異なる特性を持つ人たちとの共生、その実現にむけて/INTERVIEW

異なる特性を持つ人たちとの共生、その実現にむけて/INTERVIEW

目次

SOLITが多様な人も地球環境も配慮されたオールインクルーシブな社会実現に向けて、第一弾として取り組む「ファッション」。1人1人の自己表現だけでなく、多くの人や企業が共に立ち上がることによって、従来の「美」の固定化からの脱却や、お互いを認め合う社会づくりに繋がっていくと信じています。その集大成ともなるバンクーバーファッションコレクションに出場にむけ、現在多くの企業が共に立ち上がってくださっています。

このJOURNALでは、SOLITのバンクーバーファッションコレクションの挑戦に、共に立ち上がろうとしてくださっている企業が、どうして協力すると決めてくださったのか、その背景にある想いをインタビュー形式でまとめています。

ぜひ読んでくださった皆さんも、ともに立ち上がる仲間になっていただけたら嬉しいです。今回は、富士通株式会社 コンバージングテクノロジー研究所 DE&Iプロジェクトグループの田中沙紀子さんへのインタビューです。

 

今回のインタビューを受けてくれた方:

富士通株式会社 コンバージングテクノロジー研究所 DE&Iプロジェクトグループ 田中沙紀子さん

きこえる・きこえないに関わらず表現できるよう、振動と光によって音の特徴をからだで感じる「Ontenna(オンテナ)」をスタッフ全員分お貸し出しいただきました。

 SOLITのバンクーバーファッションコレクションについて

協賛企業一覧はこちら

 

SOLITのバンクーバーファッションウィークへの挑戦をサポートしてくださることになったきっかけを教えてください。

バンクーバーファッションウィークに出場することになったSOLITのモデル、水口ミライさんが「ぜひバンクーバーファッションウィークでOntennaを使いたい」と言ってくださったことで、SOLITよりお問い合わせをいただいきました。 

現在のファッション業界におけるステレオタイプや枠組みの狭さから抜け出し、多様性を示していこうという姿勢を、ぜひ応援したいと思いました。

白くて丸い形をして、中心部分が青く光っているOntennaのデバイス写真

(画像提供:富士通株式会社)
音をからだで感じるユーザーインターフェース Ontennaは、音の大きさを振動と光の強さに変換して伝える、クリップ型デバイスです。

SOLITのどのような部分に共感してくださっているのでしょうか。

人々は多様なのに、それが受け入れられていないのが今の社会だと思います。私たちも、SOLITも、そこを変えていこうと取り組んでいる仲間だと言えるのではないでしょうか。

SOLITが実際に多様な人と一緒に挑戦しているところに、私は勇気をもらっています。世間では、女性に関するテーマなのに男性だけで議論をしている、といったことが未だにあります。そういった過ちに陥らないようにしなければと思う一方で、実際にやり方を変えようとすると、さまざまな壁があるのも事実です。そんな言い訳でやり過ごさないように、SOLITを応援しながら、私たちの活動も進めていきたいと思っています。

富士通株式会社では、どのような社会の実現を目指していますか。

富士通は、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」ことを目指しています。私たちのチームは、その中でも特に、インクルーシブな社会の実現を目指しています。

現在、より良い社会の実現に向けて、取り組んでることや注力していることを教えてください。

私たちのチームは現在、主にろう・難聴者と聴者をつなぐ機会をつくっています。バンクーバーファッションウィークに向けて貸し出しているOntennaは、音の大きさを光と振動の強さに変換する装置です。このOntennaについて、「耳がきこえない人たちのためのものですか?」と聞かれることがあります。

きこえない人に使ってもらっても、きこえる人と同じように音を体験できるわけでは、決してありません。私たちとしては、Ontennaはろう・難聴者と聴者が、一緒に何かを楽しむ場をつくるためのきっかけにしてもらいたいと考えています。

モデルのMoebaとコカコーラボトラーズジャパンの高居

一緒の場を共有することで、自分とは異なる特性を持つ人と話してみたり、文化や感じ方の違いに触れてみたりできるはずです。このような経験、体験を通じて、自らの生活や仕事においても、異なる特性を持つ人たちとの共生を考え、その実現にむけて活動する人を増やしていきたいと考えています。

しかし、インクルーシブな取り組みは、「100%達成できた状態」というゴールがない活動だと思っています。「目が見えない人が困らないように点字ブロックを設置したら、車いすの人にとってはブロックの段差で道が通りづらくなってしまう」といった難しさはたくさんあります。いま、自分たちは誰を巻き込めていて、誰を巻き込めていないのかについて、常に自覚的である必要があると考えています。

SOLITの今後に期待していることは?

私は、SOLITから、自分と異なる特性を持つ人と共に活動する楽しさを感じています。インクルージョンには難しさもたくさんありますが、これからも真摯に取り組み、楽しさや魅力をポジティブに発信し続けてほしいです。

OntennaをつけるSOLITの講師

最後にSOLITのJOURNALを見てくれている方へ一言お願いします。

SOLITや私たちの取り組みを通じて、インクルーシブな活動の魅力を感じていただけると嬉しいです。そして、ご自身でも何か新たな取り組みを始めたいという気持ちが湧いたら、ぜひアクションに移してください。

 

富士通株式会社 コンバージングテクノロジー研究所 DE&Iプロジェクトグループについて

富士通は、世界の各地域で事業を展開し、グローバルにデジタルサービスを提供しています。その中でも私たちDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)プロジェクトグループは、ろう・難聴者などの当事者と共創し、新しい価値を生み出すことや障害当事者と非当事者の壁をなくすことを目指して活動しています。

 

HP:https://global.fujitsu/ja-jp/

Facebook:https://www.facebook.com/FujitsuOfficial/

Twitter:https://twitter.com/FujitsuOfficial

You Tube:https://www.youtube.com/user/FujitsuOfficial

 

 

 

一覧に戻る