JOURNAL

SOLITが描く「東洋思想的インクルーシブデザイン」とは

SOLITが描く「東洋思想的インクルーシブデザイン」とは

SOLITが伝えきれていない、核となる思想 2023年、海外からの声を受けてSOLITの思想を改めて整理した 私たちは、最近、日本を中心として香港やイギリスなど、海外に向けた活動を徐々に広めています。その取り組みの中で、”日本人”同士の会話だからこそ、共通言語や共通認識の土台の上で伝えられていた部分が、言語の壁を越え、国や文化の違いを越えたときに、伝わりにくい瞬間があるということに気づきました。 特に、日本の文化や歴史に紐付く「東洋思想」的な考え方であったり、事業やサービス・デザインに関する意思決定の背景にある「哲学」「思想」の部分。従来の産業が生み出してきた課題に対する違和感とそれをどのように解決しているのかといった「HOW」の部分はこれまでも伝えてきたものの、海外のパートナーやクライアントと接する機会が多くなった2023年において、それがどのような哲学・思想のもとで行われたものなのかを、ちゃんと伝えきれていないということを感じました。 そこで、私たちのメンターとなってくださる方々と日々話し合う中で、同じような言葉を使って事業をされている方々と実はその根本としての考え方が違うことや、抽象的な言語としては同じものだったとしてもそれが「どこまでを包括しようとしているのか」といった視点が異なることに気づき、それを明言しなければ相手には伝わらないし、それこそ、そこが私たちの強みでもあると捉え直し、考えまとめることにしました。 キーワードは、「東洋思想的インクルーシブデザイン」「多元性」 私たちの根本に持つ思想として、キーワードに挙げるならば大きく2つあることを捉え直しました。1つは、「東洋思想的インクルーシブデザイン」。もう一つは、「多元性」。 私たちの団体に少しでも関わってくださった方々や、一緒にお仕事をさせていただいた企業の皆様にはこうした側面を講演でお伝えしたり、提案の中に含んでお伝えしたこともあったかもしれませんが、改めて言語化をしてみると、この2つの言葉に集約されるのではないかと行きつきました。 多様性や、サステナビリティ、ダイバーシティー&インクルージョンというテーマに関心がある人であればよく耳にすることがある「インクルーシブデザイン」。1970年代からバリアフリーや、ユニバーサルデザインなど多くの新たなデザインのスキームや考え方が広まり、今や日本でも障害や福祉のフィールドでデザインが浸透されることも増えてきました。 「インクルーシブデザイン」という言葉自体も広まりつつあるものの、やはり言葉だけが広まってしまうことが多く、その本質をとらえぬまま伝わってしまっていたり、人によって描くイメージが異なっている状況もあるのではないかと感じます。そして、改めて私たちが描く「インクルーシブデザイン」について考えた時、少し特徴があるなと気づくことがあったため、次の章からはこれについて説明したいと思います。 東洋思想的インクルーシブデザインと多元性 そもそもインクルーシブデザインとは何なのか? イギリス・ロンドンにあるロイヤル・カレッジ・オブ・アート(英国王立芸術大学院)のロジャー・コールマン教授が発祥した「インクルーシブデザイン」。デザインシンキングや、ユニバーサルデザインと異なる箇所として、社会的マイノリティーや課題当事者をヒアリング対象者として話を聞くことにとどまらず、企画段階から共にデザインを行っていくということを重要視しているものです。 ただアンケートを取ったり、ヒアリングをするだけだと、その人の中で顕在化しているニーズ、自覚のある部分に対してはアプローチすることができますが、潜在的なニーズ、本人の中の「当たり前」に入ってしまっている無自覚の部分などにアプローチすることは難しく、また関係構築が未熟なままの実施だと、その場で本心を出し切ることは難しく、正しい意見がもらえないといった難しさが出てくることもあります。 インクルーシブデザインでは、心理的安全性を担保された上で、チームの一員として議論の上流から参加し、経営判断や意思決定の土台となる部分にも対等な存在・意見として発言が組み込まれていく「関係性の構築」を前提に場を構築していきます。これによって、一種の機会均等や人権の確保を担うといった側面もあれば、企画段階から当事者の声が入ることでデザイナー本意の的外れなアウトプットを避けられるということ、またニーズの前のシーズの段階から確認でき、イノベーションの種を見つけることができるといった側面が存在しています。 「東洋思想的インクルーシブデザイン」とは何か 私たちはこの素晴らしい「インクルーシブデザイン」の捉え方や手法に敬意を示しています。しかし、一方で、一般的には「高齢者、障がい者、外国人など、従来デザインプロセスから除外されてきた多様な人々を、デザインプロセスの上流から巻き込むデザイン手法」とされているインクルーシブデザインは、その前提に「二元論」や「カテゴライズ」する思想が存在していることに気がつきました。 これは、近代西洋で起こった産業革命と資本主義の誕生以降に加速した「物事を分類することによって把握しやすくし、効率化することでスピードを速める」といった文明や産業のあり方が関係しているように思います。英語の表現としても”「Design for〜」から「Design with〜」へ”とされることがあるのですが、いくらプロセスの上流から巻き込んだとしても、結局「A design with B」といったAとBが交わることのない限界がそこにあるように感じます。本来は、二元論的な考え方をする必要もなく、ただただ「Diverse people design.」であるはずです。そこにはwithもforも必要ありません。 日本では茶道の精神の中に「主客一体」という考え方があります。私たちSOLITが描く「インクルーシブデザイン」は、どちらかというとこうした発想に近く、二元論やカテゴライズさえ存在しない、個々の存在やその空間における多元性を前提として「共に在る」ことで創っていく世界をイメージしているのだと感じるようになりました。 西洋が生み出した「インクルーシブデザイン」は常にアップデートされていますが、その根本に存在する二元論に違和感を持つならば、私たちSOLITは自分達が目指す世界に向けた私たちなりのインクルーシブデザインを確立させていく必要があると捉えました。それは「主客一体」の精神にもあるような、生まれながらにして触れてきた価値観や文化に基づく、人間としてのOSに組み込まれている東洋思想的な考え方に紐づくのではないかと感じています。 二元論に対する違和感は、主人と客人ではなく、主客が共にその場を創るのだという「主客一体」や、足るを知るという心構えがあり、そこに区別することなどできないといった考え方が身近に存在している中で生きてきたからこそ、感じるものなのかもしれません。 私たちSOLITでは、従来の日本が捉えてきたこの東洋思想的なインクルーシブデザインこそが、本当の意味で多様な人を包括しそして多様な人が自分らしく生きていくために必要なアウトプットを生み出すにおいて必要なのではないかと思っています。 「多元性」を前提とすることの重要性...

