JOURNAL

脊髄損傷者専門トレーニングジムが提供する、前例のないトレーニング/INTERVIEW

脊髄損傷者専門トレーニングジムが提供する、前例のないトレーニング/INTERVIEW

みなさんこんにちは!2022年2月からSOLITインターンをしている、あつきです。 本記事は、SOLITのプロダクトを実際に展示してくださり、多様な人も地球環境もともに考慮された「オールインクルーシブ」という考え方や価値観の発信拠点「SOLIT STAND」としてご協力いただいているみなさまへのインタビュー企画です。 SOLIT STANDの情報はこちら 今回は、東京・大阪・福岡にスタジオを構える脊髄損傷者専門トレーニングジム「J-Workout」。2022年4月からSOLIT STANDを設置していただいています。 そこで、J-Workout代表の伊佐さんにインタビューをお受けいただきました。 INTERVIEW 日本人ならではのトレーニングへのハードルを超えて ー 脊髄損傷者専門のトレーニングジムを始めたきっかけを教えてください。 元々は僕が20年ほど前に事故にあって脊髄損傷になったのですが、病院を出た後に、なかなか普通のトレーニングジムに行くのは難しいし、病院もある程度保険が終わるとリハビリがやりづらくなっていて、結構困ったんです。 そんな中、情報収集をしていたら、民間でも脊髄損傷者がトレーニングできるところが海外にあることを知りました。それがたまたま僕の同級生で、今は亡くなりましたが創設メンバーの渡辺淳の留学先だったんです。中学から同級生で一緒に部活もしていた親友が留学している先にそんな施設があると知ったので、見に行ってみました。 そこには、従来の病院やリハビリのイメージとは全く異なる状況があったんです。自分自身がもう一度歩くことに挑戦してみたいと思い、彼がそこに入社するタイミングで一緒に渡米して、トレーニングに励み、日本に帰ってきたのが、J-Workout立ち上げのきっかけです。 ー アメリカで学んだトレーニング方法を日本に持ってくる時に、身体的な特徴が日本とアメリカでは違うと思いますが、どのように日本人向けにされたんですか? 僕はトレーナーではないので、渡辺や創設メンバーがどんな苦労をしたか正確にはわかりません。ただ、感覚的にいうと、体つきの違いはもちろんですが、文化が違うので考え方も基本的に違います。その考え方の違いをまず乗り越える必要がありました。 日本はリハビリといえばタダでできるもの、病院はお金がかからないところというイメージなので、お金を出してでもやるメリットを伝える必要がありました。 ー トレーニング方法を日本人に合わせて調整させるだけではなく、文化的なところへの対応も重要だったんですね。 結局、寝てて薬を投与されて終わりではなくて、トレーニングは自身が続けていかなくちゃいけないこと。本人の意志がないと続かないですよね。 その中で、健常者であってもトレーニングジムに通うことがハードル高かった時代だったので、もう一度身体を鍛えなければどうなっていくか、という想像力から養っていかないといけませんでした。 日本では、何もしないことが安心、というところがあります。しかし、実際には何もしないことで失っていくというリスクもあるので、改めて感じてもらわなくちゃいけないなと思っています。 これまで15年やってきて、全員が元通りになった訳ではないことは事実です。けれど、その中で確実に、やってなかったら大変なことになっていたなと感じたり、続けているからこれができるようになった、など、トレーニングを続けることで獲得したものや失わずに済んでいることを感じられるということは大事だと思っています。   トレーナーに必要なのは、クライアントに寄り添うコミュニケーション ー 脊髄損傷の方を専門とするジムだからこそ、トレーナーの育成が大変そうに感じるのですが、どのようにされているんですか? とにかく時間をかけてちょっとずつなんです。マニュアルや教科書を作っていますが、やはり人も成長させなきゃいけません。実際にトレーニングするのはクライアントさん(ジムに通われている方のこと)で、そのクライアントさんにいかに寄り添えるか、そこを成長させるのが難しいですね。 技術だけだったら半年でなんとかなるかもしれないけれど、コミュニケーションの部分がとても大切です。 脊髄損傷だと身体に感覚がない方々が多いので、「痛いですか?」というコミュニケーションは取れず、表現も一人一人違います。いろんな方々の表現を理解して、正しい負荷でトレーニングを提供できるようになるまでは、当然知識や技術も必要ですが、コミュニケーションがすごく大切で時間がかかります。 ファッションという側面からも、一歩を踏み出す背中を押せたら ー SOLITのどこに共感してくださったんですか?...

