひご覧ください!   なかなか自分ごと化して考えるのが難しい社会課題 デジタルホールディングスグループでは、「事業や自分がやっている業務と社会課題の紐付けができない、難しい」という声が多く存在すると加藤さんはいう。 その状況に対し、SOLITの田中は特に日本で暮らし日本を中心としたビジネスを行う人はより一層、「自分と社会」をつなぎ合わせて理解することが難しいのではと考えている。 それは、島国の日本では気づきにくいことも、地続きに他国と繋がり、他国で起きている課題が自国に身近に影響する国々で暮らし働く人にとっては「世界で起きていること」と「自分の身の回りで起きていること」の距離がとても近く、「自分と社会」をつなぎ合わせて考えることは少なくなく、そこから得られる気づきもある。難民や移民、戦争、気候変動と言ったことに関してもそうだと言う。 本来であれば、顕在化されていないだけで日本にも多様な人が暮らし、多様な課題が存在しているものの、「見て見ぬ振りをしたままでも生きていける」という状態が、日本企業で長年働く人にとっての権利と化してしまっているのだという。   大きな影響力を持つ大企業の責任は大いにある 加藤さんと田中、ともに「一人の人、一社だけでは社会は変わらないが、できることは大いにある」と捉えている。  特に、加藤さんは環境汚染や児童労働の問題は、より大きな影響力を持っている大企業が変わらないと変わらない部分もあると捉え、デジタルホールディングスが「新しい価値創造を通じて産業変革を起こし、社会課題を解決する。」というパーパスを定めているからこそ、さらに注力していきたいと語る。 (加藤さんがオンラインではなされている瞬間) 特に、デジタルホールディングスの注力するデジタルシフトを中核とする「デジタル」の領域と、その中の「人材」にフォーカスし、常に新規事業のアイデアを考え、それらをどのように営利企業・上場企業としてバランスを取りながらも実現するのか、笑顔の中にも苦労がみえる。 色々な投資家からの要求に応えていくこととSDGs的な要素は両立できるか SOLITは、株主第一主義からの脱却とともに、株主をチームの一員と捉え、短期的なメリットのためでなく長期視点で出資をしてもらう「やさしい株式」を発行し、SOLITらしい資本政策を行った。 オールインクルーシブな世界観における資本、”やさしい株式”のあり方 もちろん、従来の「投資」にもとめる短期間で大きなリターンを期待するものとは真逆と言っても過言ではない中、それでも共感し理解してくれる株主がいたのは、感謝してもしきれないという。 しかし、SOLITと異なり、デジタルホールディングスは、上場を果たし、それゆえに株主に対する責任と、「株主を選べない」という状況下にあるため、全く同じことはできない。その中で、上場企業だからこそできる社会課題解決の方法があるのではないかと、答えのない問いに対しても加藤さんは目を輝かせながら話す。 本業で売り上げた利益を寄付するだけにとどまるのではなく、デジタル・人材(グループアセット)という強みを活かし、いかにして本業で本質的な社会課題を解決し続けるのか、そしてそれをいわゆる社会貢献として終わらせず、「人や地球環境をより良くすることに注力するから売り上げにもつながる」という、利益と社会貢献というものを二律背反ではなく両立で回していきたい。 (多様な働き方をされている社員のみなさんに仙台へ会いに行った時の写真)   では、そんな事業をつくってしまおう このセミナーの中で、約90名の方がオンラインのzoomに参加している際に一番「チャット」がもりあがったのがこの最後のパートだった。そして加藤さんがとてもワクワクと話すその姿に共感し、チャットにアイデアや意見が溢れた。  加藤さんは、目を輝かせてこのように語る。 私が営業に携わっていた時、社会貢献実感がすごく強かった。ネット広告黎明期で、資金や人的リソースがない中小企業やスタートアップが、により新しい産業を創り成長していく姿を見て、めちゃくちゃやりがいを感じていた。ネット広告が成熟していく中で、確かに実業務と社会貢献実感や社会課題解決というものを直接的に感じることは少なくなってしまっているのかもしれません。グループのサステナビリティ統括責任者として、どのように自身や業務と紐付けられるか考えています。そうした中で、直接的に感じられるような事業を立ち上げちゃえ、と思っているのです そして残りの限られた時間の中で、最後に加藤さんから2つのアイデアのプレゼンテーションが始まる。...