SOLITが描く「東洋思想的インクルーシブデザイン」とは

SOLITが伝えきれていない、核となる思想 2023年、海外からの声を受けてSOLITの思想を改めて整理した 私たちは、最近、日本を中心として香港やイギリスなど、海外に向けた活動を徐々に広めています。その取り組みの中で、”日本人”同士の会話だからこそ、共通言語や共通認識の土台の上で伝えられていた部分が、言語の壁を越え、国や文化の違いを越えたときに、伝わりにくい瞬間があるということに気づきました。 特に、日本の文化や歴史に紐付く「東洋思想」的な考え方であったり、事業やサービス・デザインに関する意思決定の背景にある「哲学」「思想」の部分。従来の産業が生み出してきた課題に対する違和感とそれをどのように解決しているのかといった「HOW」の部分はこれまでも伝えてきたものの、海外のパートナーやクライアントと接する機会が多くなった2023年において、それがどのような哲学・思想のもとで行われたものなのかを、ちゃんと伝えきれていないということを感じました。 そこで、私たちのメンターとなってくださる方々と日々話し合う中で、同じような言葉を使って事業をされている方々と実はその根本としての考え方が違うことや、抽象的な言語としては同じものだったとしてもそれが「どこまでを包括しようとしているのか」といった視点が異なることに気づき、それを明言しなければ相手には伝わらないし、それこそ、そこが私たちの強みでもあると捉え直し、考えまとめることにしました。 キーワードは、「東洋思想的インクルーシブデザイン」「多元性」 私たちの根本に持つ思想として、キーワードに挙げるならば大きく2つあることを捉え直しました。1つは、「東洋思想的インクルーシブデザイン」。もう一つは、「多元性」。 私たちの団体に少しでも関わってくださった方々や、一緒にお仕事をさせていただいた企業の皆様にはこうした側面を講演でお伝えしたり、提案の中に含んでお伝えしたこともあったかもしれませんが、改めて言語化をしてみると、この2つの言葉に集約されるのではないかと行きつきました。 多様性や、サステナビリティ、ダイバーシティー&インクルージョンというテーマに関心がある人であればよく耳にすることがある「インクルーシブデザイン」。1970年代からバリアフリーや、ユニバーサルデザインなど多くの新たなデザインのスキームや考え方が広まり、今や日本でも障害や福祉のフィールドでデザインが浸透されることも増えてきました。 「インクルーシブデザイン」という言葉自体も広まりつつあるものの、やはり言葉だけが広まってしまうことが多く、その本質をとらえぬまま伝わってしまっていたり、人によって描くイメージが異なっている状況もあるのではないかと感じます。そして、改めて私たちが描く「インクルーシブデザイン」について考えた時、少し特徴があるなと気づくことがあったため、次の章からはこれについて説明したいと思います。 東洋思想的インクルーシブデザインと多元性 そもそもインクルーシブデザインとは何なのか? イギリス・ロンドンにあるロイヤル・カレッジ・オブ・アート(英国王立芸術大学院)のロジャー・コールマン教授が発祥した「インクルーシブデザイン」。デザインシンキングや、ユニバーサルデザインと異なる箇所として、社会的マイノリティーや課題当事者をヒアリング対象者として話を聞くことにとどまらず、企画段階から共にデザインを行っていくということを重要視しているものです。 ただアンケートを取ったり、ヒアリングをするだけだと、その人の中で顕在化しているニーズ、自覚のある部分に対してはアプローチすることができますが、潜在的なニーズ、本人の中の「当たり前」に入ってしまっている無自覚の部分などにアプローチすることは難しく、また関係構築が未熟なままの実施だと、その場で本心を出し切ることは難しく、正しい意見がもらえないといった難しさが出てくることもあります。 インクルーシブデザインでは、心理的安全性を担保された上で、チームの一員として議論の上流から参加し、経営判断や意思決定の土台となる部分にも対等な存在・意見として発言が組み込まれていく「関係性の構築」を前提に場を構築していきます。これによって、一種の機会均等や人権の確保を担うといった側面もあれば、企画段階から当事者の声が入ることでデザイナー本意の的外れなアウトプットを避けられるということ、またニーズの前のシーズの段階から確認でき、イノベーションの種を見つけることができるといった側面が存在しています。 「東洋思想的インクルーシブデザイン」とは何か 私たちはこの素晴らしい「インクルーシブデザイン」の捉え方や手法に敬意を示しています。しかし、一方で、一般的には「高齢者、障がい者、外国人など、従来デザインプロセスから除外されてきた多様な人々を、デザインプロセスの上流から巻き込むデザイン手法」とされているインクルーシブデザインは、その前提に「二元論」や「カテゴライズ」する思想が存在していることに気がつきました。 これは、近代西洋で起こった産業革命と資本主義の誕生以降に加速した「物事を分類することによって把握しやすくし、効率化することでスピードを速める」といった文明や産業のあり方が関係しているように思います。英語の表現としても”「Design for〜」から「Design with〜」へ”とされることがあるのですが、いくらプロセスの上流から巻き込んだとしても、結局「A design with B」といったAとBが交わることのない限界がそこにあるように感じます。本来は、二元論的な考え方をする必要もなく、ただただ「Diverse people design.」であるはずです。そこにはwithもforも必要ありません。 日本では茶道の精神の中に「主客一体」という考え方があります。私たちSOLITが描く「インクルーシブデザイン」は、どちらかというとこうした発想に近く、二元論やカテゴライズさえ存在しない、個々の存在やその空間における多元性を前提として「共に在る」ことで創っていく世界をイメージしているのだと感じるようになりました。 西洋が生み出した「インクルーシブデザイン」は常にアップデートされていますが、その根本に存在する二元論に違和感を持つならば、私たちSOLITは自分達が目指す世界に向けた私たちなりのインクルーシブデザインを確立させていく必要があると捉えました。それは「主客一体」の精神にもあるような、生まれながらにして触れてきた価値観や文化に基づく、人間としてのOSに組み込まれている東洋思想的な考え方に紐づくのではないかと感じています。 二元論に対する違和感は、主人と客人ではなく、主客が共にその場を創るのだという「主客一体」や、足るを知るという心構えがあり、そこに区別することなどできないといった考え方が身近に存在している中で生きてきたからこそ、感じるものなのかもしれません。 私たちSOLITでは、従来の日本が捉えてきたこの東洋思想的なインクルーシブデザインこそが、本当の意味で多様な人を包括しそして多様な人が自分らしく生きていくために必要なアウトプットを生み出すにおいて必要なのではないかと思っています。 「多元性」を前提とすることの重要性...