脊髄損傷者専門トレーニングジムが提供する、前例のないトレーニング/INTERVIEW

みなさんこんにちは!2022年2月からSOLITインターンをしている、あつきです。 本記事は、SOLITのプロダクトを実際に展示してくださり、多様な人も地球環境もともに考慮された「オールインクルーシブ」という考え方や価値観の発信拠点「SOLIT STAND」としてご協力いただいているみなさまへのインタビュー企画です。 SOLIT STANDの情報はこちら 今回は、東京・大阪・福岡にスタジオを構える脊髄損傷者専門トレーニングジム「J-Workout」。2022年4月からSOLIT STANDを設置していただいています。 そこで、J-Workout代表の伊佐さんにインタビューをお受けいただきました。 INTERVIEW 日本人ならではのトレーニングへのハードルを超えて ー 脊髄損傷者専門のトレーニングジムを始めたきっかけを教えてください。 元々は僕が20年ほど前に事故にあって脊髄損傷になったのですが、病院を出た後に、なかなか普通のトレーニングジムに行くのは難しいし、病院もある程度保険が終わるとリハビリがやりづらくなっていて、結構困ったんです。 そんな中、情報収集をしていたら、民間でも脊髄損傷者がトレーニングできるところが海外にあることを知りました。それがたまたま僕の同級生で、今は亡くなりましたが創設メンバーの渡辺淳の留学先だったんです。中学から同級生で一緒に部活もしていた親友が留学している先にそんな施設があると知ったので、見に行ってみました。 そこには、従来の病院やリハビリのイメージとは全く異なる状況があったんです。自分自身がもう一度歩くことに挑戦してみたいと思い、彼がそこに入社するタイミングで一緒に渡米して、トレーニングに励み、日本に帰ってきたのが、J-Workout立ち上げのきっかけです。 ー アメリカで学んだトレーニング方法を日本に持ってくる時に、身体的な特徴が日本とアメリカでは違うと思いますが、どのように日本人向けにされたんですか? 僕はトレーナーではないので、渡辺や創設メンバーがどんな苦労をしたか正確にはわかりません。ただ、感覚的にいうと、体つきの違いはもちろんですが、文化が違うので考え方も基本的に違います。その考え方の違いをまず乗り越える必要がありました。 日本はリハビリといえばタダでできるもの、病院はお金がかからないところというイメージなので、お金を出してでもやるメリットを伝える必要がありました。 ー トレーニング方法を日本人に合わせて調整させるだけではなく、文化的なところへの対応も重要だったんですね。 結局、寝てて薬を投与されて終わりではなくて、トレーニングは自身が続けていかなくちゃいけないこと。本人の意志がないと続かないですよね。 その中で、健常者であってもトレーニングジムに通うことがハードル高かった時代だったので、もう一度身体を鍛えなければどうなっていくか、という想像力から養っていかないといけませんでした。 日本では、何もしないことが安心、というところがあります。しかし、実際には何もしないことで失っていくというリスクもあるので、改めて感じてもらわなくちゃいけないなと思っています。 これまで15年やってきて、全員が元通りになった訳ではないことは事実です。けれど、その中で確実に、やってなかったら大変なことになっていたなと感じたり、続けているからこれができるようになった、など、トレーニングを続けることで獲得したものや失わずに済んでいることを感じられるということは大事だと思っています。   トレーナーに必要なのは、クライアントに寄り添うコミュニケーション ー 脊髄損傷の方を専門とするジムだからこそ、トレーナーの育成が大変そうに感じるのですが、どのようにされているんですか? とにかく時間をかけてちょっとずつなんです。マニュアルや教科書を作っていますが、やはり人も成長させなきゃいけません。実際にトレーニングするのはクライアントさん(ジムに通われている方のこと)で、そのクライアントさんにいかに寄り添えるか、そこを成長させるのが難しいですね。 技術だけだったら半年でなんとかなるかもしれないけれど、コミュニケーションの部分がとても大切です。 脊髄損傷だと身体に感覚がない方々が多いので、「痛いですか?」というコミュニケーションは取れず、表現も一人一人違います。いろんな方々の表現を理解して、正しい負荷でトレーニングを提供できるようになるまでは、当然知識や技術も必要ですが、コミュニケーションがすごく大切で時間がかかります。 ファッションという側面からも、一歩を踏み出す背中を押せたら ー SOLITのどこに共感してくださったんですか?...