金沢福祉用具情報プラザの、異なる福祉用具を異なる人へ届ける方法/INTERVIEW

金沢福祉用具情報プラザの、異なる福祉用具を異なる人へ届ける方法/INTERVIEW

みなさんこんにちは!2022年7月からSOLITインターンをしている、きみかです。 本記事は、SOLITのプロダクトを実際に展示してくださり、多様な人も地球環境もともに考慮された「オールインクルーシブ」という考え方や価値観の発信拠点「SOLIT STAND」としてご協力いただいているみなさまへのインタビュー企画です。 今回は、石川県の金沢市にあり、福祉用具を数多く展示している「金沢福祉用具情報プラザ」。2021年11月からSOLIT STANDを設置していただいています。 展示品を管理されている本田さんにインタビューをお受けいただきました。 INTERVIEW 出来ないを出来るに変える一つの手段 ー 金沢福祉用具情報プラザとは、どんな施設ですか? 石川県金沢市にある福祉用具の常設展示場です。衣服や入浴用具、排泄用具、車いすなどの移動機器、食事用具など、あらゆる種類の福祉用具を約1200点展示しています。 当プラザでは、福祉用具の購入を検討中の方を対象に、試用貸出を1週間無料で行っています。それは、福祉用具を使用し続けるにあたって、生活環境に適合するのかを実際に使用する場所で体験していただくことは重要だと思っているからです。 ー 福祉用具の魅力は何ですか? 今できないことを出来るようにしてくれる魅力があります。また、福祉用具は人のやる気にも介入できます。例えば、SOLITのDawn Jacketは、脇にマチをつけて肩まわりを動きやすくすることで、車いすが漕ぎやすくなるように工夫されてますよね。 そのことによって、漕ぎづらかった車いすがDawn Jacketを着ることで漕ぎやすくなったら行動範囲も広がると思います。福祉用具も同じように、利用者の「出来る」を増やして、やる気を上げることにつながります。 「一人一人を知ること」が、福祉用具の魅力を引き出す ー 福祉用具の魅力を伝える際に心がけていることは何ですか? 福祉用具は同じものはひとつも置いていないので、一つ一つどんな機能や特徴があるのか把握するようにしています。また、障害の種類は同じでも、住んでいる環境や性別、年齢、好みなど、福祉用具を使われる方にはさまざまな違いがあります。そのため、その方がどういう方なのかを聞き取り、知ることを一番に心がけています。そこから、その方に合う福祉用具を提案します。 提案をして、来館された方の悩みに合った福祉用具を選べた時に、やりがいを感じます。逆に難しいと感じることは、来館された方の障害や生活の悩みに合った福祉用具が見つけられないときです。 ー 「金沢福祉用具情報プラザ」を一言で表すなら何ですか? 「見て、触れて、体験できる」施設だということです。実際に見て体験してみて、初めてその用具がどれだけ便利なのかを知ることができると思っています。   障害のある方も、もっと外出して欲しい ー SOLITとの出会いはいつですか? 昨年、知り合いの作業療法士からお洒落で障害のある方も着やすいファッションメーカーがあると聞いたのが最初です。その後、興味を持ち、代表の田中さんに連絡させてもらいました。また、昨年の10月に石川県で試着会をされていた時に、実際にプロダクトを初めて見させてもらいました。 ー SOLITの「オールインクルーシブ」という考え方のどこに共感してくださったんですか? 私は「誰も取り残さない」という考え方に共感しました。なぜなら、この考え方は福祉用具を扱ううえでも共通しているからです。福祉用具の役割として、誰も取り残さないように色んな用具があって、その人の自立度や、やりたいことを達成するために福祉用具が存在しています。 ー なぜSOLIT STANDをやろうと思ってくださったのですか?...