SOLITのファッションモデルの集合写真

バンクーバー・ファッション・ウィークへ共に挑戦するモデルが決定

多様性がコンセプトのバンクーバーファッションウィークのモデルが決定 バンクーバー・ファッション・ウィーク(以下、VFW)は、NYに次いで北米で2番目に大きな国際的ファッションイベントで、多国籍・多文化の都市・バンクーバーで開催されます。世界中から業界関係者や革新的なデザイナーが集まる唯一無二のファッションショーであり、世界のファッションウィークの中でも成長が著しく、パリ・ロンドン・ミラノ・ニューヨークの舞台に向けて若手デザイナーが世界で活躍するためのステージにもなっていると言われています。 今回、私たちSOLITはVFWより直接のオファーを受け、2024年4月のコレクションへ出場することを決めました。 「多様性」というコンセプトのVFWのコレクションには、多様性を受け入れファッションが社会に対してどのように価値を生み出していくのか、目の当たりにしようとされる方も参加者として多く集まります。そして、SOLITが描く「オールインクルーシブ」をさらに広く伝える機会と捉えました。 今回、私たちSOLITが準備するランウェイのテーマは「SOLIT! Duh.」。スラングで「めちゃくちゃやばい - え、そんなの当たり前でしょ?」といったように、多様な人がそれぞれの表現をすることが当たり前になった世界を見せたいと考えています。 また、本来は、バンクーバーファッションウィークからの招待であることから、必要な人数の全てのモデルはVFW事務局が提供してくださいます。しかし、私たちがこれまで作ってきたプロダクトは「多様な人が自分の好みや体型にあわせて、自分で選択することを可能にした」ことに価値があり、その可変性・拡張性を表現するにおいては一般的なモデル体型の人や、訓練されたランウェイウォーキングができる人だけに着ていただくのではその価値が伝わらないと感じました。 もっと多様な人に着てほしい。 このSOLITの思想や哲学をもとに、チームの一員として、障害、セクシュアリティ、信仰、体型、国籍、年齢、経験などに関係なく、多様な人とともにランウェイを彩りたいと思い、国内外からモデルの公募をし、今回この8人のモデルの皆さんと共に挑戦することを決めました。 時代をつくるコレクションの舞台だからこそ、私たちが求める社会のあり方とファッションの姿を伝えることが必要だと考え、モデルの仲間たちとともに、SOLITは世界の舞台に立ちます。   SOLITの7名の多様なモデル 9月に実施したモデルの一般公募などで最終的に選ばれた、VFWに共に出場するモデル7名をご紹介します。 バンクーバーファッションウィークへむけて作り上げていくSOLITの表現を、最終的に会場に来場された方々へ届け、伝えてくれるのが今回のモデルです。実際には、ショー全体で15人のモデルが出場する中、SOLITのメンバーとしてともに企画段階から演出やプロダクト、表現を議論しながら伝えていく仲間として半年かけて一緒に作り上げるのがこの7人です。 7人のそれぞれの想いを知った上で、ぜひ私たちの挑戦を応援していただけたら嬉しいです。   髙居 千紘(たかい かずひろ) デフアスリートとして聞こえない子どもたちに希望を与える プロフィール コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社所属デフアスリート。1997年6月7日生まれ。滋賀県出身、神奈川県在住。先天性感音性難聴。2020年4月にコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社に入社。業務と両立しながら陸上競技の走り高跳びと十種競技のデフ(聴覚障がい)アスリートとして活動。2025年東京デフリンピックへの出場、メダル獲得を目指している。 自身の強み、魅力、特徴 先天性感音性難聴。口話と手話でのコミュニケーションが可能。 運動神経は抜群で、性格は負けず嫌い。 走り高跳びでは、全国聾学校陸上競技大会で3連覇。世界ろう大会で6位、自己記録は1m91cm。...

