SOLIT吸収合併に寄せて / 執筆 代表 田中美咲

SOLIT吸収合併に寄せて / 執筆 代表 田中美咲

WEBサイトでのお知らせなどを見て、いきなりのご報告で驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。

>> 吸収合併のお知らせ

 

実は昨年の夏ごろから、チームのみんなとこれからのSOLITはどうあるべきだろうかと議論を重ねてきました。そうした長い議論の中で、フルタイムで働くメンバーから、多様な意見をくれるアドバイザリーボードの皆さん、株主のみなさんをはじめ、いろんな方と話す中で決めたのが今回の吸収合併の決断になります。

  • 最近海外コレクションに出場したばかりじゃないか!
  • こんなにアワードを受賞したり、メディアに取材してもらってるじゃないか!
  • 会社をなくすなんて勿体無い!

こんな言葉も、たくさんの方からいただきました。

そう言ってもらえるほど何らかの成果を残し、そして記憶に残る要素を生み出せたと思うととても嬉しいと共に、そうした有難いお言葉をいただいても尚、私の中では「このままではダメだ」という思いが消えませんでした。

「SOLIT」という人格を宿す法人格は、とても正義感が強く、凛として、挑戦を止めず、世間一般でいう「良い」とは時に距離を置いてまでも、自分達の倫理観による「良い」を定め、可能性の範囲を決めずに挑戦をおこなってきました。SOLITに関わる人や、SOLIT自身はとても潔くてかっこいいと、創業者ながらに感じています。

だからこそ、初志貫徹、創業時の思いをブラさずに「ファッションから始めるけれど、それはあくまで前例を作るためであり、本来やるべきは多様な人や地球環境も考慮されたオールインクルーシブな社会を作ること」にちゃんと立ち戻りたいと、そう思いました。


ファッションは第一弾であり、ここからはたくさんの人と手を組んで実現させる

私たちは創業時から、「SOLIT!」というインクルーシブデザイン×ファッションでの前例をつくり、いわゆるショーケースを生み出すことで轍を作り、次にその開発において蓄積させたエビデンスやデータや知見をまとめ、最後に多分野の企業や団体と連携しながら、人間が暮らす上で必要な分野・要素において「オールインクルーシブ」な選択肢を増やしていき、人モノ金が循環するシステムを加速させて経済圏をつくっていきたい、そう考えていました。

まずはファッションでは、

  • プロダクトのデザインにこだわり
  • 生産背景とサプライチェーンにおける環境/人権にこだわり
  • 国内外からデザイン/ファッションとして評価を受け
  • ファッションコレクションでそれらを多くの人に提示しにいく

といった、前例を作る上で必要な要素はまとまったと思っています。

もちろん、まだまだ解決すべきことは山ほどあります。届いていない人たちもたくさんいる。けれど、創業時と比べて多くのプレイヤーが参入してくださったことで、大きな解決の流れは既に生まれ始めています。そうすると、「私たちでなくてはならない」ということはもう過ぎたのかなと思っています。

ここからは、既にコクヨやPanasonic FUTURE LIFE FACTORY、アイシンの皆さんともご一緒していますが、ファッションにとどまらない分野で選択肢を増やしていくことに力を入れ、多くの企業や団体、個人の方とご一緒していきたいと思っています。

まさに、「仲間を集め、仲間と手を組む」フェーズに入ったのです。


その魂を宿す「身体」を変える

SOLITは、魂は残るけれど、その魂を宿す「身体」を変えます。

代表である私がもう一つ経営をしている、社会課題解決に特化した企画・PRの会社「morning after cutting my hair,Inc.」に吸収合併を行います。2018年から運営を続けている会社で、代表が同じで、こちらも会社としての「法人格」はまさにSOLITと同じく正義感と倫理観の強い、かっこいい会社です。

SOLITのフェーズが変わろうとしている今、そんな性格がかなり近い2社がそれぞれの身体を持っている、つまりは身体が2つある必要はなくなったんじゃないかと考えました。SOLITもmorning after cutting my hairも、どちらも社会と企業の課題を解決しようと奮闘する会社です。

吸収合併を行うことで、2倍かかっていた各種手続きの工数や費用を減らすこともできますし、ここまでのSOLIT!での経験・知見を持って、morning after cutting my hairでの社会関係資本やDE&Iを超えた課題へのアプローチができる知見を合わせ、SOLITの新たな展開をより力強く推進していくことができるのだと思っています。

もちろん、ただ2社の強みが生かされ、費用削減ができるということだけではありません。私たちのスタッフが創業時には考えられないほどたくさんのチャンスをいただけるようになり、ライフステージも変わり、そして世界の情勢や課題も多岐に渡り変化を続けてきました。それに影響されるように、SOLITという会社は、常にアメーバのように変化し続ける中で、今はSOLITだけでなんとか力を振り絞って突き進むにはエネルギーが足りないということにも気づきました。

チーム一同、全員がSOLITを続けたいと思っていることを議論した上で確認し、改めて組織再編という取捨選択をしながら、新たなSOLITに向かう挑戦を行います。


第2幕のはじまり

これから、SOLITが実現しようとする未来に向けた第二幕がはじまります。

「今」必要な、より良い形で挑戦を続けていくための選択をしましたが、この先、きっとまた変化は起こるでしょう。世界も社会も私たちも、予想だにしない明日がやってくるかもしれません。

私たちもまだまだ、これからどんな姿になっていけるのかは未知数です。


いよいよ始まる第二幕に向けて、ぜひ一緒にこれからのSOLITも楽しんでいただけたら嬉しいです。

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