金沢福祉用具情報プラザの、異なる福祉用具を異なる人へ届ける方法/INTERVIEW

みなさんこんにちは!2022年7月からSOLITインターンをしている、きみかです。 本記事は、SOLITのプロダクトを実際に展示してくださり、多様な人も地球環境もともに考慮された「オールインクルーシブ」という考え方や価値観の発信拠点「SOLIT STAND」としてご協力いただいているみなさまへのインタビュー企画です。 今回は、石川県の金沢市にあり、福祉用具を数多く展示している「金沢福祉用具情報プラザ」。2021年11月からSOLIT STANDを設置していただいています。 展示品を管理されている本田さんにインタビューをお受けいただきました。 INTERVIEW 出来ないを出来るに変える一つの手段 ー 金沢福祉用具情報プラザとは、どんな施設ですか? 石川県金沢市にある福祉用具の常設展示場です。衣服や入浴用具、排泄用具、車いすなどの移動機器、食事用具など、あらゆる種類の福祉用具を約1200点展示しています。 当プラザでは、福祉用具の購入を検討中の方を対象に、試用貸出を1週間無料で行っています。それは、福祉用具を使用し続けるにあたって、生活環境に適合するのかを実際に使用する場所で体験していただくことは重要だと思っているからです。 ー 福祉用具の魅力は何ですか? 今できないことを出来るようにしてくれる魅力があります。また、福祉用具は人のやる気にも介入できます。例えば、SOLITのDawn Jacketは、脇にマチをつけて肩まわりを動きやすくすることで、車いすが漕ぎやすくなるように工夫されてますよね。 そのことによって、漕ぎづらかった車いすがDawn Jacketを着ることで漕ぎやすくなったら行動範囲も広がると思います。福祉用具も同じように、利用者の「出来る」を増やして、やる気を上げることにつながります。 「一人一人を知ること」が、福祉用具の魅力を引き出す ー 福祉用具の魅力を伝える際に心がけていることは何ですか? 福祉用具は同じものはひとつも置いていないので、一つ一つどんな機能や特徴があるのか把握するようにしています。また、障害の種類は同じでも、住んでいる環境や性別、年齢、好みなど、福祉用具を使われる方にはさまざまな違いがあります。そのため、その方がどういう方なのかを聞き取り、知ることを一番に心がけています。そこから、その方に合う福祉用具を提案します。 提案をして、来館された方の悩みに合った福祉用具を選べた時に、やりがいを感じます。逆に難しいと感じることは、来館された方の障害や生活の悩みに合った福祉用具が見つけられないときです。 ー 「金沢福祉用具情報プラザ」を一言で表すなら何ですか? 「見て、触れて、体験できる」施設だということです。実際に見て体験してみて、初めてその用具がどれだけ便利なのかを知ることができると思っています。   障害のある方も、もっと外出して欲しい ー SOLITとの出会いはいつですか? 昨年、知り合いの作業療法士からお洒落で障害のある方も着やすいファッションメーカーがあると聞いたのが最初です。その後、興味を持ち、代表の田中さんに連絡させてもらいました。また、昨年の10月に石川県で試着会をされていた時に、実際にプロダクトを初めて見させてもらいました。 ー SOLITの「オールインクルーシブ」という考え方のどこに共感してくださったんですか? 私は「誰も取り残さない」という考え方に共感しました。なぜなら、この考え方は福祉用具を扱ううえでも共通しているからです。福祉用具の役割として、誰も取り残さないように色んな用具があって、その人の自立度や、やりたいことを達成するために福祉用具が存在しています。 ー なぜSOLIT STANDをやろうと思ってくださったのですか?...