バンクーバー・ファッション・ウィークへ共に挑戦するモデルが決定

多様性がコンセプトのバンクーバーファッションウィークのモデルが決定 バンクーバー・ファッション・ウィーク(以下、VFW)は、NYに次いで北米で2番目に大きな国際的ファッションイベントで、多国籍・多文化の都市・バンクーバーで開催されます。世界中から業界関係者や革新的なデザイナーが集まる唯一無二のファッションショーであり、世界のファッションウィークの中でも成長が著しく、パリ・ロンドン・ミラノ・ニューヨークの舞台に向けて若手デザイナーが世界で活躍するためのステージにもなっていると言われています。 今回、私たちSOLITはVFWより直接のオファーを受け、2024年4月のコレクションへ出場することを決めました。 「多様性」というコンセプトのVFWのコレクションには、多様性を受け入れファッションが社会に対してどのように価値を生み出していくのか、目の当たりにしようとされる方も参加者として多く集まります。そして、SOLITが描く「オールインクルーシブ」をさらに広く伝える機会と捉えました。 今回、私たちSOLITが準備するランウェイのテーマは「SOLIT! Duh.」。スラングで「めちゃくちゃやばい - え、そんなの当たり前でしょ?」といったように、多様な人がそれぞれの表現をすることが当たり前になった世界を見せたいと考えています。 また、本来は、バンクーバーファッションウィークからの招待であることから、必要な人数の全てのモデルはVFW事務局が提供してくださいます。しかし、私たちがこれまで作ってきたプロダクトは「多様な人が自分の好みや体型にあわせて、自分で選択することを可能にした」ことに価値があり、その可変性・拡張性を表現するにおいては一般的なモデル体型の人や、訓練されたランウェイウォーキングができる人だけに着ていただくのではその価値が伝わらないと感じました。 もっと多様な人に着てほしい。 このSOLITの思想や哲学をもとに、チームの一員として、障害、セクシュアリティ、信仰、体型、国籍、年齢、経験などに関係なく、多様な人とともにランウェイを彩りたいと思い、国内外からモデルの公募をし、今回この8人のモデルの皆さんと共に挑戦することを決めました。 時代をつくるコレクションの舞台だからこそ、私たちが求める社会のあり方とファッションの姿を伝えることが必要だと考え、モデルの仲間たちとともに、SOLITは世界の舞台に立ちます。   SOLITの7名の多様なモデル 9月に実施したモデルの一般公募などで最終的に選ばれた、VFWに共に出場するモデル7名をご紹介します。 バンクーバーファッションウィークへむけて作り上げていくSOLITの表現を、最終的に会場に来場された方々へ届け、伝えてくれるのが今回のモデルです。実際には、ショー全体で15人のモデルが出場する中、SOLITのメンバーとしてともに企画段階から演出やプロダクト、表現を議論しながら伝えていく仲間として半年かけて一緒に作り上げるのがこの7人です。 7人のそれぞれの想いを知った上で、ぜひ私たちの挑戦を応援していただけたら嬉しいです。   髙居 千紘(たかい かずひろ) デフアスリートとして聞こえない子どもたちに希望を与える プロフィール コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社所属デフアスリート。1997年6月7日生まれ。滋賀県出身、神奈川県在住。先天性感音性難聴。2020年4月にコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社に入社。業務と両立しながら陸上競技の走り高跳びと十種競技のデフ(聴覚障がい)アスリートとして活動。2025年東京デフリンピックへの出場、メダル獲得を目指している。 自身の強み、魅力、特徴 先天性感音性難聴。口話と手話でのコミュニケーションが可能。 運動神経は抜群で、性格は負けず嫌い。 走り高跳びでは、全国聾学校陸上競技大会で3連覇。世界ろう大会で6位、自己記録は1m91cm。...

