中四国試着展示会ツアー vol.1 岡山編

目次

  1. サーキュラーデニム「land down under」との共同試着会
  2. 染めの可能性を探究する「浦上染料店」
  3. 商店街から共生社会をつくる「ありがとうファーム」
  4. 一人ひとりの働きやすさに寄り添う福祉事業所「nui」
  5. 岡山でのSOLITな場所と人に出会って

こんにちは!SOLITインターンのMIOです。

2021年12月12-18日、わたしたちは中四国(岡山・香川・徳島)をぐるりと巡り、SOLITアイテムの試着展示会を開催しました!また、試着展示会の合間の時間や、移動だけの日には近隣の福祉やモノづくり、サステナビリティに取り組む方々のもとへ訪問させていただきました。
試着会にお越しいただいた皆さま、そして視察を快く受け入れてくださった皆さま、本当にありがとうございました!

今回は「SOLITが注目する中四国の取り組み 岡山編」と題して、旅のなかで、見たこと聞いたこと感じたことを、全3本立てで綴っていきます!第一弾は岡山です!ぜひご覧ください。

サーキュラーデニム「land down under」との共同試着会

2021年12月12日、岡山駅からほど近い奉還町のゲストハウス「KAMP」。カフェやイベントスペースを兼ね備えたKAMPは、国内外の多様な若者が集う、奉還町の中心的な存在のよう。

そして今回の試着会は、岡山発の循環するジーンズブランド「land down under」さんとコラボレーションしました!!

land down underでは、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の考えに基づき、再利用することを前提になるべく綿の単一素材でジーンズを作られています。また、生地には小さなキズなどがあり使われないまま工場に眠っているデニム生地を使用。資源が循環すると同時に、それに関わる”ひとの想い”も循環することを大切に、国産ジーンズ発祥の地 倉敷市児島地区を拠点に活動されています。

ジーンズはもともと、「重労働でも破れない服が欲しい」という労働者の声から生まれた歴史があります。SOLITの服もまた、「着たいのに着れない」という多様な体型の当事者の声から生まれ、それら課題を解決するために生まれました。

さらにland down underもSOLITも、廃棄物を出さない服づくりを目指し、環境にも人にもやさしい服を届ける点で共通しており、今回のコラボレーションをとても楽しみにしていました!

今回の試着会には、車いすユーザーの方が3名いらっしゃって、ジャケットの軽さや動きやすさに「すごい!」と声が上がることもありました。また、ジェンダーや人権などの社会課題に関心を持ち、広島からはるばる来てくださった学生さんもいらっしゃいました。他にもたくさんの方に着ていただき、SOLITの服とland down underのジーンズを交互に試着されたり、皆さん思い思いに楽しんでいただけたようでした!

夜はKAMPにて定期開催しているトークイベント 「Let’s talk about…club (LTAC) 」にSOLIT代表 田中とland down under代表 池上さんが登壇。SOLITからは「ファッションと人権」、lduからは「ファッションと環境」をテーマにそれぞれ講演をした後、15名ほどの参加者とともに対話が続きました。

エコや循環、ファッションによるケア、スタートアップの活動の広げ方や介助犬の認知度等々・・・講演の中で生まれた疑問や日々の生活の中で感じるモヤモヤ、多様な視点からの意見を共有し合えた豊かな時間でした。

トークイベント後も参加者で試着を楽しみ、大盛況のうちにこの日の試着会は終わりました!

染めの可能性を探究する「浦上染料店」

2021年12月13日、倉敷市児島の染色会社「浦上染料店」さんを訪問しました!
SOLITの服もできるだけ長く楽しく着ていただけるように、もし汚れてしまったり、長く使っていただいた後に色が褪せた場合に向けて、染めなどのリメイクができたらいいな、という思いでお話を伺いにいきました。

浦上染料店は小ロットの染色に特化しており、化学染料から草木・鉱物を用いた天然染料まで幅広い材料と技術を駆使しながら生地の染色をされています。3代目の浦上さんからは紀州備長炭で染めると消臭効果もある淡いグレーの生地が出来上がることや、家具を作る際に余った木材を使って生地を染めると、その家具にも合った色合いの生地が出来ることなど、今まで知らなかった染めの面白さを教えていただきワクワクが止まりませんでした!

本社には、染めに使用する染料の分量や割合を測る機械がずらり。まるで実験室のような場所で、理系出身の私はちょっと興奮していました!

普段は綿の素材を中心に取り扱っているそうですが、化繊のSOLITの服も天然染料で染色してみるのも面白そうだとおっしゃる浦上さん。日々、様々な掛け合わせを試し、探究し、染める可能性を楽しんでいらっしゃるんだな、と感じました。

倉敷市児島地区はデニムだけでなく畳縁、シートベルトのベルト部分、学生服などなど様々な織物製品や布製品の生産地でもあります。作り手が集まるこの場所で、ひとの想いや生地の個性や違いを汲んで染め上げるなかで、作り手と売り手のパワーバランスの歪みにも課題を感じていると伺いました。

生地にわずかでもキズがあると売り手に買い取ってもらえず、作り手が抱え込んでしまうケースがあるとのこと。浦上染料店ではそれらの売れなかった生地を染め直し再価値化しつつ、作り手の人柄も直接使い手に伝えています。そうすることで、多少のキズも個性と思って、使い手の方に喜んで買ってもらえるのだそうです。

ひとの想いまで伝えるモノづくりについてたっぷりお話を伺うことができ、とても勉強になりました!

