JOURNAL
誰の声で、私たちは決めている? ヤマハ発動機株式会社と考える、インクルーシブリーダーシップと意思決定
「多様な人材がいる」ことと、「多様な視点が意思決定に活かされている」ことは、同じでしょうか。 企業のDE&I推進が広がる中、採用や制度整備によって組織の多様性を高める取り組みは増えてきました。一方で、実際の日々の会議や商品開発、事業の意思決定を振り返ったとき、そこにいる人たちの多様な経験や視点は、本当に活かされているでしょうか。 たとえば、新しい商品について議論するとき。 誰が「課題」を決めているでしょうか。 誰がアイデアを出しているでしょうか。 そして、最終的に誰の声をもとに意思決定しているでしょうか。 当事者へのインタビューを実施したり、ユーザーの声を聞いたりしていても、その声が意思決定のプロセスに入っていなければ、「多様な声を聞いた」だけで終わってしまうことがあります。 今回SOLITでは、ヤマハ発動機株式会社(以下、ヤマハ発動機)の皆さんと、「多様性を増やす」ことから、「多様性を意思決定に活かす」ことへをテーマに、インクルーシブデザインと参加型デザイン(Participatory Design)を体験するワークショップを実施しました。 この記事では、その実践と、参加者の皆さんに生まれた変化、そしてそこから見えてきた「インクルーシブリーダーシップ」について紹介します。 「多様性がない」のではなく、「活かされていない」のかもしれない 今回のプログラム全体で掲げられていたテーマの一つが、「『多様性がない』のではなく、『活かされていない』瞬間がどこで生じているのかに着目し、ヤマハ発動機社におけるインクルーシブリーダーシップに必要な要素を整理・言語化する」というものでした。 参加したのは、4つの事業領域から集まった14名。そのうち4名が管理職で、事業企画、マーケティング、開発・設計、営業、先行開発、新規事業など、異なる立場で日々の意思決定に関わる社員の方々です。 特に開発・設計などに携わる参加者にとっては、「多様性」や「DE&I」を日常業務のテーマとして考えること自体が、必ずしも多くはないと思います。そこでSOLITが今回目指したのは、DE&Iについての知識を増やすことではありません。 普段自分たちが行っている「意思決定」を、多様性という視点から捉え直してみること。 そのために、インクルーシブデザインと参加型デザインという2つのアプローチを、実際に比較しながら体験するプログラムを設計しました。 「声を聞く」から、「決める責任と権利を共有する」へ 今回のワークショップでは、「参加」そのものの意味を考えるために、インクルーシブデザインと参加型デザインという2つのアプローチを、同じテーマで体験しました。SOLITでは、これまで先進的な技法として実践されてきた「インクルーシブデザイン」に加え、「参加型デザイン」の推進を提唱しています。 インクルーシブデザインでは、商品やサービス、環境などをつくる過程で、これまで十分に想定されてこなかった人や、意思決定の場に参加する機会が限られてきた人の経験に目を向けます。SOLITでは、インクルーシブデザインを、そうした取りこぼされがちな人の経験から学び、より広い人に役立つ解を導く実務として捉えています。一方で、参加型デザインは、当事者・意思決定者・専門家が対等に座り、過程の公平をつくるために力を発揮する技法です。 どちらも、その活用方法によって成果は大きく異なります。重要なのは、単に多様な人に意見を求めることではなく、「誰が、どのように意思決定に参加しているのか」「決める責任と権利がどのように共有されているのか」を考えることです。 今回の研修では、両者の優劣を決めるのではなく、同じテーマを異なる方法で体験し、その過程で参加者や議論にどのような違いが生まれるのかを比較しました。 「誰にとっても使いやすいオフィスとは?」 今回のケースとして設定したのは、 「誰にとっても使いやすいオフィスとは?」 という問いです。オフィスは多くの参加者にとって身近な存在です。一方で、身体、認知特性、言語、文化など、異なる経験を持つ人によって「使いやすさ」の意味は大きく変わります。今回は、視覚障害、ニューロダイバージェンス、外国籍として日本で暮らす経験、子育てなど、オフィスや働く環境において異なる課題を経験してきた3名にも参加いただきました。 ワークショップでは、最初から異なる課題を経験してきた参加者を議論に入れるのではなく、段階を分けました。 STEP 1|まず、自分たちだけで考えてみる 最初のグループワークでは、ヤマハ発動機社の参加者だけで、「誰にとっても使いやすいオフィスとは?」を考えました。まずは、自分たちが持っている経験や知識を使って、「使いやすさ」を自由に想像します。ここではあえて、3名の参加者は参加しません。この段階をつくったことで、その後の議論と比較した際に、自分たちは誰を想定していたのか。何を「課題」だと思っていたのか。を振り返ることができます。 STEP...