人と環境と共にあるための紙と印刷戦略

人と環境と共にあるための紙と印刷戦略

森林は空気を浄化し、水を浄化し、そして野生動物を保護する。その多くの機能を持つ重要な資源であるのにもかかわらず、森林の減少は現在も続いています。 私たちSOLITは、誰もどれも取り残さない未来のため、資源保護に対する取り組みの一環として、印刷をしないことも提案される印刷・紙に関する専門家である伸和印刷株式会社と共にSOLITの事業活動に使用する紙資源の影響に対処するためのプログラムを実行しました。プログラムの設計は伸和印刷社が先導してくださり実施したものです。   紙の印刷事情、環境へのインパクト 紙の印刷における資源利用量や排出量を考える場合、印刷の紙・インク・輸送・廃棄など様々なプロセスにおいて考慮しなければなりません。例えば、印刷方法では主にオンデマンド印刷とオフセット印刷があります。オンデマンド印刷は、必要な数量だけ印刷するため、在庫を削減し、紙やインクの無駄を最小限に抑えることができるため、環境への負荷が低いと言えます。 一方で、大量の印刷に向いていると言われているオフセット印刷はインクと溶剤の使用が比較的多いため、大量印刷では効率的ですが、小ロットの印刷では、余剰の印刷物が出る可能性があり、紙やインクの無駄が生じます。また、製版や印刷工程におけるCO2排出量が比較的多い傾向にあります。 【保存版】森林資源使用量を減らすための紙と印刷チェックリスト   SOLITの印刷・紙利用の結果 今回の取り組みでは、2023年のSOLITの事業活動における印刷物のデータを全て伸和印刷社に共有し、Paper Calculator というツールを利用し、データを算出いたしました。 この方法は、Patagoniaなどの企業も使用しており、原材料の採取や加工から廃棄物処理までのライフサイクル段階に関連する環境への影響を可視化することが可能です。しかし、GHG(温室効果ガスの排出量)のデータについてはPaper Calculatorではなく、別途、環境省が発行している資料「サプライチェーン排出量算定の考え方」に基づいて計算しています。 紙および、印刷の排出量、輸送、配送で配送時の排出量、事業活動からでる排出量で紙くずの排出量をすべて考慮し計算しています。また、サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースを元に排出原単位は計算しています。 1)SOLITの印刷物の属性例 契約書・証明書、納品書、その他事務的書類 商品パンフレット・指南書 ポストカード・購入者様用メッセージカード 広告用チラシ 展示用のパネル・イベントご案内用ポスター 商品用POPカード 梱包用シール スティッカー 名刺 2)2023年、SOLITの印刷物における環境へのインパクト 成木 0.6本 総エネルギー量 60万(冷蔵庫0.7個が1年間稼働した分程のエネルギー) GHG 238kg 使用水分量 1873L...

人と環境と共にあるための紙と印刷戦略

森林は空気を浄化し、水を浄化し、そして野生動物を保護する。その多くの機能を持つ重要な資源であるのにもかかわらず、森林の減少は現在も続いています。 私たちSOLITは、誰もどれも取り残さない未来のため、資源保護に対する取り組みの一環として、印刷をしないことも提案される印刷・紙に関する専門家である伸和印刷株式会社と共にSOLITの事業活動に使用する紙資源の影響に対処するためのプログラムを実行しました。プログラムの設計は伸和印刷社が先導してくださり実施したものです。   紙の印刷事情、環境へのインパクト 紙の印刷における資源利用量や排出量を考える場合、印刷の紙・インク・輸送・廃棄など様々なプロセスにおいて考慮しなければなりません。例えば、印刷方法では主にオンデマンド印刷とオフセット印刷があります。オンデマンド印刷は、必要な数量だけ印刷するため、在庫を削減し、紙やインクの無駄を最小限に抑えることができるため、環境への負荷が低いと言えます。 一方で、大量の印刷に向いていると言われているオフセット印刷はインクと溶剤の使用が比較的多いため、大量印刷では効率的ですが、小ロットの印刷では、余剰の印刷物が出る可能性があり、紙やインクの無駄が生じます。また、製版や印刷工程におけるCO2排出量が比較的多い傾向にあります。 【保存版】森林資源使用量を減らすための紙と印刷チェックリスト   SOLITの印刷・紙利用の結果 今回の取り組みでは、2023年のSOLITの事業活動における印刷物のデータを全て伸和印刷社に共有し、Paper Calculator というツールを利用し、データを算出いたしました。 この方法は、Patagoniaなどの企業も使用しており、原材料の採取や加工から廃棄物処理までのライフサイクル段階に関連する環境への影響を可視化することが可能です。しかし、GHG(温室効果ガスの排出量)のデータについてはPaper Calculatorではなく、別途、環境省が発行している資料「サプライチェーン排出量算定の考え方」に基づいて計算しています。 紙および、印刷の排出量、輸送、配送で配送時の排出量、事業活動からでる排出量で紙くずの排出量をすべて考慮し計算しています。また、サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースを元に排出原単位は計算しています。 1)SOLITの印刷物の属性例 契約書・証明書、納品書、その他事務的書類 商品パンフレット・指南書 ポストカード・購入者様用メッセージカード 広告用チラシ 展示用のパネル・イベントご案内用ポスター 商品用POPカード 梱包用シール スティッカー 名刺 2)2023年、SOLITの印刷物における環境へのインパクト 成木 0.6本 総エネルギー量 60万(冷蔵庫0.7個が1年間稼働した分程のエネルギー) GHG 238kg 使用水分量 1873L...

9月2日(土)〜30日(土)開催!#やさしいファッション革命 を巻き起こす、SOLIT! POP-UP STORE & EXHIBITION@新宿マルイ

9月2日(土)〜30日(土)開催!#やさしいファッション革命 を巻き起こす、SOLIT! PO...

