SOLITのプロダクトを作ると、何が起きるの?

SOLITのプロダクトを作ると、何が起きるの?

目次

あなたの服は、公正?

あなたが毎日の暮らしをわくわくしたり、なりたい自分になるため、あなたにとって「良い服」を着るということは、その良い服を作った人たちの仕事が評価され、公正な報酬を受け取るべきだと思います。しかし今、繊維・衣料品業界で働く人々の大半は、まともな住居に住めず、健康的な食事もとれず、十分な医療にもかかることができていません。時には、子どもを学校に通わせることさえままならないのです。

仕事を評価するだけでなく、これら生活賃金は”贅沢”ではなく、基本的人権です。

例えば、ファッションに関心のある人ならもう誰でもご存知でしょう、「ラナ・プラザ倒壊」。あれから多くの声が上がり、企業の多くは改善をしてきたものの、未だバングラデシュでは、平均的なTシャツの価格のわずか3%しか、それを作る人たちに割り当てられていないことがわかっています。多くの生産国において、工場のマージンや人件費は非常に低く、ブランドコストは価格全体の少なくとも4分の3を占めています。(参考 :Fair Wear Foundation)

主要なファッション生産国の労働者は、平均して、まともな生活水準を達成するために必要な賃金のわずか55%しか受け取っていません。(参考:The Industry We Want)

車椅子ユーザー、黒人、アジア人など多様なイラスト

つまり、ブランドと小売業者は、ファッションに携わる労働者に生活賃金を支払うために、単にコストの上昇を買い手に転嫁するだけでなく、そもそもの価格に含まれる利益率を再調整する責任とリソースを有しているのだと思います。そして、従来のたくさんつくってたくさん廃棄されてしまうシステムを早急に見直し、携わる全ての人にとって、そして地球環境にとってより良い物を生み出す責任があります

では、SOLITではプロダクトを開発するにおいて、現状はどこまででき、どこが力不足であるかここにまとめていきたいと思います。これは未だ完璧とはいえず、変革の途中であるからこそ、みなさんに知っておいて欲しいと思います。

 

SOLITのプロダクトの利益率と価格に含まれているもの

冒頭で紹介したレポートでは、平均してわずか3%しか、それを作る人たちに割り当てられておらず、ブランドコストは少なくとも4分の3を占めているとのことでした。私たちは、心躍らせ「着たい服」を選択する一方で、その背景には基本的人権を享受できていない人がいるということを知り、その選択をより丁寧に行う必要があります。

 

透明な価格設定と、正当な価格を生産者へ

SOLITでは購入される方に自分の購入した服がどのように使われているかを公表し、正当に生産者の方に給料を支払うためにTransparent pricing(透明な価格設定)を実践しています。

Tシャツのイラストに、内訳が記載

  • 35-40%:生産者
    素材、縫製、検品、管理、輸送、トレーニング、研究・調査
  • 60-65%:企画・開発者
    企画、カスタマーサポート、PR&マーケティング、コンサルティング、研究・調査、教育

プロダクトの開発困難さや、素材によってこの割合に変動はあれど、記載の幅を下振れることはありません。また、SOLITは完全業務分担を行うのではなく、生産者と企画開発者が共に商品について話し合い、縫製の方法や展開方法を検討するため、その業務範囲は双方グラデーションになっています。その曖昧な範囲においては、貨幣価値や利益率に限らない、貨幣価値を超えた価値の等価交換も同時に存在しているのも事実です。

 

包括できる範囲を拡大する「研究調査」

責任ある業務時間の中に記載している「研究調査」。私たちは、着てもらうほど、購入されるほど生まれる着用者の声や、病院・研究所と連携したヒアリング/アンケート調査を行っています。これにより、現在販売しているプロダクトでは包括できていない方や、解決できていない課題を解決するため、未だ存在しない選択肢を生み出すことにつなげています。

 

より多くの選択肢をうむための「コンサルティング」

オールインクルーシブな社会を実現するために、SOLITのプロダクトだけでは届かない人やエリアに向けて協働できる企業やパートナー団体と協働し、より良い社会実現を加速するためにつながっています。

 

学び、認知し、行動者になるための「トレーニング・教育」

生産者も、社員やプロボノ・インターンも、立場に関わらず多様な人が存在し、多様な社会課題の存在を学び行動する研修やトレーニングを行っています。また、SOLITのJOURNALやイベントなどはその学びを多くの方にも共有するための場になっています。

 

買うほど、以前よりもよりよい未来に近く?