誰の声で、私たちは決めている? ヤマハ発動機株式会社と考える、インクルーシブリーダーシップと意思決定
「多様な人材がいる」ことと、「多様な視点が意思決定に活かされている」ことは、同じでしょうか。 企業のDE&I推進が広がる中、採用や制度整備によって組織の多様性を高める取り組みは増えてきました。一方で、実際の日々の会議や商品開発、事業の意思決定を振り返ったとき、そこにいる人たちの多様な経験や視点は、本当に活かされているでしょうか。 たとえば、新しい商品について議論するとき。 誰が「課題」を決めているでしょうか。 誰がアイデアを出しているでしょうか。 そして、最終的に誰の声をもとに意思決定しているでしょうか。 当事者へのインタビューを実施したり、ユーザーの声を聞いたりしていても、その声が意思決定のプロセスに入っていなければ、「多様な声を聞いた」だけで終わってしまうことがあります。 今回SOLITでは、ヤマハ発動機株式会社(以下、ヤマハ発動機)の皆さんと、「多様性を増やす」ことから、「多様性を意思決定に活かす」ことへをテーマに、インクルーシブデザインと参加型デザイン(Participatory Design)を体験するワークショップを実施しました。 この記事では、その実践と、参加者の皆さんに生まれた変化、そしてそこから見えてきた「インクルーシブリーダーシップ」について紹介します。 「多様性がない」のではなく、「活かされていない」のかもしれない 今回のプログラム全体で掲げられていたテーマの一つが、「『多様性がない』のではなく、『活かされていない』瞬間がどこで生じているのかに着目し、ヤマハ発動機社におけるインクルーシブリーダーシップに必要な要素を整理・言語化する」というものでした。 参加したのは、4つの事業領域から集まった14名。そのうち4名が管理職で、事業企画、マーケティング、開発・設計、営業、先行開発、新規事業など、異なる立場で日々の意思決定に関わる社員の方々です。 特に開発・設計などに携わる参加者にとっては、「多様性」や「DE&I」を日常業務のテーマとして考えること自体が、必ずしも多くはないと思います。そこでSOLITが今回目指したのは、DE&Iについての知識を増やすことではありません。 普段自分たちが行っている「意思決定」を、多様性という視点から捉え直してみること。 そのために、インクルーシブデザインと参加型デザインという2つのアプローチを、実際に比較しながら体験するプログラムを設計しました。 「声を聞く」から、「決める責任と権利を共有する」へ 今回のワークショップでは、「参加」そのものの意味を考えるために、インクルーシブデザインと参加型デザインという2つのアプローチを、同じテーマで体験しました。SOLITでは、これまで先進的な技法として実践されてきた「インクルーシブデザイン」に加え、「参加型デザイン」の推進を提唱しています。 インクルーシブデザインでは、商品やサービス、環境などをつくる過程で、これまで十分に想定されてこなかった人や、意思決定の場に参加する機会が限られてきた人の経験に目を向けます。SOLITでは、インクルーシブデザインを、そうした取りこぼされがちな人の経験から学び、より広い人に役立つ解を導く実務として捉えています。一方で、参加型デザインは、当事者・意思決定者・専門家が対等に座り、過程の公平をつくるために力を発揮する技法です。 どちらも、その活用方法によって成果は大きく異なります。重要なのは、単に多様な人に意見を求めることではなく、「誰が、どのように意思決定に参加しているのか」「決める責任と権利がどのように共有されているのか」を考えることです。 今回の研修では、両者の優劣を決めるのではなく、同じテーマを異なる方法で体験し、その過程で参加者や議論にどのような違いが生まれるのかを比較しました。 「誰にとっても使いやすいオフィスとは?」 今回のケースとして設定したのは、 「誰にとっても使いやすいオフィスとは?」 という問いです。オフィスは多くの参加者にとって身近な存在です。一方で、身体、認知特性、言語、文化など、異なる経験を持つ人によって「使いやすさ」の意味は大きく変わります。今回は、視覚障害、ニューロダイバージェンス、外国籍として日本で暮らす経験、子育てなど、オフィスや働く環境において異なる課題を経験してきた3名にも参加いただきました。 ワークショップでは、最初から異なる課題を経験してきた参加者を議論に入れるのではなく、段階を分けました。 STEP 1|まず、自分たちだけで考えてみる 最初のグループワークでは、ヤマハ発動機社の参加者だけで、「誰にとっても使いやすいオフィスとは?」を考えました。まずは、自分たちが持っている経験や知識を使って、「使いやすさ」を自由に想像します。ここではあえて、3名の参加者は参加しません。この段階をつくったことで、その後の議論と比較した際に、自分たちは誰を想定していたのか。何を「課題」だと思っていたのか。を振り返ることができます。 STEP...