納得できる拡張されたサーキュラリティを実現するアイテム開発を目指します

納得できる拡張されたサーキュラリティを実現するアイテム開発を目指します

日本国内でサステナブルファッションに携わる、わたしたち「SOLIT!」と岡山県倉敷市を拠点にサーキュラーデニムを販売する「land down under」。 今回、わたしたち2社を発起人とし、近年のどこか表層的かつ一部分のみを変えて止まってしまうような「サステナビリティ」に対して問題提起をし、わたしたち自身が真に納得できる「サステナブルファッション」の理想系を実現するため、タッグを組みました。   わたしたちが感じる、今までの課題 現在ファッション産業で謳われている「サステナブル」は、素材や回収システムといった長く複雑に絡み合うファッションのサプライチェーンの一部分の改善に止まるものが多くみられます。 もちろん、改善されていないよりは「Better」なのかもしれません。ただそこで思考停止してしまっていいのでしょうか。 私たちはそれぞれのブランドとして個々に「サステナブルファッション」について日々試行錯誤しながら挑戦していますが、その循環の中に参画できない人が存在することや、より多くの人が参加できるようにするとどうしても環境に負荷がかかってしまう選択肢をとるしかない...など、そのバランスや実現に頭を抱えていました。 私たちがタッグを組む理由 そこで、多様な人も、地球環境もともに考慮されたオールインクルーシブな社会を実現するために、企画段階からこれまで循環の中に参加できていなかった方を巻き込むSOLIT!のインクルーシブデザインの手法と、 より生産背景を透明かつ同一地域内で完結させ、環境負荷を極力軽減させた循環する服づくりを実践するland down underの生産背景に対するこだわりを組み合わせることで、私たち自身が納得できる拡張されたサーキュラリティを実現するアイテム開発をはじめました。 それは、衣服以上に永く人の手の近くに存在し、長く使い続けることができる「All-inclusive bag(オールインクルーシブバック)」。多様な人も、地球環境も共に考慮されたオールインクルーシブな社会を実現するために必要なものです。 バッグを通して目指す社会は 私たちは、サプライチェーン全体で人権や環境負荷を配慮したものづくり、そして人の想いや素材が循環することが重要であると考えています。 その循環により広く多くの人の参加を可能にするために、意識の高い一部の人のものになるのではなく、多様な人が関われるものづくりにこだわりました。 多様な人々が関われるようなものづくりにこだわることで、この「バッグ」を通して「生み出すほど社会・地球がよりよくなる」ことを目指します。   私たち2社だからこそできること land down underの(コラボに対する)想い land down underのアイテムは、いわゆる健常者が性別や世代を問わず穿けるものです。しかしながら、SOLIT!と出会い、私たちが大切にしているサーキュラーエコノミーを軸としたものづくりの先に実現される「循環」は、まだ小さい範囲だったかもしれない、と感じました。 より拡張されたサーキュラーエコノミー/循環のあり方を求めて、SOLIT!とインクルーシブデザインを実現した服づくりを経験したいという想いが芽生えました。 SOLITの(コラボに対する)想い...

納得できる拡張されたサーキュラリティを実現するアイテム開発を目指します

日本国内でサステナブルファッションに携わる、わたしたち「SOLIT!」と岡山県倉敷市を拠点にサーキュラーデニムを販売する「land down under」。 今回、わたしたち2社を発起人とし、近年のどこか表層的かつ一部分のみを変えて止まってしまうような「サステナビリティ」に対して問題提起をし、わたしたち自身が真に納得できる「サステナブルファッション」の理想系を実現するため、タッグを組みました。   わたしたちが感じる、今までの課題 現在ファッション産業で謳われている「サステナブル」は、素材や回収システムといった長く複雑に絡み合うファッションのサプライチェーンの一部分の改善に止まるものが多くみられます。 もちろん、改善されていないよりは「Better」なのかもしれません。ただそこで思考停止してしまっていいのでしょうか。 私たちはそれぞれのブランドとして個々に「サステナブルファッション」について日々試行錯誤しながら挑戦していますが、その循環の中に参画できない人が存在することや、より多くの人が参加できるようにするとどうしても環境に負荷がかかってしまう選択肢をとるしかない...など、そのバランスや実現に頭を抱えていました。 私たちがタッグを組む理由 そこで、多様な人も、地球環境もともに考慮されたオールインクルーシブな社会を実現するために、企画段階からこれまで循環の中に参加できていなかった方を巻き込むSOLIT!のインクルーシブデザインの手法と、 より生産背景を透明かつ同一地域内で完結させ、環境負荷を極力軽減させた循環する服づくりを実践するland down underの生産背景に対するこだわりを組み合わせることで、私たち自身が納得できる拡張されたサーキュラリティを実現するアイテム開発をはじめました。 それは、衣服以上に永く人の手の近くに存在し、長く使い続けることができる「All-inclusive bag(オールインクルーシブバック)」。多様な人も、地球環境も共に考慮されたオールインクルーシブな社会を実現するために必要なものです。 バッグを通して目指す社会は 私たちは、サプライチェーン全体で人権や環境負荷を配慮したものづくり、そして人の想いや素材が循環することが重要であると考えています。 その循環により広く多くの人の参加を可能にするために、意識の高い一部の人のものになるのではなく、多様な人が関われるものづくりにこだわりました。 多様な人々が関われるようなものづくりにこだわることで、この「バッグ」を通して「生み出すほど社会・地球がよりよくなる」ことを目指します。   私たち2社だからこそできること land down underの(コラボに対する)想い land down underのアイテムは、いわゆる健常者が性別や世代を問わず穿けるものです。しかしながら、SOLIT!と出会い、私たちが大切にしているサーキュラーエコノミーを軸としたものづくりの先に実現される「循環」は、まだ小さい範囲だったかもしれない、と感じました。 より拡張されたサーキュラーエコノミー/循環のあり方を求めて、SOLIT!とインクルーシブデザインを実現した服づくりを経験したいという想いが芽生えました。 SOLITの(コラボに対する)想い...

