SOLITメンバー共同執筆の国際学術書が出版
このたび、PROJECT SOLITのメンバーが共同執筆した章が収録された『De Gruyter Handbook of Fashion Marketing』が出版されました。本書は、ファッションマーケティング分野における最新の研究や実践をまとめた国際的なハンドブックで、ドイツの学術出版社De Gruyterより2026年に刊行されました。
SOLITは、「Section 2: Fashion Marketing in a Diverse World」の中で、" Harmonized Design: Redesigning the Process Itself for Inclusive Collaboration"という章を執筆しています。
執筆メンバーは、田中美咲、和田菜摘、三原五都生、矢野目莉奈、森和樹の5名です。
前4名はSOLITのメンバーですが、森和樹は以前からSOLITの活動を応援してくださっている仲間であり、現在は東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科専任講師でもあります。
「多様な人が共に意思決定できる仕組み」をデザインする
本章では、障害の有無だけでなく、難民としての背景、宗教や信条、性的指向、年齢、キャリアなど、多様なバックグラウンドを持つ人々とプロジェクトを進める際に生じる特権性や構造的な課題について考察しています。そして、それらの課題に向き合うためには、多様な人々を単に参加者として迎え入れるだけではなく、企画や意思決定の初期段階からそれぞれの違いを前提として設計し、プロセス全体を通じて責任を共有する仕組みが必要であることを提案しています。
私たちは、
「多様な人を招き入れること」ではなく、
「多様な人が共に意思決定できる仕組みを設計すること」
こそがインクルーシブデザインであると考えています。
本章では、その考え方を1年間にわたって実施した『Diverse Runway by PROJECT SOLIT』の事例をもとに紹介しています。
ケーススタディ掲載から共同執筆へ
本書の編集者であるオルガ・ミッターフェルナー教授は、イギリス・ロンドンのUniversity of Westminsterでファッションマーケティングを専門とする研究者です。2024年には、オルガ教授の著書『Fashion Marketing and Communications: Theory and Practice Across the Fashion Industry』において、SOLITをケーススタディとして取り上げていただきました。
さらに2025年からは、University of Westminsterの大学院プログラムにおいて、SOLITが業界パートナーとして学生教育にも関わっています。そうした交流を重ねる中で、オルガ教授が本書の中で多様性を扱う章の執筆者を探していたことから、Diverse Runwayの実践に関心を寄せていただき、今回の共同執筆へとつながりました。
ロンドンで開催されたブックローンチイベントに参加
本書の出版に合わせて、ロンドンでは複数のブックローンチイベントが開催されました。
6月4日には、ロンドンの Royal Society of Arts にて、共同執筆者によるトークイベントが行われ、研究者や実務家、学生などが集まりました。イベント後にはネットワーキングの機会も設けられ、本書で扱われるテーマについて活発な意見交換が行われました。
パネルでは、本章で紹介した「Harmonized Design」の考え方や、Diverse Runwayの実践を通じて得られた学びについて共有し、学術研究と実践をつなぐ対話の機会となりました。

これからも国境を越えて知見を共有していく
SOLITはこれまで、ファッションを通じて多様な人々が協働できる仕組みづくりに取り組んできました。今回の寄稿は、そうした実践から得られた学びを国際的な学術コミュニティに共有する機会となりました。
今後もUniversity of Westminsterとの連携をはじめ、国内外の研究者や実践者との対話を通じて、インクルーシブデザインの可能性を広げていきたいと考えています。