DEI Studio 2026 問いから実践を生み出す、全5回の実践者コミュニティ
社会の中でDE&Iという言葉は広がりました。 しかし今、多くの実践者が感じているのは、「次に何をすればいいのかわからない」という壁です。 制度は整いつつある。研修も増えた。社内理解も以前より進んだ。 それでも、本当に変化は起きているのでしょうか。 DEI Studioは、企業・行政・デザイナー・研究者・NPOなど、それぞれ異なる立場で挑戦している実践者が集まり、 毎回ひとつの問いを起点に、社会の構造を読み解き、自分たちの実践をアップデートしていく全5回のラーニング&アクションコミュニティです。 DEI Studioとは ここは「答えを教わる講座」ではありません。実践者同士が問いを持ち寄り、異なる立場から議論し、実践へ持ち帰る。そんな少人数のスタジオです。 毎回、国内外で第一線を走るゲストを迎え、 レクチャー 対話 ワーク リフレクション を繰り返しながら、「自分の現場では、何を変えられるだろうか。」という問いに向き合います。 なぜ今、DEI Studioなのか 日本ではDE&Iへの取り組みが広がっています。 しかし、その多くは制度整備や研修など、 「導入」の段階に留まっています。 次のステージに必要なのは、誰かの成功事例を真似することではなく、自分たちの現場で問い続ける力です。 DEI Studioでは、障害、ジェンダー、インクルーシブデザイン、データ、ビジネスと人権など、多様なテーマを横断しながら、これからの実践をともに考えます。 DEI Studioで得られる3つの価値 ① 実践者同士の継続的なコミュニティ 一人では前に進めない課題や実践する中で生まれる迷いや葛藤を、業界や立場を越えて共有します。全5回で終わる関係ではなく、プログラム終了後も相談し、支え合える実践者同士のコミュニティを育てていきます。 ②...
DEI Studio 2026 問いから実践を生み出す、全5回の実践者コミュニティ
社会の中でDE&Iという言葉は広がりました。 しかし今、多くの実践者が感じているのは、「次に何をすればいいのかわからない」という壁です。 制度は整いつつある。研修も増えた。社内理解も以前より進んだ。 それでも、本当に変化は起きているのでしょうか。 DEI Studioは、企業・行政・デザイナー・研究者・NPOなど、それぞれ異なる立場で挑戦している実践者が集まり、 毎回ひとつの問いを起点に、社会の構造を読み解き、自分たちの実践をアップデートしていく全5回のラーニング&アクションコミュニティです。 DEI Studioとは ここは「答えを教わる講座」ではありません。実践者同士が問いを持ち寄り、異なる立場から議論し、実践へ持ち帰る。そんな少人数のスタジオです。 毎回、国内外で第一線を走るゲストを迎え、 レクチャー 対話 ワーク リフレクション を繰り返しながら、「自分の現場では、何を変えられるだろうか。」という問いに向き合います。 なぜ今、DEI Studioなのか 日本ではDE&Iへの取り組みが広がっています。 しかし、その多くは制度整備や研修など、 「導入」の段階に留まっています。 次のステージに必要なのは、誰かの成功事例を真似することではなく、自分たちの現場で問い続ける力です。 DEI Studioでは、障害、ジェンダー、インクルーシブデザイン、データ、ビジネスと人権など、多様なテーマを横断しながら、これからの実践をともに考えます。 DEI Studioで得られる3つの価値 ① 実践者同士の継続的なコミュニティ 一人では前に進めない課題や実践する中で生まれる迷いや葛藤を、業界や立場を越えて共有します。全5回で終わる関係ではなく、プログラム終了後も相談し、支え合える実践者同士のコミュニティを育てていきます。 ②...