徳武産業の「お客様に寄り添う」心とプロダクト/INTERVIEW

徳武産業の「お客様に寄り添う」心とプロダクト/INTERVIEW

みなさんこんにちは!2022年2月からSOLITインターンをしている、あつきです。 本記事は、SOLITのプロダクトを実際に展示してくださり、多様な人も地球環境もともに考慮された「オールインクルーシブ」という考え方や価値観の発信拠点「SOLIT STAND」としてご協力いただいているみなさまへのインタビュー企画です。 SOLIT STANDの情報はこちら まずは、香川県を本拠地とする、ケアシューズ専門メーカーあゆみシューズを展開する「徳武産業株式会社」。2022年3月からSOLIT STANDを設置していただいています。 企画開発や営業を経て、現在はあゆみシューズのショップスタッフをされている西木さんにインタビューをお受けいただきました。 INTERVIEW 現場の実情を入れ込んだプロダクト ー どんなプロダクトを提供していらっしゃいますか? 徳武産業はもともと手袋産業やトラベル用のスリッパなど縫製の委託生産をやっていました。そんな時に、近所の老人施設の方から高齢者の転倒がとても多いと相談を受けました。 調査したところ、筋力が低下していたり様々な体の不自由さがあるために、屋内で履いているスリッパでは、うまく足を運べず、ちょっとした段差だったり床の環境で引っかかってしまうことがわかりました。そこで、履きものが原因なのではないか、ということになりました。そこから、神戸・長田の靴職人と研究を重ねて、「転びにくい靴」を開発しました。 ヒアリングをする中で、高齢者にとって脱ぎ履きの動作も重要ですし、片方ずつ足の状態やサイズが違うなど、転びにくいようにするためにはその方々に寄り添わないとクリアできないと当初から発見しました。発売開始後すぐ、靴底の高さやベルトの長さが変えられるなど症状に応じて部分的にカスタマイズができるパーツオーダーシステムを始めました。 販売当初から、高齢者の現場の意見・実情を入れ込んだプロダクトができています。それが原点なので、「あゆみシューズ」というブランドは現場のモニタリングを大切に、本当にそれが必要なのか、安全性は大丈夫なのか、などかなり厳しい会議をしてみんなが納得してイメージできるものをつくっています。 ー 企画の段階から施設やデイサービスに足を運んでいるとのことですが、一つの商品を生み出すのに、どれくらいの時間がかかっているんですか? ものによりますが、半年〜1年はかかっていると思います。 ヒアリングを経て実現する時、生産する工場にとって難しいことが多いので、そこの折り合いが大変ですね。ニッチすぎてフィードバックの量が集まるのに時間はかかりますが、だんだんフィードバックをもらうまでの流れがスムーズになってきています。 今の主軸は高齢者のルームシューズなどのケア用品ラインと、病院の売店などで早期退院のために転倒しにくいシューズやがん治療で脱毛する方の帽子などを販売するメディカルラインの二つです。もう一つ新規でやっているのが、脚立を登って工事をする方などが踏ん張れるルームシューズを作るお仕事ラインです。 これまで「あゆみ」で培った技術や素材の使い方を用いて様々なラインを展開していますが、共通しているのは、ニッチだけれど、ちゃんと人の役に立つかどうかをベースにしているところです。 ー 西木さんはどうして徳武産業に? 医療福祉専門学校の整形靴科で学んでいました。そこで学んだのは、「いかに歩かせるか」だったのですが、「あゆみシューズ」を訪れた時に、縫製中心の会社だったので室内履きが豊富なことに疑問を覚えました。 「歩くことが難しくても、靴を履くことはその人の人権で、その人の社会的地位を守るもの」という言葉を聞いて感動して、歩いていないから履きものはいらない・なんでもいいという考えは持っていなくて、人を大切にしているところが響きました。   スタッフ全員のベースにあるのは「お客様に寄り添っているか」 ー「利益は必要だが最優先であってはいけない」というこだわりを貫くモチベーションになっているのはどんなことですか? お客様からお手紙をいただくことですね。こちらから手書きでメッセージを添えたり、お誕生日プレゼントを2年間送ったりしているのですが、そのあたたかさがお客様にも伝わってか、お客様からお手紙をいただいたり、アンケートはがきに丁寧に答えてくれたり。 お客様から感謝してもらう事はもちろん嬉しいのですが、さらに、この靴の存在が、その人の人生のポイントの一つになっている事を、お手紙やはがきを通して、きちんと私たちが確認できるようになっているので、私たちはお客様の人生にとって大切なものを作っているのだと振り返りができる事もモチベーションになっています。 様々な年代のスタッフがおりますが、みんな最終的にベースとなっているのは「お客様に寄り添っているか」なので、売り上げにつながるかどうか、ではないなと思っています。みんな自分達の商品にプライドを持っているから繋がっているのではないかなと思います。 SOLIT...