私たちSOLITは、3周年を迎えます ついに!皆様の応援やお力添えがあり、2020年9月15日に創業してからSOLIT株式会社は3周年を迎えます。 プロダクトを毎日着てくださっている方や、試着会にお越しいただいた方、会場や機会を提供してくださった方や、クラウドファンディングで支援してくださった方、そして研究や調査にお力添えいただいた方など、様々な形で関わってくださった皆様に、心から感謝を申し上げます。 3周年を記念して、9月2日(土)~30日(土)の1か月間、「新宿マルイ本館 8階 イベントスペース」 にて、POP-UP STORE & EXHIBITIONを開催します。本イベントでは、SOLIT!が来年4月に控えたバンクーバーファッションウィーク(VFW)に向けた制作の現場を間近で見たり、実際の試作品の制作現場に参加いただける機会もご用意しています。 これからも『オールインクルーシブな社会を実現する』という会社のミッションのもと、現状に満足することなく、より一層邁進していきます。今後とも、よろしくお願いいたします!   コンセプトは 「ともに立ち上がる」 今回のPOP-UP STORE& EXHIBITIONは「ともに立ち上がる」をコンセプトとしています。このコンセプトは、VFWへの挑戦に向けたクラウドファンディングやSOLITの3周年記念、さらに「オールインクルーシブな社会」を目指すためのムーブメントが、多くの支援者の方々や、今回のPOP-UP STORE& EXHIBITIONで出会う皆様によって加速することを願って設定しました。 このJOURNALでは「SOLIT! POP-UP STORE & EXHIBITION」でどのようなことが体験できるのかについてご紹介させていただきます。   開催概要 日時:2023年9月2日(土) - 30日(土) 11:00~20:00※ 9月1日(金)...

9月2日(土)〜30日(土)開催!#やさしいファッション革命 を巻き起こす、SOLIT! PO...

私たちSOLITは、3周年を迎えます ついに!皆様の応援やお力添えがあり、2020年9月15日に創業してからSOLIT株式会社は3周年を迎えます。 プロダクトを毎日着てくださっている方や、試着会にお越しいただいた方、会場や機会を提供してくださった方や、クラウドファンディングで支援してくださった方、そして研究や調査にお力添えいただいた方など、様々な形で関わってくださった皆様に、心から感謝を申し上げます。 3周年を記念して、9月2日(土)~30日(土)の1か月間、「新宿マルイ本館 8階 イベントスペース」 にて、POP-UP STORE & EXHIBITIONを開催します。本イベントでは、SOLIT!が来年4月に控えたバンクーバーファッションウィーク(VFW)に向けた制作の現場を間近で見たり、実際の試作品の制作現場に参加いただける機会もご用意しています。 これからも『オールインクルーシブな社会を実現する』という会社のミッションのもと、現状に満足することなく、より一層邁進していきます。今後とも、よろしくお願いいたします!   コンセプトは 「ともに立ち上がる」 今回のPOP-UP STORE& EXHIBITIONは「ともに立ち上がる」をコンセプトとしています。このコンセプトは、VFWへの挑戦に向けたクラウドファンディングやSOLITの3周年記念、さらに「オールインクルーシブな社会」を目指すためのムーブメントが、多くの支援者の方々や、今回のPOP-UP STORE& EXHIBITIONで出会う皆様によって加速することを願って設定しました。 このJOURNALでは「SOLIT! POP-UP STORE & EXHIBITION」でどのようなことが体験できるのかについてご紹介させていただきます。   開催概要 日時:2023年9月2日(土) - 30日(土) 11:00~20:00※ 9月1日(金)...

HOW MIGHT WE AREALL-INCLUSIVE? / オールインクルーシブ指南書

HOW MIGHT WE AREALL-INCLUSIVE? / オールインクルーシブ指南書

はじめに SOLIT株式会社は、2023年9月15日に3周年を迎えます。これを期に、わたしたちSOLIT株式会社が目指す、多様な人も地球環境も誰もどれも取り残さない「オールインクルーシブ」な社会の実現に向けて一つの冊子を制作しました。 タイトルは「HOW MIGHT WE AREALL-INCLUSIVE? / オールインクルーシブ指南書」です。 わたしたちは、微力であったとしてもスパイラルアップしているのだと信じ、まずは挑戦し、邁進し続けてきました。この3年の間に、受賞確率1%未満とされるiF DESIGN AWARDにて、GoogleやAppleと同等のデザインのレベルであるとの評価までしていただくことができました。これは、これまで一緒に歩んできた仲間、みなさんのおかげだと確信しています。 しかし、わたしたちの実現したいオールインクルーシブな社会は、わたしたちのような少人数で小さな会社の力だけでは、まだまだ実現できないのです。さらにたくさんの仲間が必要です。 今回のJOURNALでは、わたしたちが本冊子を制作しようとした目的や、具体的にどんな内容が書かれているのか、どんな方に読んでほしいのかなどを合わせてご紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。 指南書のご購入はこちらから 本冊子の目的と構成について この時代に、わたしは、わたしたちは、なにができるだろう。 そんな希望と、願いと、自分への失望と、社会への愛ある怒りを込めて、わたしたちが目指すオールインクルーシブな社会を実現するための仲間を集めるために、「HOW MIGHT WE ARE ALL-INCLUSIVE? / オールインクルーシブ指南書」を書き上げました。 そのため、この本は現代社会に対する違和感をもち、諦めることなく、よりよい社会を目指すために立ちあがろうとする人に読んでもらいたいと思っています。そのような方々が、行動を起こすことを目的とするため、本冊子は、目次に記載の通り、大きく分けて3つの章に分けてまとめています。 「HOW MIGHT WE AREALL-INCLUSIVE? / オールインクルーシブ指南書」の目次...