金沢福祉用具情報プラザの、異なる福祉用具を異なる人へ届ける方法/INTERVIEW

金沢福祉用具情報プラザの、異なる福祉用具を異なる人へ届ける方法/INTERVIEW

みなさんこんにちは!2022年7月からSOLITインターンをしている、きみかです。 本記事は、SOLITのプロダクトを実際に展示してくださり、多様な人も地球環境もともに考慮された「オールインクルーシブ」という考え方や価値観の発信拠点「SOLIT STAND」としてご協力いただいているみなさまへのインタビュー企画です。 今回は、石川県の金沢市にあり、福祉用具を数多く展示している「金沢福祉用具情報プラザ」。2021年11月からSOLIT STANDを設置していただいています。 展示品を管理されている本田さんにインタビューをお受けいただきました。 INTERVIEW 出来ないを出来るに変える一つの手段 ー 金沢福祉用具情報プラザとは、どんな施設ですか? 石川県金沢市にある福祉用具の常設展示場です。衣服や入浴用具、排泄用具、車いすなどの移動機器、食事用具など、あらゆる種類の福祉用具を約1200点展示しています。 当プラザでは、福祉用具の購入を検討中の方を対象に、試用貸出を1週間無料で行っています。それは、福祉用具を使用し続けるにあたって、生活環境に適合するのかを実際に使用する場所で体験していただくことは重要だと思っているからです。 ー 福祉用具の魅力は何ですか? 今できないことを出来るようにしてくれる魅力があります。また、福祉用具は人のやる気にも介入できます。例えば、SOLITのDawn Jacketは、脇にマチをつけて肩まわりを動きやすくすることで、車いすが漕ぎやすくなるように工夫されてますよね。 そのことによって、漕ぎづらかった車いすがDawn Jacketを着ることで漕ぎやすくなったら行動範囲も広がると思います。福祉用具も同じように、利用者の「出来る」を増やして、やる気を上げることにつながります。 「一人一人を知ること」が、福祉用具の魅力を引き出す ー 福祉用具の魅力を伝える際に心がけていることは何ですか? 福祉用具は同じものはひとつも置いていないので、一つ一つどんな機能や特徴があるのか把握するようにしています。また、障害の種類は同じでも、住んでいる環境や性別、年齢、好みなど、福祉用具を使われる方にはさまざまな違いがあります。そのため、その方がどういう方なのかを聞き取り、知ることを一番に心がけています。そこから、その方に合う福祉用具を提案します。 提案をして、来館された方の悩みに合った福祉用具を選べた時に、やりがいを感じます。逆に難しいと感じることは、来館された方の障害や生活の悩みに合った福祉用具が見つけられないときです。 ー 「金沢福祉用具情報プラザ」を一言で表すなら何ですか? 「見て、触れて、体験できる」施設だということです。実際に見て体験してみて、初めてその用具がどれだけ便利なのかを知ることができると思っています。   障害のある方も、もっと外出して欲しい ー SOLITとの出会いはいつですか? 昨年、知り合いの作業療法士からお洒落で障害のある方も着やすいファッションメーカーがあると聞いたのが最初です。その後、興味を持ち、代表の田中さんに連絡させてもらいました。また、昨年の10月に石川県で試着会をされていた時に、実際にプロダクトを初めて見させてもらいました。 ー SOLITの「オールインクルーシブ」という考え方のどこに共感してくださったんですか? 私は「誰も取り残さない」という考え方に共感しました。なぜなら、この考え方は福祉用具を扱ううえでも共通しているからです。福祉用具の役割として、誰も取り残さないように色んな用具があって、その人の自立度や、やりたいことを達成するために福祉用具が存在しています。 ー なぜSOLIT STANDをやろうと思ってくださったのですか?...