徳武産業の「お客様に寄り添う」心とプロダクト/INTERVIEW

みなさんこんにちは!2022年2月からSOLITインターンをしている、あつきです。 本記事は、SOLITのプロダクトを実際に展示してくださり、多様な人も地球環境もともに考慮された「オールインクルーシブ」という考え方や価値観の発信拠点「SOLIT STAND」としてご協力いただいているみなさまへのインタビュー企画です。 SOLIT STANDの情報はこちら まずは、香川県を本拠地とする、ケアシューズ専門メーカーあゆみシューズを展開する「徳武産業株式会社」。2022年3月からSOLIT STANDを設置していただいています。 企画開発や営業を経て、現在はあゆみシューズのショップスタッフをされている西木さんにインタビューをお受けいただきました。 INTERVIEW 現場の実情を入れ込んだプロダクト ー どんなプロダクトを提供していらっしゃいますか? 徳武産業はもともと手袋産業やトラベル用のスリッパなど縫製の委託生産をやっていました。そんな時に、近所の老人施設の方から高齢者の転倒がとても多いと相談を受けました。 調査したところ、筋力が低下していたり様々な体の不自由さがあるために、屋内で履いているスリッパでは、うまく足を運べず、ちょっとした段差だったり床の環境で引っかかってしまうことがわかりました。そこで、履きものが原因なのではないか、ということになりました。そこから、神戸・長田の靴職人と研究を重ねて、「転びにくい靴」を開発しました。 ヒアリングをする中で、高齢者にとって脱ぎ履きの動作も重要ですし、片方ずつ足の状態やサイズが違うなど、転びにくいようにするためにはその方々に寄り添わないとクリアできないと当初から発見しました。発売開始後すぐ、靴底の高さやベルトの長さが変えられるなど症状に応じて部分的にカスタマイズができるパーツオーダーシステムを始めました。 販売当初から、高齢者の現場の意見・実情を入れ込んだプロダクトができています。それが原点なので、「あゆみシューズ」というブランドは現場のモニタリングを大切に、本当にそれが必要なのか、安全性は大丈夫なのか、などかなり厳しい会議をしてみんなが納得してイメージできるものをつくっています。 ー 企画の段階から施設やデイサービスに足を運んでいるとのことですが、一つの商品を生み出すのに、どれくらいの時間がかかっているんですか? ものによりますが、半年〜1年はかかっていると思います。 ヒアリングを経て実現する時、生産する工場にとって難しいことが多いので、そこの折り合いが大変ですね。ニッチすぎてフィードバックの量が集まるのに時間はかかりますが、だんだんフィードバックをもらうまでの流れがスムーズになってきています。 今の主軸は高齢者のルームシューズなどのケア用品ラインと、病院の売店などで早期退院のために転倒しにくいシューズやがん治療で脱毛する方の帽子などを販売するメディカルラインの二つです。もう一つ新規でやっているのが、脚立を登って工事をする方などが踏ん張れるルームシューズを作るお仕事ラインです。 これまで「あゆみ」で培った技術や素材の使い方を用いて様々なラインを展開していますが、共通しているのは、ニッチだけれど、ちゃんと人の役に立つかどうかをベースにしているところです。 ー 西木さんはどうして徳武産業に? 医療福祉専門学校の整形靴科で学んでいました。そこで学んだのは、「いかに歩かせるか」だったのですが、「あゆみシューズ」を訪れた時に、縫製中心の会社だったので室内履きが豊富なことに疑問を覚えました。 「歩くことが難しくても、靴を履くことはその人の人権で、その人の社会的地位を守るもの」という言葉を聞いて感動して、歩いていないから履きものはいらない・なんでもいいという考えは持っていなくて、人を大切にしているところが響きました。   スタッフ全員のベースにあるのは「お客様に寄り添っているか」 ー「利益は必要だが最優先であってはいけない」というこだわりを貫くモチベーションになっているのはどんなことですか? お客様からお手紙をいただくことですね。こちらから手書きでメッセージを添えたり、お誕生日プレゼントを2年間送ったりしているのですが、そのあたたかさがお客様にも伝わってか、お客様からお手紙をいただいたり、アンケートはがきに丁寧に答えてくれたり。 お客様から感謝してもらう事はもちろん嬉しいのですが、さらに、この靴の存在が、その人の人生のポイントの一つになっている事を、お手紙やはがきを通して、きちんと私たちが確認できるようになっているので、私たちはお客様の人生にとって大切なものを作っているのだと振り返りができる事もモチベーションになっています。 様々な年代のスタッフがおりますが、みんな最終的にベースとなっているのは「お客様に寄り添っているか」なので、売り上げにつながるかどうか、ではないなと思っています。みんな自分達の商品にプライドを持っているから繋がっているのではないかなと思います。 SOLIT...

