パートナーである生産者との向き合い方/INTERVIEW

パートナーである生産者との向き合い方/INTERVIEW

目次

オールインクルーシブな社会における生産者との関係

わたしたちは、モノづくりを通して、ただ社会システムや資源の現状維持を目指すのではなく、「つくればつくるほど、社会が良くなっていく」ことを目指しています。そのための第一歩として、SOLITができることは生産者との関係を考えることでした。

大量生産を前提としたモノづくりを行う企業の多くは、付属品や販売価格を決定したうえで工場に製造を依頼します。そのため、工場で働く人たちは、製造効率を高めたりデザインをより良くしたりするために縫製方法や価格などを検討する余地がなく、指定された通りに商品を作るだけになってしまいます。

しかし、このような方法だと、工場で働く人のモチベーションの低下や技術の伝承が途絶えることにつながりかねません。さらに、生産者と依頼した企業側に上下関係が生まれてしまうと考えています。そのため、SOLITではプロダクトの生産を担っている工場をチームの一員として対話をし、対等なパートナーシップを確立しています。


「パートナー」としてともに歩んでいくということ

今回は、SOLITの生産を担う中国の工場「WIN」の、総経理の黄さん、副総経理の彭さん、日本の企業と工場との懸け橋をしてくださる柳さんにご協力いただき、SOLITとの関わりについて実際にどのように感じているかについてインタビューをさせていただきました。

縫製をする工場担当者

ーSOLITの生産を受け入れてくださった理由を教えていただけますか?

2つあります。1つ目は、WINで働く仲間たちが主体的に関わることができるからです。今までは、工場は依頼された仕事をするという立場がメインであったのですが、わたしたちは自分たちがデザインをしながらお客様に共感してもらえるようにしたいとずっと思っていました。そんな時、わたしたちを「パートナー」として接してくれるSOLITと出会うことができ、ぜひ一緒に仕事をしたいと思いました。

2つ目は、SOLITの社長である田中さんの個人的な魅力に惹かれたからです。人間は善悪の「善」の部分を必ず持っていると思いますが、彼女はその社会に貢献したいという想いを、さらに商業ベースにのせ、人のために行動に移そうとしています。その姿に共感しています。

ーSOLITの生産を受け入れたことによって、組織の体制面や社員のマインド面において変化したことはありますか?

まず、モチベーションという意味では、会社の中の雰囲気が今まで以上に良くなりました。例えば、WINの中にも体が不自由な方がいるのですが、そのような人たちの気持ちを理解できるようになったり、車いすを借りてきて一緒に仕様面を考えたりと、皆の気持ちが温かくなったと感じています。

SOLITと仕事をしていることで、社会貢献という偉大なことに関わっているという点で自分に誇りを持つことができる上に、SOLITが本来人間の持っている善や温かさを引き出してくれた感覚があります。

また、技術面に関しても、SOLITの社員によるレクチャーのおかげで生産する商品の仕様に関してより良くしたいという想いから、どんどん案がでるようになりました。SOLITとのミーティングを通して、WINの社員一人ひとりが自主的に技術面での意見を出すことができ、主体的な仕事を心掛けるようになりました。

ーSOLITとの関わりを継続していただいている理由を教えていただけますか?

やはり一番は、SOLITとは「パートナー」という感覚が強く、これからも一緒に仕事をしていきたいと思っているからです。それに加えて、SOLITの商品は同じものを作り続けるのではなく新しいアイテム、しかも今まで世に出ていないアイテムが次から次へと出るので、想像力の面でも自分たちの成長につながると思っています。また、他社との差別化を目的とするのではなく、皆がデザインに関わり、「より良いものをともにつくっていく」という姿勢が素敵だと感じています。

アイロンがけをする担当者

ーファッションにおける環境面や人権面での課題についてどのように捉えているのでしょうか?

環境面においては、中国政府の対応にあわせてWINでは生地選びを工夫しています。現在取り入れている生地は、リサイクル生地や裁断した際にでた糸くずを再生してつくった生地などがあります。

また、障がいのある方に対しては、特別に何かを設けるのではなく、日常生活の中で助け合う行動をしたいと思っています。その点において、SOLITと関わり続けながら、ともに歩んでいきたいと思います。

パソコンで作業をしている担当者

ーどのような社会の実現を目指しているのでしょうか?

一つひとつの国や、そこで生まれる社会が大きな家族のようになってほしいと心から思っています。SOLITと関わるようになってから、本当に多様な人や多様な価値観に触れ合うことができ、視野が広がると同時にその中で困っている人たちの力になりたいと強く感じるようになりました。

WINでは衣服をつくることがメインですが、衣服だけでなく様々な分野で社会という家族を支えられるものを作りたいです。

ーSOLITの今後に期待していただいていることはどんなことでしょうか?

SOLITはいつも新しい情報や良いニュース、イベント情報などをくれるので勉強になっています。特にサステナブルの観点でSOLITは新しい発想や情報をいっぱい持っているので、ぜひ私たちにも共有していただけると嬉しいです!

また、もう一つ欲を言えば、私たちも商業的な組織なので、SOLITの世の中への影響力の拡大とともに、経済的な発展も心から期待しています。

線引きするのではなく、1つのチームとして

多くの場合、生産者と生産を依頼する企業の関係のように、無意識のうちに役割の異なる2者の間に行き過ぎた上下関係を生み出してしまっている可能性があります。今回インタビューをさせていただき、SOLITとWINの関係性を肌で感じたとき、互いに尊重しあい、刺激を与え合ったりして、ともにチームとして歩んでいく関係がとても魅力的に感じました。

SOLITの想いに共感し、一緒に考え、支えてくださるWINの存在がなければ、わたしたちは間違いなくここまで歩むことはできませんでした。WINのメンバーは、オールインクルーシブな社会の実現を目指す信頼できるパートナーであり、日々感謝の気持ちでいっぱいです。

これからもWINのメンバーとオールインクルーシブな社会の実現のためにともに歩んでいきたいと考えております。

生産に携わってくださっている工場の皆さんとオンライン会議をしているところ

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