金沢福祉用具情報プラザの、異なる福祉用具を異なる人へ届ける方法/INTERVIEW

みなさんこんにちは!2022年7月からSOLITインターンをしている、きみかです。 本記事は、SOLITのプロダクトを実際に展示してくださり、多様な人も地球環境もともに考慮された「オールインクルーシブ」という考え方や価値観の発信拠点「SOLIT STAND」としてご協力いただいているみなさまへのインタビュー企画です。 今回は、石川県の金沢市にあり、福祉用具を数多く展示している「金沢福祉用具情報プラザ」。2021年11月からSOLIT STANDを設置していただいています。 展示品を管理されている本田さんにインタビューをお受けいただきました。 INTERVIEW 出来ないを出来るに変える一つの手段 ー 金沢福祉用具情報プラザとは、どんな施設ですか? 石川県金沢市にある福祉用具の常設展示場です。衣服や入浴用具、排泄用具、車いすなどの移動機器、食事用具など、あらゆる種類の福祉用具を約1200点展示しています。 当プラザでは、福祉用具の購入を検討中の方を対象に、試用貸出を1週間無料で行っています。それは、福祉用具を使用し続けるにあたって、生活環境に適合するのかを実際に使用する場所で体験していただくことは重要だと思っているからです。 ー 福祉用具の魅力は何ですか? 今できないことを出来るようにしてくれる魅力があります。また、福祉用具は人のやる気にも介入できます。例えば、SOLITのDawn Jacketは、脇にマチをつけて肩まわりを動きやすくすることで、車いすが漕ぎやすくなるように工夫されてますよね。 そのことによって、漕ぎづらかった車いすがDawn Jacketを着ることで漕ぎやすくなったら行動範囲も広がると思います。福祉用具も同じように、利用者の「出来る」を増やして、やる気を上げることにつながります。 「一人一人を知ること」が、福祉用具の魅力を引き出す ー 福祉用具の魅力を伝える際に心がけていることは何ですか? 福祉用具は同じものはひとつも置いていないので、一つ一つどんな機能や特徴があるのか把握するようにしています。また、障害の種類は同じでも、住んでいる環境や性別、年齢、好みなど、福祉用具を使われる方にはさまざまな違いがあります。そのため、その方がどういう方なのかを聞き取り、知ることを一番に心がけています。そこから、その方に合う福祉用具を提案します。 提案をして、来館された方の悩みに合った福祉用具を選べた時に、やりがいを感じます。逆に難しいと感じることは、来館された方の障害や生活の悩みに合った福祉用具が見つけられないときです。 ー 「金沢福祉用具情報プラザ」を一言で表すなら何ですか? 「見て、触れて、体験できる」施設だということです。実際に見て体験してみて、初めてその用具がどれだけ便利なのかを知ることができると思っています。   障害のある方も、もっと外出して欲しい ー SOLITとの出会いはいつですか? 昨年、知り合いの作業療法士からお洒落で障害のある方も着やすいファッションメーカーがあると聞いたのが最初です。その後、興味を持ち、代表の田中さんに連絡させてもらいました。また、昨年の10月に石川県で試着会をされていた時に、実際にプロダクトを初めて見させてもらいました。 ー SOLITの「オールインクルーシブ」という考え方のどこに共感してくださったんですか? 私は「誰も取り残さない」という考え方に共感しました。なぜなら、この考え方は福祉用具を扱ううえでも共通しているからです。福祉用具の役割として、誰も取り残さないように色んな用具があって、その人の自立度や、やりたいことを達成するために福祉用具が存在しています。 ー なぜSOLIT STANDをやろうと思ってくださったのですか?...