多様性とルッキズムを超えて、SOLITが撮影協力者を公募

多様性とルッキズムを超えて、SOLITが撮影協力者を公募

 「SOLIT」は、多様な人も地球環境も考慮された、オール・インクルーシブな社会の実現を、まず第一歩として「ファッション」から取り組む会社です。2020年9月15日に設立し、社員・プロボノ・インターン・ボランティア・株主含めて約40名のチームで運営されています。 そして特に、SOLITのソーシャルメディアやパンフレット、現在ご覧いただいているwebサイトに活用する写真や映像を撮影する際にはより広くご協力をいただいてきました。 この度、SOLITでは撮影モデル・協力者を公募します。   目に見える多様性とルッキズム SOLITは多様性を信じます。しかし、それを表現するにあたって、表層だけの多様性を打ち出したいとは思っていません。私たちが求めているのは、一人一人が真に多様であり、それは外見だけでなく目に見えない価値観や思想を含めたもの、そしてその違いです。 そして多様な人に挑戦の機会があることや、アウトプットを見た人の心が動くために、多様性を表現することが不可欠であることは言うまでもありません。 だからといって、その違いをマーケティングの道具にするのは、あまりにも私たちの思想に反しています。私たちが求めるのは、1人1人が真に目指す未来に対して共にあれるかどうか。 「多様性 / ダイバーシティ」を伝えたいが故に、目に見える部分において多様な存在を集合させて撮影されたものではなく、その全ての多様性を伝えたい、そう思っています。 そのため、私たちはSOLITのwebサイトやSNSをはじめとして情報発信の際に掲載される写真や映像に携わる、カメラマンやビデオグラファー、モデルやスタイリストのみなさんには、SOLITの目指す未来への共感と賛同、その想いを求めます。 SOLITとはどのような存在か   SOLITのアンチキャスティング これまでSOLITでは、多様性を表現したいがために見た目が多様なモデルを集めるといったことはしていません。そしてその行為は私たちが目指す多様性とは大きくかけ離れています。 そもそも、一人一人全く異なる存在であり、カテゴライズなどできないはず。ありのままの姿で写真や映像に残していきたいと考え、これまでは実際に一緒に活動するスタッフや、その友人や家族に協力をしてもらい撮影をしています。 あくまで、見た目や障害の有無やセクシュアリティなどでキャスティングするのではなく、私たちSOLITの目指す未来に共感をしていることを必要条件として、大切に着てくれる仲間から。   SOLITへの共感、環境と多様性に関心があることが条件 SOLITがチームで活動する時に大切にしていること、それは、多様な人が、相互に理解・承認しあい、それぞれの求める多様な働き方や関わり方を自律的に選択ができること。 これはまさに、SOLITが目指す多様な人も地球環境もともに考慮された「All-inclusive」な社会をまず最小単位としてのチームの中でも実現する挑戦でもあります。それは撮影に挑むチームやモデルも一緒。 SOLITは、年齢も国籍もセクシュアリティも、障害や信仰も、住んでいる場所も、家族構成も、学歴や仕事の経験量やスキルも、まったく異なる人の集まりです。目指す社会やSOLITの取り組みにはともに共感し、ともに立ち上がろうとする人を求めます。   撮影モデルは友達、もしくは環境・多様性について語れるかどうか SOLIT!の撮影・映像メンバーや、モデルの募集エントリーフォームでは、見た目を選定するようなデータの提出は求めません。また、偽名でも構いません。 エントリー時は、見た目ではなく、これまでのあなたの取り組みがわかるポートフォリオ(もちろんなくてもOK!)や、環境や多様性に関してどのように感じているかを文章で提出してもらいます。 私たちは、見た目ではなくその文章から醸し出される「あなたらしさ」によって、撮影の協力を依頼したいです。  撮影メンバー・モデル エントリーフォーム...