障害者雇用は前進した。では、その先はどうなっているのだろうか。 ーSocial Issue L...
障害者雇用率の引き上げが進む一方で、キャリア形成や評価、合理的配慮など新たな課題も見え始めています。QO株式会社が運営する、社会課題に光を当てる研究機関「Social Issue Lab」とSOLITは、データと当事者の声をもとに、障害者インクルージョンの実態とこれからを考える共同調査を開始しました。
障害者雇用は前進した。では、その先はどうなっているのだろうか。 ーSocial Issue L...
障害者雇用率の引き上げが進む一方で、キャリア形成や評価、合理的配慮など新たな課題も見え始めています。QO株式会社が運営する、社会課題に光を当てる研究機関「Social Issue Lab」とSOLITは、データと当事者の声をもとに、障害者インクルージョンの実態とこれからを考える共同調査を開始しました。
「インクルーシブデザインのプロセス」を世界へ。SOLIT共同執筆の国際学術書が刊行
PROJECT SOLITのメンバーが共同執筆した章が収録された国際学術書『De Gruyter Handbook of Fashion Marketing』が刊行。インクルーシブデザインの考え方やDiverse Runwayの実践、ロンドンで開催されたブックローンチイベントの様子をご紹介します。
「インクルーシブデザインのプロセス」を世界へ。SOLIT共同執筆の国際学術書が刊行
PROJECT SOLITのメンバーが共同執筆した章が収録された国際学術書『De Gruyter Handbook of Fashion Marketing』が刊行。インクルーシブデザインの考え方やDiverse Runwayの実践、ロンドンで開催されたブックローンチイベントの様子をご紹介します。
SOLITのDE&I研修とは? ― 学ぶだけで終わらない、「体感し、対話し、自分ごとにする」研修 ―
“文化”を変えるDE&I研修とは? 「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」という言葉は広まりつつありますが、実際に職場でどう実践すればいいのか――その答えを見いだせずにいる企業も少なくありません。 従来のDE&I研修は、「知識を得る」「対処法を学ぶ」といったインプット中心のものが多く、表面的な理解にとどまり、実際の組織変革につながりにくいという課題があります。 DE&Iを真に根づかせるために必要なのは、知識ではなく“創造のプロセス”です。SOLITの研修は、その“創造過程”をデザインすることから始まります。 「研修」ではなく、「変化のきっかけ」をデザインする SOLITのDE&I研修は、単に“学ぶ”ための場ではありません。組織の空気を変える“きっかけ”を生み出すことを目的としています。"学ぶ"だけでなく、"体感し、対話し、自分ごとにする"ことを大切に。障害のある方、セクシュアルマイノリティ、外国籍の方など、さまざまな当事者とともに議論し、多角的な視点から課題の根源を深掘りすることで、組織としての創造的な協働を促します。 DE&Iは特定の部署だけのものではなく、組織全体の文化づくり。異なる視点が交わることで、新しい発見やイノベーションが生まれます。SOLITは、企業ごとの課題やフェーズに寄り添いながら、DE&Iを理念から実践へとつなげる伴走を行っています。 短期的な成果を求めるのではなく、対話を通じて深い理解と本質的な変化を生み出す。それがSOLITの信じる、DE&I推進のかたちです。 SOLITのDE&Iプログラムの特徴 1. 知識ではなく、“気づき”をデザインする 教科書的な「正しい理解」ではなく、現場のリアルな声や経験を通して、“自分ごと”としての気づきを引き出す構成になっています。日々の業務や意思決定の中にある無意識の偏りや壁に気づくことで、行動の変化が自然と生まれます。 2. 当事者と企業が共につくる、共創型プログラム 私たちが大切にしているのは、「誰かが教える」研修ではなく、当事者と企業が一緒に最適解を探す対話のプロセス。 