徳武産業の「お客様に寄り添う」心とプロダクト/INTERVIEW

徳武産業の「お客様に寄り添う」心とプロダクト/INTERVIEW

みなさんこんにちは!2022年2月からSOLITインターンをしている、あつきです。 本記事は、SOLITのプロダクトを実際に展示してくださり、多様な人も地球環境もともに考慮された「オールインクルーシブ」という考え方や価値観の発信拠点「SOLIT STAND」としてご協力いただいているみなさまへのインタビュー企画です。 SOLIT STANDの情報はこちら まずは、香川県を本拠地とする、ケアシューズ専門メーカーあゆみシューズを展開する「徳武産業株式会社」。2022年3月からSOLIT STANDを設置していただいています。 企画開発や営業を経て、現在はあゆみシューズのショップスタッフをされている西木さんにインタビューをお受けいただきました。 INTERVIEW 現場の実情を入れ込んだプロダクト ー どんなプロダクトを提供していらっしゃいますか? 徳武産業はもともと手袋産業やトラベル用のスリッパなど縫製の委託生産をやっていました。そんな時に、近所の老人施設の方から高齢者の転倒がとても多いと相談を受けました。 調査したところ、筋力が低下していたり様々な体の不自由さがあるために、屋内で履いているスリッパでは、うまく足を運べず、ちょっとした段差だったり床の環境で引っかかってしまうことがわかりました。そこで、履きものが原因なのではないか、ということになりました。そこから、神戸・長田の靴職人と研究を重ねて、「転びにくい靴」を開発しました。 ヒアリングをする中で、高齢者にとって脱ぎ履きの動作も重要ですし、片方ずつ足の状態やサイズが違うなど、転びにくいようにするためにはその方々に寄り添わないとクリアできないと当初から発見しました。発売開始後すぐ、靴底の高さやベルトの長さが変えられるなど症状に応じて部分的にカスタマイズができるパーツオーダーシステムを始めました。 販売当初から、高齢者の現場の意見・実情を入れ込んだプロダクトができています。それが原点なので、「あゆみシューズ」というブランドは現場のモニタリングを大切に、本当にそれが必要なのか、安全性は大丈夫なのか、などかなり厳しい会議をしてみんなが納得してイメージできるものをつくっています。 ー 企画の段階から施設やデイサービスに足を運んでいるとのことですが、一つの商品を生み出すのに、どれくらいの時間がかかっているんですか? ものによりますが、半年〜1年はかかっていると思います。 ヒアリングを経て実現する時、生産する工場にとって難しいことが多いので、そこの折り合いが大変ですね。ニッチすぎてフィードバックの量が集まるのに時間はかかりますが、だんだんフィードバックをもらうまでの流れがスムーズになってきています。 今の主軸は高齢者のルームシューズなどのケア用品ラインと、病院の売店などで早期退院のために転倒しにくいシューズやがん治療で脱毛する方の帽子などを販売するメディカルラインの二つです。もう一つ新規でやっているのが、脚立を登って工事をする方などが踏ん張れるルームシューズを作るお仕事ラインです。 これまで「あゆみ」で培った技術や素材の使い方を用いて様々なラインを展開していますが、共通しているのは、ニッチだけれど、ちゃんと人の役に立つかどうかをベースにしているところです。 ー 西木さんはどうして徳武産業に? 医療福祉専門学校の整形靴科で学んでいました。そこで学んだのは、「いかに歩かせるか」だったのですが、「あゆみシューズ」を訪れた時に、縫製中心の会社だったので室内履きが豊富なことに疑問を覚えました。 「歩くことが難しくても、靴を履くことはその人の人権で、その人の社会的地位を守るもの」という言葉を聞いて感動して、歩いていないから履きものはいらない・なんでもいいという考えは持っていなくて、人を大切にしているところが響きました。   スタッフ全員のベースにあるのは「お客様に寄り添っているか」 ー「利益は必要だが最優先であってはいけない」というこだわりを貫くモチベーションになっているのはどんなことですか? お客様からお手紙をいただくことですね。こちらから手書きでメッセージを添えたり、お誕生日プレゼントを2年間送ったりしているのですが、そのあたたかさがお客様にも伝わってか、お客様からお手紙をいただいたり、アンケートはがきに丁寧に答えてくれたり。 お客様から感謝してもらう事はもちろん嬉しいのですが、さらに、この靴の存在が、その人の人生のポイントの一つになっている事を、お手紙やはがきを通して、きちんと私たちが確認できるようになっているので、私たちはお客様の人生にとって大切なものを作っているのだと振り返りができる事もモチベーションになっています。 様々な年代のスタッフがおりますが、みんな最終的にベースとなっているのは「お客様に寄り添っているか」なので、売り上げにつながるかどうか、ではないなと思っています。みんな自分達の商品にプライドを持っているから繋がっているのではないかなと思います。 SOLIT...