多様性とルッキズムを超えて、SOLITが撮影協力者を公募

 「SOLIT」は、多様な人も地球環境も考慮された、オール・インクルーシブな社会の実現を、まず第一歩として「ファッション」から取り組む会社です。2020年9月15日に設立し、社員・プロボノ・インターン・ボランティア・株主含めて約40名のチームで運営されています。 そして特に、SOLITのソーシャルメディアやパンフレット、現在ご覧いただいているwebサイトに活用する写真や映像を撮影する際にはより広くご協力をいただいてきました。 この度、SOLITでは撮影モデル・協力者を公募します。   目に見える多様性とルッキズム SOLITは多様性を信じます。しかし、それを表現するにあたって、表層だけの多様性を打ち出したいとは思っていません。私たちが求めているのは、一人一人が真に多様であり、それは外見だけでなく目に見えない価値観や思想を含めたもの、そしてその違いです。 そして多様な人に挑戦の機会があることや、アウトプットを見た人の心が動くために、多様性を表現することが不可欠であることは言うまでもありません。 だからといって、その違いをマーケティングの道具にするのは、あまりにも私たちの思想に反しています。私たちが求めるのは、1人1人が真に目指す未来に対して共にあれるかどうか。 「多様性 / ダイバーシティ」を伝えたいが故に、目に見える部分において多様な存在を集合させて撮影されたものではなく、その全ての多様性を伝えたい、そう思っています。 そのため、私たちはSOLITのwebサイトやSNSをはじめとして情報発信の際に掲載される写真や映像に携わる、カメラマンやビデオグラファー、モデルやスタイリストのみなさんには、SOLITの目指す未来への共感と賛同、その想いを求めます。 SOLITとはどのような存在か   SOLITのアンチキャスティング これまでSOLITでは、多様性を表現したいがために見た目が多様なモデルを集めるといったことはしていません。そしてその行為は私たちが目指す多様性とは大きくかけ離れています。 そもそも、一人一人全く異なる存在であり、カテゴライズなどできないはず。ありのままの姿で写真や映像に残していきたいと考え、これまでは実際に一緒に活動するスタッフや、その友人や家族に協力をしてもらい撮影をしています。 あくまで、見た目や障害の有無やセクシュアリティなどでキャスティングするのではなく、私たちSOLITの目指す未来に共感をしていることを必要条件として、大切に着てくれる仲間から。   SOLITへの共感、環境と多様性に関心があることが条件 SOLITがチームで活動する時に大切にしていること、それは、多様な人が、相互に理解・承認しあい、それぞれの求める多様な働き方や関わり方を自律的に選択ができること。 これはまさに、SOLITが目指す多様な人も地球環境もともに考慮された「All-inclusive」な社会をまず最小単位としてのチームの中でも実現する挑戦でもあります。それは撮影に挑むチームやモデルも一緒。 SOLITは、年齢も国籍もセクシュアリティも、障害や信仰も、住んでいる場所も、家族構成も、学歴や仕事の経験量やスキルも、まったく異なる人の集まりです。目指す社会やSOLITの取り組みにはともに共感し、ともに立ち上がろうとする人を求めます。   撮影モデルは友達、もしくは環境・多様性について語れるかどうか SOLIT!の撮影・映像メンバーや、モデルの募集エントリーフォームでは、見た目を選定するようなデータの提出は求めません。また、偽名でも構いません。 エントリー時は、見た目ではなく、これまでのあなたの取り組みがわかるポートフォリオ(もちろんなくてもOK!)や、環境や多様性に関してどのように感じているかを文章で提出してもらいます。 私たちは、見た目ではなくその文章から醸し出される「あなたらしさ」によって、撮影の協力を依頼したいです。  撮影メンバー・モデル エントリーフォーム...