障害当事者や外国籍メンバーなど、多様な視点を持つファシリテーターが企業の現場に入り、リアルな経験をもとに対話をリードします。そこには「正解」はありません。共に考え、気づき、行動を試すことで、その企業ならではの“あり方”を見出していきます。 3. 制度ではなく、“空気”を変える DE&Iを推進する上で必要なのは、新しい制度や施策をつくることだけではありません。SOLITの研修では、一人ひとりの意識と関係性を変えることで、組織に流れる“空気”そのものを変えていくことを目指します。日常のコミュニケーションやチームのあり方を見直すことから、自然と文化の変化を生み出していく。それがSOLITのアプローチです。 こうした考え方をもとに、2024年には国内外で不動産開発事業をされている株式会社リビングコーポレーション(以下、LC社)と共に、3ヶ月にわたる体感型DE&Iプログラムを実施しました。以下では、その研修のプロセスと変化の様子を紹介します。 リビングコーポレーションでの研修 3ヶ月でチームの視点が変わる体感型プログラム 2024年10月〜2025年1月にかけて、LC社にて、全4回(うち1回は社内で主導いただくワークショップ)にわたるDE&I研修を実施しました。今回の研修は、LC社から「多様な価値観を組織の力に変えていくために、まず“自分たちの内側”から変わるきっかけをつくりたい」というご相談をいただいたことがきっかけでスタートしました。 参加者はLC社のダイバーシティ研究会メンバー12名(オンライン参加4名を含む)。営業、設計、工事など、部署を横断したチームでの研修となりました。「住まい」を提供する企業として、多様な入居者や働く人々の視点を深く理解し、より良いサービスや職場環境を生み出していくことを目的としたプログラムです。 研修概要と実施メンバー 今回のプログラムは、SOLITから以下のメンバーが担当しました。 多様な背景を持つ当事者メンバーと共に、実際の現場体験を通して学びを深める構成としています。 研修担当者・ファシリテーター 田中美咲(PROJECT SOLIT代表)―...
SOLITのDE&I研修とは? ― 学ぶだけで終わらない、「体感し、対話し、自分ごとにする」研修 ―
“文化”を変えるDE&I研修とは? 「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」という言葉は広まりつつありますが、実際に職場でどう実践すればいいのか――その答えを見いだせずにいる企業も少なくありません。 従来のDE&I研修は、「知識を得る」「対処法を学ぶ」といったインプット中心のものが多く、表面的な理解にとどまり、実際の組織変革につながりにくいという課題があります。 DE&Iを真に根づかせるために必要なのは、知識ではなく“創造のプロセス”です。SOLITの研修は、その“創造過程”をデザインすることから始まります。 「研修」ではなく、「変化のきっかけ」をデザインする SOLITのDE&I研修は、単に“学ぶ”ための場ではありません。組織の空気を変える“きっかけ”を生み出すことを目的としています。"学ぶ"だけでなく、"体感し、対話し、自分ごとにする"ことを大切に。障害のある方、セクシュアルマイノリティ、外国籍の方など、さまざまな当事者とともに議論し、多角的な視点から課題の根源を深掘りすることで、組織としての創造的な協働を促します。 DE&Iは特定の部署だけのものではなく、組織全体の文化づくり。異なる視点が交わることで、新しい発見やイノベーションが生まれます。SOLITは、企業ごとの課題やフェーズに寄り添いながら、DE&Iを理念から実践へとつなげる伴走を行っています。 短期的な成果を求めるのではなく、対話を通じて深い理解と本質的な変化を生み出す。それがSOLITの信じる、DE&I推進のかたちです。 SOLITのDE&Iプログラムの特徴 1. 知識ではなく、“気づき”をデザインする 教科書的な「正しい理解」ではなく、現場のリアルな声や経験を通して、“自分ごと”としての気づきを引き出す構成になっています。