徳武産業の「お客様に寄り添う」心とプロダクト/INTERVIEW

みなさんこんにちは!2022年2月からSOLITインターンをしている、あつきです。 本記事は、SOLITのプロダクトを実際に展示してくださり、多様な人も地球環境もともに考慮された「オールインクルーシブ」という考え方や価値観の発信拠点「SOLIT STAND」としてご協力いただいているみなさまへのインタビュー企画です。 SOLIT STANDの情報はこちら まずは、香川県を本拠地とする、ケアシューズ専門メーカーあゆみシューズを展開する「徳武産業株式会社」。2022年3月からSOLIT STANDを設置していただいています。 企画開発や営業を経て、現在はあゆみシューズのショップスタッフをされている西木さんにインタビューをお受けいただきました。 INTERVIEW 現場の実情を入れ込んだプロダクト ー どんなプロダクトを提供していらっしゃいますか? 徳武産業はもともと手袋産業やトラベル用のスリッパなど縫製の委託生産をやっていました。そんな時に、近所の老人施設の方から高齢者の転倒がとても多いと相談を受けました。 調査したところ、筋力が低下していたり様々な体の不自由さがあるために、屋内で履いているスリッパでは、うまく足を運べず、ちょっとした段差だったり床の環境で引っかかってしまうことがわかりました。そこで、履きものが原因なのではないか、ということになりました。そこから、神戸・長田の靴職人と研究を重ねて、「転びにくい靴」を開発しました。 ヒアリングをする中で、高齢者にとって脱ぎ履きの動作も重要ですし、片方ずつ足の状態やサイズが違うなど、転びにくいようにするためにはその方々に寄り添わないとクリアできないと当初から発見しました。発売開始後すぐ、靴底の高さやベルトの長さが変えられるなど症状に応じて部分的にカスタマイズができるパーツオーダーシステムを始めました。 販売当初から、高齢者の現場の意見・実情を入れ込んだプロダクトができています。それが原点なので、「あゆみシューズ」というブランドは現場のモニタリングを大切に、本当にそれが必要なのか、安全性は大丈夫なのか、などかなり厳しい会議をしてみんなが納得してイメージできるものをつくっています。 ー 企画の段階から施設やデイサービスに足を運んでいるとのことですが、一つの商品を生み出すのに、どれくらいの時間がかかっているんですか? ものによりますが、半年〜1年はかかっていると思います。 ヒアリングを経て実現する時、生産する工場にとって難しいことが多いので、そこの折り合いが大変ですね。ニッチすぎてフィードバックの量が集まるのに時間はかかりますが、だんだんフィードバックをもらうまでの流れがスムーズになってきています。 今の主軸は高齢者のルームシューズなどのケア用品ラインと、病院の売店などで早期退院のために転倒しにくいシューズやがん治療で脱毛する方の帽子などを販売するメディカルラインの二つです。もう一つ新規でやっているのが、脚立を登って工事をする方などが踏ん張れるルームシューズを作るお仕事ラインです。 これまで「あゆみ」で培った技術や素材の使い方を用いて様々なラインを展開していますが、共通しているのは、ニッチだけれど、ちゃんと人の役に立つかどうかをベースにしているところです。 ー 西木さんはどうして徳武産業に? 医療福祉専門学校の整形靴科で学んでいました。そこで学んだのは、「いかに歩かせるか」だったのですが、「あゆみシューズ」を訪れた時に、縫製中心の会社だったので室内履きが豊富なことに疑問を覚えました。 「歩くことが難しくても、靴を履くことはその人の人権で、その人の社会的地位を守るもの」という言葉を聞いて感動して、歩いていないから履きものはいらない・なんでもいいという考えは持っていなくて、人を大切にしているところが響きました。   スタッフ全員のベースにあるのは「お客様に寄り添っているか」 ー「利益は必要だが最優先であってはいけない」というこだわりを貫くモチベーションになっているのはどんなことですか? お客様からお手紙をいただくことですね。こちらから手書きでメッセージを添えたり、お誕生日プレゼントを2年間送ったりしているのですが、そのあたたかさがお客様にも伝わってか、お客様からお手紙をいただいたり、アンケートはがきに丁寧に答えてくれたり。 お客様から感謝してもらう事はもちろん嬉しいのですが、さらに、この靴の存在が、その人の人生のポイントの一つになっている事を、お手紙やはがきを通して、きちんと私たちが確認できるようになっているので、私たちはお客様の人生にとって大切なものを作っているのだと振り返りができる事もモチベーションになっています。 様々な年代のスタッフがおりますが、みんな最終的にベースとなっているのは「お客様に寄り添っているか」なので、売り上げにつながるかどうか、ではないなと思っています。みんな自分達の商品にプライドを持っているから繋がっているのではないかなと思います。 SOLIT...