地球のイラストの前に生産者とジーパンのイラスト

私たちは、作り手と買い手の双方が公正な取引を行うだけでは、地球環境への負荷を見過ごすことにもつながると考えています。そこで、生産するほど、購入いただくほど、多様な人にも地球環境にも良い影響が生まれているものを作りたいと考えています。

現時点で、SOLITのプロダクトを購入するほど、着ていただくほど起きるインパクトはこちらです。

 

1.生産者のスキル・給与が向上している

これまでのファッションの生産工場では、1人あたりの担当業務は1つの工程を繰り返し続けることで効率化が計られていました。しかし、SOLITでは1つのプロダクトを複数の人が関わるのではなく、担当した人が一人で全てを縫い上げる「まる縫い」をしています。こうすることで、1つの工程しかできなかった担当者のスキルが上がり、給与の向上、また転職をした時にも高い給与水準で転職をすることが可能になります。

2.医療福祉従事者の医療福祉分野を超えた挑戦の場やセカンドキャリアの創出

体力や気力を必要とする医療福祉の現場において、出産を経験した方や、休職をした方、卒業した方のセカンドキャリアの選択肢が少ないことは課題となっています。SOLITではその知識や経験をもとに時間・場所に問わず関わる選択肢を用意し、活躍していただいています。

3.より廃棄を生まない

従来のアパレルブランドでは1つあたりのデザインが複数生産が必要な生産方法や、大量生産大量廃棄を行ってしまう現状の課題から、SOLITでは廃棄を産まないようにするため、「受注生産」を行っています。こうすることにより、ご注文を受けてから生産をスタートするため、みなさんには少しお待ちいただくことにはなりますが、不必要な在庫を持つことなく、そして着てくださる方が存在するプロダクトしか生まれないため、廃棄することがありません。

 

世界情勢にあわせて価格を変える

昨今の世界情勢や為替変動を背景に、原材料全般が高騰しているだけでなく、包装資材・物流費・人件費等も上昇している状況があります。従来はこのような状況を作り手や売り手が吸収してきた面がありますが、SOLIT!はプロダクトにかかわるすべての人たちが健全であるために、「着る人」もともにその服が公正であることに関わる仕組みにしました。詳しくは、こちらをご覧ください。

世界情勢にあわせた価格変化の背景

 

罪悪感のない購入体験のために

大量生産大量消費、たくさんの廃棄を目の前にすると、新しいものを買うことへの嫌悪感や罪悪感が生まれると思います。

それは、ひとつのプロダクトの商品寿命が短い場合、そして必要以上につくる場合におきうるものであって、すべてのファッションやものづくりが悪いわけではありません。例えば全ての人が「購入」をやめると、経済が止まり、生産者の生活が苦しくなったり、文化やイノベーションが生まれなかったり、生産者のスキルアップに繋がらなかったりします。

私たちは、ファッションを悪者にしないために、そしてファッションをただ純粋に好きな気持ちを諦めなくていいように、罪悪感のない購入体験ができるようにしたいです。

欧州のムーブメント「Good Clothes Fair Pay」

「Good Clothes Fair Pay」は、ファッションのサプライチェーンにおける欧州市民のイニシアチブです。世界中の繊維・衣料労働者の公正な賃金実現に向けた立法を要求しています。

新型コロナウイルス感染症の大流行により、私たちの服を作っている人々の賃金不安はさらに深まり、労働者は社会的セーフティネットを持たず、食料、医療、住居の支払いに苦慮しています。

このような人々は貧困の中に閉じ込められ、大手ファッション企業は彼らの努力から利益を得続けています。これは非常に不公平で搾取的なシステムであり、私たちは改善を求めなければなりません。

Good Clothes, Fair Pay

 



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