日々の業務や意思決定の中にある無意識の偏りや壁に気づくことで、行動の変化が自然と生まれます。 2. 当事者と企業が共につくる、共創型プログラム 私たちが大切にしているのは、「誰かが教える」研修ではなく、当事者と企業が一緒に最適解を探す対話のプロセス。 障害当事者や外国籍メンバーなど、多様な視点を持つファシリテーターが企業の現場に入り、リアルな経験をもとに対話をリードします。そこには「正解」はありません。共に考え、気づき、行動を試すことで、その企業ならではの“あり方”を見出していきます。 3. 制度ではなく、“空気”を変える DE&Iを推進する上で必要なのは、新しい制度や施策をつくることだけではありません。SOLITの研修では、一人ひとりの意識と関係性を変えることで、組織に流れる“空気”そのものを変えていくことを目指します。日常のコミュニケーションやチームのあり方を見直すことから、自然と文化の変化を生み出していく。それがSOLITのアプローチです。 こうした考え方をもとに、2024年には国内外で不動産開発事業をされている株式会社リビングコーポレーション(以下、LC社)と共に、3ヶ月にわたる体感型DE&Iプログラムを実施しました。以下では、その研修のプロセスと変化の様子を紹介します。 リビングコーポレーションでの研修 3ヶ月でチームの視点が変わる体感型プログラム 2024年10月〜2025年1月にかけて、LC社にて、全4回(うち1回は社内で主導いただくワークショップ)にわたるDE&I研修を実施しました。今回の研修は、LC社から「多様な価値観を組織の力に変えていくために、まず“自分たちの内側”から変わるきっかけをつくりたい」というご相談をいただいたことがきっかけでスタートしました。 参加者はLC社のダイバーシティ研究会メンバー12名(オンライン参加4名を含む)。営業、設計、工事など、部署を横断したチームでの研修となりました。「住まい」を提供する企業として、多様な入居者や働く人々の視点を深く理解し、より良いサービスや職場環境を生み出していくことを目的としたプログラムです。 研修概要と実施メンバー 今回のプログラムは、SOLITから以下のメンバーが担当しました。 多様な背景を持つ当事者メンバーと共に、実際の現場体験を通して学びを深める構成としています。 研修担当者・ファシリテーター 田中美咲(PROJECT SOLIT代表)―...
海外視察事業を本格始動しました / イギリス・ロンドンDE&I視察ツアー
このたびSOLITでは、海外企業のDE&I(Diversity, Equity&Inclusion )視察事業を本格的に始動いたしました。これまでプロジェクトベースで取り組んできた実践知を活かし、DE&Iの現場を実際に訪れることで、多様な社会のあり方を体感し、学び、持ち帰ることを目的とした視察プログラムを展開しています。 今回の渡航先は、多様性と先進性を兼ね備えた世界都市、ロンドン。社会福祉や移民政策、ジェンダー平等、障害者支援など、幅広いテーマで世界を牽引する取り組みが集積する都市で、参加者が最先端の事例と出会い、対話を通じて深く学ぶ機会を提供しました。 ツアーの目的 1.多角的な理解の促進 DE&I市場を牽引するリーダーに必要な視点や知識を、業界・立場を超えて学び合います。創造的なコミュニケーションを通じて、参加者同士、現地で出会う実践者たちの相互理解と意識の変革を促します。 2.体感的な理解の強化 現地の先進的なDE&I事例を実際に体験することで、文化的背景や葛藤も含めたリアルな文脈を理解します。暮らしの中に根差した事例から、日本や自社に応用可能な示唆を得ます。 3.仲間づくりと協働の場の提供 評価基準が未成熟なDE&I領域においては、実践者同士のネットワーキングと協働が不可欠です。ツアーは、実践知を持ち寄りながらムーブメントを共に育む場となります。 なぜロンドンなのか? ロンドンは、多様な民族、宗教、文化が共存する多文化都市です。社会福祉や移民支援、ジェンダー平等における先進的な取り組みが数多く存在し、官民連携のもとDE&Iが制度として根付いています。