株式会社ソリッドラボ代表 黒田悠生さんと考える「ファッションとファブからのインクルーシブアプローチ」/ INTERVIEW

株式会社ソリッドラボ代表 黒田悠生さんと考える「ファッションとファブからのインクルーシブアプロ...

2022年1月29日(土) に、福井県福井市にあるTONKAN terrace(トンカンテラス)にて「トークセッション&試着会」が開催されました。テーマは「ファッションとファブからのインクルーシブアプローチ」。今回、会場に来場された田中耿さんの視点で、トークセッションの内容をまとめていただいたので、掲載させていただきます。

株式会社ソリッドラボ代表 黒田悠生さんと考える「ファッションとファブからのインクルーシブアプロ...

2022年1月29日(土) に、福井県福井市にあるTONKAN terrace(トンカンテラス)にて「トークセッション&試着会」が開催されました。テーマは「ファッションとファブからのインクルーシブアプローチ」。今回、会場に来場された田中耿さんの視点で、トークセッションの内容をまとめていただいたので、掲載させていただきます。

G.F.G.S.代表 小栁 雄一郎さんと語るファッションを通して実現したい循環のサイクル/ INTERVIEW

G.F.G.S.代表 小栁 雄一郎さんと語るファッションを通して実現したい循環のサイクル/ I...

2022年2月2日、新潟のMOYORe:で「ファッション」という「切り口で今の社会を捉えてみるトークイベントを開催しました。MOYORe:を運営されている株式会社リビタの原田さんと新潟県加茂市のファクトリーメーカー「G.F.G.S.」代表の小栁雄一郎さんとSOLITの代表田中美咲との対談のご内容をご紹介させていただきます。

G.F.G.S.代表 小栁 雄一郎さんと語るファッションを通して実現したい循環のサイクル/ I...

2022年2月2日、新潟のMOYORe:で「ファッション」という「切り口で今の社会を捉えてみるトークイベントを開催しました。MOYORe:を運営されている株式会社リビタの原田さんと新潟県加茂市のファクトリーメーカー「G.F.G.S.」代表の小栁雄一郎さんとSOLITの代表田中美咲との対談のご内容をご紹介させていただきます。