商店街から共生社会をつくる「ありがとうファーム」

続いて、岡山市の表町商店街にある就労継続支援A型事業所「ありがとうファーム」さんに訪問しました!

ありがとうファームは「知ることは、障がいを無くす。」をスローガンに掲げ、障がい者の自立と共生社会の実現を目指してさまざまな事業を展開されています。約90名のメンバーがそれぞれの得意なことを生かしながら、アート作品の制作や、カフェ・レストランの調理や接客などの仕事をされています。

様々な企業とコラボレーションしながら、作品を商品のパッケージデザインにしていたり、自動販売機のラッピングデザインにしていたり、収益を得られるような仕組みづくりをされているそうです。岡山駅のお土産物売り場でも、ありがとうファームのメンバー発の素敵なデザインの商品をたくさん見かけました!!

表町商店街にはありがとうファームが運営するお店が6店舗あります。経営者が一方的に仕事を与えるのではなく、メンバーが自分の会社を自分で良くする意識を持ち、それぞれの場所でイベントを開催するなど積極的に働かれているそうです。また、コロナ禍では就労継続支援事業所として初めてテレワークを実施し、Skypeで編み物制作を教える体制を整えるなど、障害を持つ方も安心して働ける環境づくりをされていました。

社長の木庭さんは、誰でも過ごしやすい社会のモデルケースを表町商店街につくり、こういうことが出来るんだと来た方に気づいてもらえるようにしたいとおっしゃっていました。知的障害や発達障害のある方が服で気になっていることや、聴覚過敏や統合失調症の方の困りごとを解決するアイデアを教えていただくなど、福祉の現場からの声をお聞きできた貴重な時間でした!

一人ひとりの働きやすさに寄り添う福祉事業所「nui」

最後に、倉敷市美和にある就労継続支援B型事業所「nui」さんに伺いました!
バッグや小物などを縫製する仕事を中心として、地域の会社から依頼を受けているそうです。

nuiでは発達障害や精神疾患を持つ方が働いています。他の事業所で“障害者”とひとくくりにされてしまい、居場所がないと感じていた方がよくいらっしゃるそうです。一人ひとり理解や認知の仕組みは異なるため、それぞれの特性に合わせて働き方を工夫されていました。

例えば1日のスケジュールを個別に設定し、見通しを持って安心して取り組めるようにしたり、縫製の手順を口頭ではなく図面に落として視覚的にわかりやすくなるようにしていたりされていました。

また、人に相談することが苦手な方には、わからないことを誰にどんな風に聞いたら良いのか明示していたり、みんなで一緒に仕事するのが苦手な方には個別ブースを用意したり。他にも、思いついたことを一旦書き出せる付箋を用意するなど、個人に合わせた工夫がたくさん。

特性に合わせて安心して働ける環境を整えることで能力を発揮できるようになり、最初は週1回のみ来ていた方が毎日来れるようになったケースもあるようです。
nuiで働くことで自身の特性を理解し、次のステップへ繋げられるようになることを目指しているとのことでした。

私も、SOLITでのインターンを通して「企業で働く」初めての体験をしており、自身の特性やメンバー一人ひとり得手不得手が違うことを理解し実感している最中です。どうしたら働きやすくなるか、メンバーと一緒に考え工夫ができる環境はとてもありがたく感じていたので、nuiでの取り組みもとっても素敵だなと思いました。

今回案内していただいた大岡さんは、元々は縫製を中心としたお仕事をされていましたが、障害を持つ子どもたちの支援をされていたお母さまの影響もあり福祉のフィールドで活動するようになったそうです。
障害を持つ方にとってやさしい働き方や環境づくりに取り組む中で、それは結局みんなにとってもやさしい働き方であると気づき、もっと広く企業で取り組んだら良いのではと思うようになった、とおっしゃっていました。

SOLITの服も、ファッションで最も課題を感じている方の課題を解決することで、誰でも着やすい服になっており、大岡さんの言葉にとても共感しました。

岡山でのSOLITな場所と人に出会って

今回私は、モノづくりの中心地に初めて訪れました。一つの”モノ”が様々なひとの手によって作られ、関わるひとの想いを乗せていることに気づき、無機質だった”モノ”のイメージがとたんに彩り豊かになりました。
サプライチェーンが長く複雑になった現代では、モノに宿っていた作り手の想いや彩りは褪せてしまい、売り手や使い手に届かぬまま大量消費や大量廃棄に繋がってしまうのだと考えます。
モノが豊かにあることではなく、彩り豊かなモノによって心を満たしていけるよう意識しようと思いました。

また、ありがとうファームとnui、それぞれ全く異なるタイプの福祉事業所でお話を聞くことができ、とても面白かったです。
障害があっても無くても、いろんな人がいて、生きやすいと感じる環境はそれぞれであることは一緒。“障害”という一つのカテゴリーに注視するあまりに、その中にある多様性を無視してしまうことの危うさを改めて感じました。

一人ひとりの個性や特性、得意なことも苦手なことも互いに受け入れられるオールインクルーシブな社会について、より一層考えさせられました。

以上、岡山編でした!
次回は香川に行ってきます!

中四国試着展示会ツアーシリーズ