HOW MIGHT WE AREALL-INCLUSIVE? / オールインクルーシブ指南書

はじめに SOLIT株式会社は、2023年9月15日に3周年を迎えます。これを期に、わたしたちSOLIT株式会社が目指す、多様な人も地球環境も誰もどれも取り残さない「オールインクルーシブ」な社会の実現に向けて一つの冊子を制作しました。 タイトルは「HOW MIGHT WE AREALL-INCLUSIVE? / オールインクルーシブ指南書」です。 わたしたちは、微力であったとしてもスパイラルアップしているのだと信じ、まずは挑戦し、邁進し続けてきました。この3年の間に、受賞確率1%未満とされるiF DESIGN AWARDにて、GoogleやAppleと同等のデザインのレベルであるとの評価までしていただくことができました。これは、これまで一緒に歩んできた仲間、みなさんのおかげだと確信しています。 しかし、わたしたちの実現したいオールインクルーシブな社会は、わたしたちのような少人数で小さな会社の力だけでは、まだまだ実現できないのです。さらにたくさんの仲間が必要です。 今回のJOURNALでは、わたしたちが本冊子を制作しようとした目的や、具体的にどんな内容が書かれているのか、どんな方に読んでほしいのかなどを合わせてご紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。 指南書のご購入はこちらから 本冊子の目的と構成について この時代に、わたしは、わたしたちは、なにができるだろう。 そんな希望と、願いと、自分への失望と、社会への愛ある怒りを込めて、わたしたちが目指すオールインクルーシブな社会を実現するための仲間を集めるために、「HOW MIGHT WE ARE ALL-INCLUSIVE? / オールインクルーシブ指南書」を書き上げました。 そのため、この本は現代社会に対する違和感をもち、諦めることなく、よりよい社会を目指すために立ちあがろうとする人に読んでもらいたいと思っています。そのような方々が、行動を起こすことを目的とするため、本冊子は、目次に記載の通り、大きく分けて3つの章に分けてまとめています。 「HOW MIGHT WE AREALL-INCLUSIVE? / オールインクルーシブ指南書」の目次...

「あなたらしさ」「わたしらしさ」を否定しないために、アンコンシャスバイアスを知ってほしい

「あなたらしさ」「わたしらしさ」を否定しないために、アンコンシャスバイアスを知ってほしい

タトゥーをしている人は怖い人だ。 家事をするのは女性だ。 人は誰でも異性に恋愛感情を抱く。 これを見て、みなさんはどう感じますか? このような、知らず知らずのうちに刷り込まれた無意識の偏見や思い込みをアンコンシャスバイアスと言います。アンコンシャスバイアス自体は誰もが持っているものであり、ごく自然なもの。しかしそれが、気が付かないうちに自分や周りの人が本来の自分として生きることを否定していたり、差別や区別を生み出していたりするというのも事実です。 今回、SOLITでは資生堂のプログラムを活用し、社員、インターン、ボランティアなど様々な役割のメンバー間でアンコンシャスバイアスに関して話し合う勉強会を開催しました。   資生堂「SEE SAY DO PROGRAM」   勉強会では、アンコンシャスバイアスを体験的に学んだうえで、自分たちが今からできるアクションについて議論しました。このJOURNALでは、勉強会で得た気づきや議論をしたうえで皆さんと一緒にしたいアクションについてお伝えできればと思います。自分を知る手段としても、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。 自己紹介で体験したアンコンシャスバイアス プログラムは、簡単なゲームからスタート。 まず、2~3人1組になり、何も話さずにその人がどのような人なのかを想像します。その後、お互いに答え合わせをかねて自己紹介をするというものです。 このゲームを通じて、「真面目そう」「元気そう」「本が好きそう」などといった外見の第一印象でその人の中身を判断してしまっているということを改めて体感しました。もちろん、初対面の場合はそのような「○○そう」というバイアスが浮かんできてしまうのは当然だと思います。しかし、それを理解したうえで人と接するのと、理解せずにそのバイアスに左右され続けるのとでは、人との関係性に違いが出るのではないかと感じました。 「知る」という小さなアクションが大きな鍵に 次のパートでは、4~5人に分かれて、各々が事前に調べてきたアンコンシャスバイアスの事例から自分が「無自覚だった」や「配慮が必要」と感じたものについて共有し、具体的な場面を思い浮かべながら議論をしました。 話し合う中で共有があった事例を2つ紹介します。 1つ目は、「レストランで食事をしていたときに、話している内容や見た目からその人を危険な人だと判断し、監視してしまった」という体験です。これは、自分や周りの人を守るためにとった行動であったけれど、結局は人を傷つけてしまったかもしれない例です。 2つ目は、「痩せている友人にちゃんと食べているか聞いてしまった」という体験です。これは、相手を気遣っての言動であったにも関わらず相手を傷つけてしまったかもしれない例です。 これらの事例において、自分の中のアンコンシャスバイアスを自覚していたならば、相手の気持ちをより配慮して行動できたかもしれません。だからこそ「知る」ことが大切だと学びました。 自分の中にある偏見や自分に足りない知識を「知る」。人に尋ねてみるなどをして、相手が傷つく可能性のある言い方や考え方を「知る」。今回のような議論の場を通じて、バイアスがかかる場面を「知る」。 これらを心がける人が少しずつでも増えていくことで、アンコンシャスバイアスによって傷ついたり、傷つけたりという場面を減らせるのではないかと考えています。   コミュニケーションを楽しむために 最後に、この日に参加していた全員で意見交換・対話をしました。 ここでは、今後のアクションとして、「偏見があることを事前に相手に伝え、無意識に自分が相手を傷つけるようなことを言っていたら教えてほしいと伝えること」や「自分と似た考えでない人と積極的に話してみることで視野を広げること」などのアクションができるという意見が出ました。一方で、「気にしすぎてしまうとコミュニケーションを楽しむことを忘れてしまう」という意見や「相手との関係によって楽しいと感じる人と苦しいと感じる人がいる」という意見も。 これを受けて、相手との関係やタイミングなどを考えたうえでコミュニケーションをとり、その過程で自分が傷つくことがあればそのこともしっかり相手に伝える必要があるという話をしました。...