さらに、スタートアップやグローバル企業がDE&Iを軸にしたイノベーションを推進しており、視察対象として非常に多くの学びが得られる都市です。 主な学びの視点 ダイバーシティ(多様性):多文化共生の取り組み、移民・難民支援の現場など エクイティ(公平性):貧困・差別に対する支援施策や企業の公平な雇用システム インクルージョン(包摂性):障害者や高齢者など、弱い立場にある人々を支援する社会的仕組み 視察先の一例 これまで連携、または視察受け入れにご協力いただいた方の一部をご紹介します。もちろん、視察の目的に合わせることもできますし、場合によっては世界情勢などによってご紹介することが難しくなる場合もあります。 Open Inclusion:障害者のインクルージョンに特化したリサーチ&イノベーション機関 The Clink Charity:社会的弱者の自立支援を行う飲食事業を通じた更生プログラム UCL(ロンドン大学)/ GDI Hub:インクルーシブデザインとアシスティブテクノロジーに関する最前線の教育・研究拠点 Google UK:アクセシビリティ分野におけるグローバル企業の取り組みと設計思想...
海外視察事業を本格始動しました / イギリス・ロンドンDE&I視察ツアー
このたびSOLITでは、海外企業のDE&I(Diversity, Equity&Inclusion )視察事業を本格的に始動いたしました。これまでプロジェクトベースで取り組んできた実践知を活かし、DE&Iの現場を実際に訪れることで、多様な社会のあり方を体感し、学び、持ち帰ることを目的とした視察プログラムを展開しています。 今回の渡航先は、多様性と先進性を兼ね備えた世界都市、ロンドン。社会福祉や移民政策、ジェンダー平等、障害者支援など、幅広いテーマで世界を牽引する取り組みが集積する都市で、参加者が最先端の事例と出会い、対話を通じて深く学ぶ機会を提供しました。 ツアーの目的 1.多角的な理解の促進 DE&I市場を牽引するリーダーに必要な視点や知識を、業界・立場を超えて学び合います。創造的なコミュニケーションを通じて、参加者同士、現地で出会う実践者たちの相互理解と意識の変革を促します。 2.体感的な理解の強化 現地の先進的なDE&I事例を実際に体験することで、文化的背景や葛藤も含めたリアルな文脈を理解します。暮らしの中に根差した事例から、日本や自社に応用可能な示唆を得ます。 3.仲間づくりと協働の場の提供 評価基準が未成熟なDE&I領域においては、実践者同士のネットワーキングと協働が不可欠です。ツアーは、実践知を持ち寄りながらムーブメントを共に育む場となります。 なぜロンドンなのか? ロンドンは、多様な民族、宗教、文化が共存する多文化都市です。社会福祉や移民支援、ジェンダー平等における先進的な取り組みが数多く存在し、官民連携のもとDE&Iが制度として根付いています。さらに、スタートアップやグローバル企業がDE&Iを軸にしたイノベーションを推進しており、視察対象として非常に多くの学びが得られる都市です。 主な学びの視点 ダイバーシティ(多様性):多文化共生の取り組み、移民・難民支援の現場など エクイティ(公平性):貧困・差別に対する支援施策や企業の公平な雇用システム インクルージョン(包摂性):障害者や高齢者など、弱い立場にある人々を支援する社会的仕組み 視察先の一例 これまで連携、または視察受け入れにご協力いただいた方の一部をご紹介します。もちろん、視察の目的に合わせることもできますし、場合によっては世界情勢などによってご紹介することが難しくなる場合もあります。 Open Inclusion:障害者のインクルージョンに特化したリサーチ&イノベーション機関 The Clink Charity:社会的弱者の自立支援を行う飲食事業を通じた更生プログラム UCL(ロンドン大学)/ GDI Hub:インクルーシブデザインとアシスティブテクノロジーに関する最前線の教育・研究拠点 Google UK:アクセシビリティ分野におけるグローバル企業の取り組みと設計思想...