「あなたらしさ」「わたしらしさ」を否定しないために、アンコンシャスバイアスを知ってほしい

タトゥーをしている人は怖い人だ。 家事をするのは女性だ。 人は誰でも異性に恋愛感情を抱く。 これを見て、みなさんはどう感じますか? このような、知らず知らずのうちに刷り込まれた無意識の偏見や思い込みをアンコンシャスバイアスと言います。アンコンシャスバイアス自体は誰もが持っているものであり、ごく自然なもの。しかしそれが、気が付かないうちに自分や周りの人が本来の自分として生きることを否定していたり、差別や区別を生み出していたりするというのも事実です。 今回、SOLITでは資生堂のプログラムを活用し、社員、インターン、ボランティアなど様々な役割のメンバー間でアンコンシャスバイアスに関して話し合う勉強会を開催しました。   資生堂「SEE SAY DO PROGRAM」   勉強会では、アンコンシャスバイアスを体験的に学んだうえで、自分たちが今からできるアクションについて議論しました。このJOURNALでは、勉強会で得た気づきや議論をしたうえで皆さんと一緒にしたいアクションについてお伝えできればと思います。自分を知る手段としても、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。 自己紹介で体験したアンコンシャスバイアス プログラムは、簡単なゲームからスタート。 まず、2~3人1組になり、何も話さずにその人がどのような人なのかを想像します。その後、お互いに答え合わせをかねて自己紹介をするというものです。 このゲームを通じて、「真面目そう」「元気そう」「本が好きそう」などといった外見の第一印象でその人の中身を判断してしまっているということを改めて体感しました。もちろん、初対面の場合はそのような「○○そう」というバイアスが浮かんできてしまうのは当然だと思います。しかし、それを理解したうえで人と接するのと、理解せずにそのバイアスに左右され続けるのとでは、人との関係性に違いが出るのではないかと感じました。 「知る」という小さなアクションが大きな鍵に 次のパートでは、4~5人に分かれて、各々が事前に調べてきたアンコンシャスバイアスの事例から自分が「無自覚だった」や「配慮が必要」と感じたものについて共有し、具体的な場面を思い浮かべながら議論をしました。 話し合う中で共有があった事例を2つ紹介します。 1つ目は、「レストランで食事をしていたときに、話している内容や見た目からその人を危険な人だと判断し、監視してしまった」という体験です。これは、自分や周りの人を守るためにとった行動であったけれど、結局は人を傷つけてしまったかもしれない例です。 2つ目は、「痩せている友人にちゃんと食べているか聞いてしまった」という体験です。これは、相手を気遣っての言動であったにも関わらず相手を傷つけてしまったかもしれない例です。 これらの事例において、自分の中のアンコンシャスバイアスを自覚していたならば、相手の気持ちをより配慮して行動できたかもしれません。だからこそ「知る」ことが大切だと学びました。 自分の中にある偏見や自分に足りない知識を「知る」。人に尋ねてみるなどをして、相手が傷つく可能性のある言い方や考え方を「知る」。今回のような議論の場を通じて、バイアスがかかる場面を「知る」。 これらを心がける人が少しずつでも増えていくことで、アンコンシャスバイアスによって傷ついたり、傷つけたりという場面を減らせるのではないかと考えています。   コミュニケーションを楽しむために 最後に、この日に参加していた全員で意見交換・対話をしました。 ここでは、今後のアクションとして、「偏見があることを事前に相手に伝え、無意識に自分が相手を傷つけるようなことを言っていたら教えてほしいと伝えること」や「自分と似た考えでない人と積極的に話してみることで視野を広げること」などのアクションができるという意見が出ました。一方で、「気にしすぎてしまうとコミュニケーションを楽しむことを忘れてしまう」という意見や「相手との関係によって楽しいと感じる人と苦しいと感じる人がいる」という意見も。 これを受けて、相手との関係やタイミングなどを考えたうえでコミュニケーションをとり、その過程で自分が傷つくことがあればそのこともしっかり相手に伝える必要があるという話をしました。...